Amazon、名古屋みなとFCの構内を初公開
Amazonは2025年9月22日、8月に稼働を開始した物流拠点「Amazon名古屋みなとフルフィルメントセンター(FC)」の構内レポートを公開した。
Amazonの西日本最大規模の物流拠点
名古屋みなとFCの延床面積は約12万5000平方メートルで、2025年9月時点でAmazonの西日本最大規模の物流拠点となっている。
本FCでは、カーボンフリーエネルギーの活用を積極的に進めており、地中熱ヒートポンプを利用した空調システムを導入。200本の地中熱交換器を使い、地下100mの安定した地中の温度を利用して建物の1階部分の冷暖房を行うことで、低エネルギーで室温を快適に保つことができる。
※画像元:Amazon西日本エリア最大の物流拠点「Amazon名古屋みなとフルフィルメントセンター」を初公開(アマゾンジャパン合同会社)
このシステムにより、従来の空調と比べて建物の1階部分のエネルギー消費量を約30%削減できる見込み。この地中熱空調システムは日本でも最大規模のものであり、Amazon全体でも先進的な取り組みとなっている。
◆地中熱空調の配管
※画像元:Amazon西日本エリア最大の物流拠点「Amazon名古屋みなとフルフィルメントセンター」を初公開(アマゾンジャパン合同会社)
また、建屋や駐輪場・駐車場の屋根上に加え、南側の壁面にも太陽光発電設備を設置。壁面太陽光発電は世界各地にあるAmazonの物流拠点の中でも、名古屋みなとFCが初となる取り組みとなる。
各種ロボットが作業をサポート
日本のチームが独自に開発したロボット「デパレタイザー」が、FCに届いた商品が入った折り畳みコンテナをコンベアに下ろす作業を自動化。このロボットは安全と人間工学に基づいて設計されており、働く人たちの負担軽減と作業効率の向上を実現している。
※画像元:Amazon西日本エリア最大の物流拠点「Amazon名古屋みなとフルフィルメントセンター」を初公開(アマゾンジャパン合同会社)
本FCには1900万点以上の在庫が保管されており、1日あたり最大で入荷・出荷ともに60万個以上にのぼる。
ロボットが商品保管棚を運んで入出荷をサポートする「Amazon Robotics」エリアでは、小型の商品を格納する「ポッド」と呼ばれる黄色い棚を、ロボット「ドライブ」が持ち上げ、商品の棚入れや棚出しをする人が作業する「ステーション」まで自動で運搬する。そのため、「棚入れ」「棚出し」をする作業員は、長い距離を歩くことなく、効率的に作業を進めることが可能だ。
※画像元:Amazon西日本エリア最大の物流拠点「Amazon名古屋みなとフルフィルメントセンター」を初公開(アマゾンジャパン合同会社)
地域に数千人の働く機会を創出
名古屋みなとFCについて、FCの企画・設計・建設を統括したアマゾンジャパンオペレーション技術統括本部統括本部長の渡辺宏聡氏は次のようにコメントする。
「この名古屋みなとFCは、東海地方そして全国のお客様に最高のお買い物体験をご提供し、地域に数千人の働く機会を創出すると共に、先端技術を活用して働く方々をサポートします。またAmazonのThe Climate Pledge(クライメイト・プレッジ)達成に向けた取り組みにとって、大きなマイルストーンとなる拠点です。Amazonはこれからもイノベーションを続け、ともに働く人たちがより働きやすく、安心・安全な職場をつくるととともに、より持続可能な施設運営のために尽力してまいります」
本FCには、授乳期間中の女性が利用できるマザーズルーム(搾乳室)や、宗派を問わず利用できる礼拝室も完備。働く人の多様なニーズに対応し、持続可能な物流を実現する拠点として期待される。
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