Amazon以外のECサイトでAmazonアカウントが利用できる「Amazonログイン&ペイメント」提供開始
初めて利用するサイトでの面倒な情報入力を短縮
Amazon.co.jp(以下、Amazon)は11日、他のECサイトでAmazonのアカウントでログインし、支払い時の情報入力などを短縮できる簡単支払いサービス「Amazonログイン&ペイメント」の提供を開始すると発表した。
同日、Amazon本社で行われた記者会見では、Amazonセラーサービス事業本部事業本部長の星健一氏や、四季株式会社(劇団四季)代表取締役社長の吉田智誉樹氏、夢の街想造委員会株式会社代表取締役社長の中村利江氏ら三名が登壇し、プレゼンテーションを行った。
「Amazonログイン&ペイメント」概要
新サービスとなる「Amazonログイン&ペイメント」は、本サービスを導入しているECサイトでAmazonアカウントでログインし、登録されている配送先住所やクレジットカードが利用できるサービス。
新規で訪れたECサイトでの買い物時などで、手間のかかる新たな情報入力の手間を省くことができる。これにより、ユーザーにとっては初めて利用するECサイトでも簡単に買い物ができ、店舗にとってはいわゆる「カゴ落ち」と呼ばれる、カートに入れたものの支払い情報等の入力が手間だったり抵抗を感じたユーザーが購入を断念し、最終的な購入に至らないといった状況を回避できる。
クレジットカード情報などはAmazonのセキュリティシステムで完全管理されるため、外部に流れる心配はない。Amazonマーケットプレイスの保証がそのまま導入されており、店舗側に渡る情報は配送に必要な情報のみとなっている。
米Amazonでは2013年10月にローンチされたサービスで、すでに日本以外では四カ国で導入され、導入社数は数千社に登るとのこと。星氏が実例として紹介した企業例では、新規顧客の3人に2人がAmazonアカウントを利用しているという例や、導入により10%~30%の注文成約率改善という結果が出ていると述べた。
「利便性を提供することで顧客満足度を高めることが目的です。初回注文や新規のハードルを下げ、注文成約率の向上を提供するとともに、『Amazonのお客様をあなたのお客様に』というコピーで、より導入企業様のサイトがユーザーにとって身近なサイトとなり、スムーズな登録を促します」
と星氏は語った。
国内導入二社「劇団四季」「出前館」
月間訪問者数約4,000万人のAmazonユーザーの新規利用を狙い、今回「Amazonログイン&ペイメント」の導入パートナー企業となる四季株式会社の代表取締役社長である吉田智誉樹氏、夢の街想造委員会株式会社の代表取締役社長である中村利江氏も登壇し、自社サービスと「Amazonログイン&ペイメント」との親和性の高さなどを解説した。
各社プレゼンテーション後のフォトセッション及び記者囲い込み取材では、様々な質問が飛び交い、実際の導入までの期間(Amazonによる審査などにより各社それぞれ差が生じるとのこと)や、トラブルがあった際に、店舗とユーザー間で解決に至らなかった場合はAmazonが全面的に保証を行うなど、具体的な質疑応答が展開された。
「仮に、他のモールでも同様のサービスが開始された場合、そちらでも同じく導入するお考えはありますか」
という問いに対し、四季株式会社の代表取締役社長である吉田智誉樹氏は
「もちろん研究させていただき、お客様の利便性が向上すると判断できれば導入検討いたします」
と回答。夢の街想造委員会株式会社の代表取締役社長である中村利江氏は
「費用対効果等を考慮し、お客様と弊社両方にとって良い方向に向かうと判断できれば検討いたします」
と回答した。