ペット✕EC、サービス拡大とその背景 ~アイペット調査~
ペットとの記念日という商機
アイペット損害保険株式会社では、新年度を迎えるにあたり、アイペット損保契約者を対象に「ペットとお祝いする記念日」に関するアンケート調査を行ったと発表した。対象者数は753名(犬飼育者606名、猫飼育者147名)。調査期間は2015年2月26日~3月15日としている。
同調査の結果によると、全回答者のうち8割以上の人がペットの「誕生日」にお祝いをし、犬、猫の飼い主ともに記念日には「特別なフードを買ってプレゼント」をする人が過半数であるということが分かっている。その他にも、クリスマスや正月など時事イベントの際にお祝いをし、外出したり外出先で記念写真など、やはりペットといえど我が子同様の接し方をしている飼い主が多いことも分かった。
同社は、「ペットとの共生環境の向上とペット産業の健全な発展を促し、潤いのある豊かな社会を創る」ことを今後も目指して活動していきたいとしている。
人間同様の重みを持つペット産業において、これだけの割合の消費者が記念日などを意識しているという結果は、ペット産業に携わるEC事業者にとっては見逃せない情報である。
また、ペットへ向けたアプローチだけでなく、飼い主である消費者に向けた内容で、今回興味深い新サービスを開始するのは株式会社3D PETSHOPと株式会社アイジェットの2社。両社は4月15日より業務提携を行ない、ペットの写真からオリジナルフィギュアを制作するという新しいサービスを共同で開始したと発表した。
株式会社3D PETSHOPは、3DCGの技術を駆使し最新の3Dプリント技術を最大限に活用するクリエイター集団。株式会社アイジェットは3Dデータ事業全般を行う3Dデータトータルソリューション会社の最大手。
愛犬、愛猫の想い出を写真からモデリングし、ハイクオリティ3Dプリント技術により本物そっくりの立体フィギュアを制作するという、それぞれ両社の強みを活かしたサービスとなっている。
写真一枚からフィギュアを作成できる強みは、例えば昔買っていたペットで写真しか残っていないなどのシチュエーションでの訴求力が大きい。忘れられないペットの記念日に、改めてお祝いをしたいと考える消費者は少なくはないだろう。
ペット産業はリアルにとってもECにとっても大きな市場である。テクノロジーの進化をうまく取り入れ、消費者ニーズを実現するサービスは今後さらに増えていくだろう。
ペットに向けたサービスと、飼い主に向けたサービスの二軸での盛り上がりを見せる市場において、EC事業者はそのどちらにもアプローチが可能、自社の特化ポイントを落としこむ企画などを練ってみるのも、面白いだろう。