Amazon広告とは? はじめかたから運用ポイントを解説

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ECのミカタ編集部

Amazon広告とは? はじめかたから運用ポイントを解説

コロナ禍の影響でネットショッピングの需要が高まる中、Amazonでの店舗運営を行う企業も増えているのではないでしょうか。
世界最大級のECサイトであるAmazonでの出店は、多くの人に商品を見てもらえる可能性が高い一方で、反対に膨大な量の商品の中に自社の商品が埋もれてしまうリスクも孕んでいます。
Amazonで多くの人に商品を見て知ってもらいたい、そんな時におすすめなのが、Amazon広告(Amazon Advertising)の運用です。
今回はAmazon広告の概要、種類、そして運用ポイントをご紹介します。

Amazonの広告や運営・サイト構築に関して相談してみる

Amazon広告とは

引用:https://x.gd/BZzXM

Amazon広告とは、基本的にAmazon内に掲載できる広告のことを指し、一部Amazonが外部サイトに配信するものも含まれます。
Amazonで商品を見た際に商品の近くに「スポンサー」と表記のあるものが目につきますが、これがAmazon広告の代表的な一例です。
広告の特徴は、購入までの距離が極めて短いことにあります。
Amazonを見ているユーザーは買おうとしているものを探しにきているため、検索をするのは基本的にすでに何かを買いたいと思っているユーザーによるものになります。
多くのAmazonユーザーは少しでも安く商品を買いたい、できるだけはやく商品が手元に欲しいという明確な購買欲求のもとサイトを訪れているため、超顕在層への商品のアピールが可能になります。
したがって、コンバージョンを多く取ることにつながり、費用対効果が高くなるというメリットがあります。
また、Amazonは世界最大級のECサイトであることから、膨大な量の閲覧履歴から購買までのデータを持ち、それを利用したターゲティング配信を行うことができます。
閲覧や購入履歴をもとに想定されるライフスタイルや、商品に対する直近の購買意向に基づいたターゲティングは非常に強力であるといえます。
さらに、Amazonはよく購入される商品が上位表示される仕組みとなっているため、広告の運用によって商品の売り上げが伸びれば伸びるほど、自然検索でも商品が売れるようになります。
したがって、効果的な広告運用ができれば、大幅な売り上げ増加を期待できます。
ただしAmazon内広告はユーザーが一つの商品を買うことを決定していることが多いため、買う・買わないがはっきり分かれます。
したがって、認知目的や潜在層の購入を促すことには向いてないともいえます。

Amazon広告のはじめ方

引用:https://pixabay.com/images/search/setting%20laptop/

Amazon広告について概要を理解したところで、広告のはじめ方について順序を追って説明します。
今回は、最もはじめやすく、スタンダードであるスポンサー広告のはじめ方を紹介します。

1.アカウント開設


引用:https://sell.amazon.co.jp/?ref_=asjp_soa_rd&

Amazonで広告を始めるにはまず、出品アカウントを解説する必要があります。
https://sell.amazon.co.jp/?ref_=asjp_soa_rd&から出品用のアカウントを作成します。
Amazonで商品を販売する場合、月額4,900円(税抜)+販売手数料がかかります。

2.セラーセントラルへの登録


引用:https://sellercentral.amazon.co.jp/

次に、Amazonへの商品登録を行います。
商品はAmazonセラーセントラルhttps://sellercentral.amazon.co.jp/へ登録し、出品します。

3. Amazon Advertisingへの登録とセラーセントラルとの紐付け


引用:https://advertising.amazon.com/ja-jp/register?ref_=a20m_us_hnav_rgstr

Amazonセラーセントラルへ商品登録が完了したら、Amazon Advertisingの登録を合います。
広告掲載をする国を選択し、[セラーセントラルアカウントを持っています]を選択し、アカウントにログインすることで紐付けが完了します。

4.広告キャンペーンマネージャーを立ち上げ、キャンペーンの種類を選択


紐付けが完了したら、いよいよ広告設定です。
Amazonセラーセントラル内で広告タブを選択し、広告キャンペーンマネージャーを立ち上げましょう。
広告キャンペーンマネージャーを立ち上げると「スポンサープロダクト広告」「スポンサーブランド広告」「スポンサーディスプレイ広告」の3つが出てくるので、自社にあった広告を選びます。
スポンサーディスプレイ広告とスポンサーブランド広告はAmazonブランド登録が別途必要となるため、Amazon広告初心者の場合はスポンサープロダクト広告を選ぶと良いでしょう。

5.キャンペーンの作成


広告を選択したら、下記の3つを記入します。
・キャンペーン名
・広告の掲載期間
・1日の広告予算
ここまでで、キャンペーンの作成は完了です。

6.ターゲティング設定


次にターゲティングの設定ですが、まず「オート」か「マニュアル」のいずれかから選択します。
オートターゲティングはユーザーが閲覧している関連商品とのマッチングを自動で行うターゲット方法です。
管理が簡単でユーザーの検索履歴や閲覧商品など幅広く情報を網羅できる一方で、自分で細かい設定を行うことができないため、コンバージョンの見込みが低いユーザーにまで広告が表示されてしまうリスクがあります。
また、マニュアルターゲティングは検索キーワードを登録するキーワードターゲティングと類似商品を登録する商品ターゲティングの二種類の方法でマッチングを行う方法です。
細かくターゲティングをコントロールでき、コンバージョンの見込みの低いユーザーへの無駄な配信を行うことが少ないというメリットがあります。
しかし、自身でキーワードや競合商品の調査をする必要があるためオートターゲティングよりも手間がかかり、さらにターゲティングの設定漏れがあると、購入の機会を大幅に失う恐れもあります。

Amazon広告出稿上の注意


Amazonでは小口プランと大口プランという2つの出店サービスプランがあります。
小口プランの場合、広告出稿ができないため、広告を掲載したい場合必ず大口プランでの登録が必要です。

また、
・出品商品が新品であること
・日本国内全国に商品を発送可能
・アダルト商品でないこと
・Amazonブランド登録済みである(スポンサーディスプレイ広告・スポンサーブランド広告出稿の場合)
という条件を満たしていなければ出稿できないことにも注意が必要です。

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Amazon広告の種類

引用:https://x.gd/Jx8Ry

次に、日本で利用できるAmazon広告の種類を紹介します。
日本で利用できるAmazon広告はスポンサー広告、Amazon DSP(デマンドサイドプラットフォーム)、Amazon動画広告の3つがあります。
それぞれ細かく見ていきましょう。

スポンサー広告


まず、最も利用しやすいスポンサー広告について説明します。
Amazonの提供する「スポンサープロダクト広告」「スポンサーディスプレイ広告」「スポンサーブランド広告」の三つをまとめてスポンサー広告と呼びます。
これらは全てセルフサービスの広告となり、広告キャンペーンマネージャーから広告主が自分で広告出稿できるという特徴があります。
上記のはじめ方でも説明した通り、アカウント登録をして商品を出品までが終わっていれば、あとはキャンペーンを作成しターゲティングを設定するだけでいいので、簡単に広告出稿することができます。

スポンサープロダクト広告
引用:https://x.gd/oMjPj

スポンサープロダクト広告は設定したキーワードが検索されると表示される広告となっており、検索結果の横や下部、商品詳細ページに表示されます。
広告は商品詳細ページに入力されている情報をもとに作成され、表示された広告をクリックすると商品詳細ページに飛ぶ仕組みとなっています。
自動でターゲティングを行ってくれるオートターゲティングか、キーワードの設定によるキーワードターゲティングによってターゲティングを行います。

スポンサーディスプレイ広告
引用:https://x.gd/01Uxk

スポンサーディスプレイ広告は、設定したターゲティングに基づき、商品詳細ページやその他の商品関連ページに表示される広告です。
基本的には、タブを選択してカテゴリーでのターゲティングか、個々の商品を狙って自社商品と類似した商品に広告を表示する商品ターゲティングによりターゲティングをします。
Amazon内の行動履歴により特定の興味や関心を持っていると推測される人をターゲティングしたり、自社の商品詳細ページや関連する競合の商品詳細ページを見た人にも広告を表示したりすることができます。
ブランド登録をしていないと出稿できないことに注意が必要ですが、見出しとブランドロゴを使用し表示内容をカスタマイズすることが可能なため、商品情報に加えてブランドメッセージを購入者に伝えることができるので、販売促進だけでなくブランド認知の効果を高めることも期待できます。

スポンサーブランド広告
引用:https://x.gd/CZLYY

スポンサーブランド広告はブランドや複数の商品の認知度を上げるための広告で、商品検索結果の上部に掲載されます。
広告をクリックすると登録したストアか商品ページに飛ぶ仕様になっており、広告はAmazonのストア、または複数商品の登録、ブランド名・ロゴ画像・見出しを記入して作成します。
ストアとはAmazon内で作成できるランディングページのようなブランド独自のページのことで、商品や特集ページなどを表示できます。
スポンサーブランド広告もディスプレイ広告と同様にブランド登録が必須となります。
Amazonストアに顧客を誘導することができるため、よりブランドの魅力が伝わるような購買体験を提供することが可能となり、ブランドの認知度を高めながら、商品の販売促進に繋げられるというメリットがあります。

Amazon DSP(デマンドサイドプラットフォーム)


次にAmazon DSPですが、こちらはDSPの広告主側のプラットフォーム(Amazon)とSSP(Supply-Side Platform)という広告枠を持つWebサイト運営者側のプラットフォームの連携によって広告配信が行われる広告です。
Amazon内のショッピングサイトだけでなく、他Webサイトへの広告表示が可能であるという特徴があり、さらにAmazon出店企業のみではなく、Amazonでの商品販売を行なっていない企業でも広告を出すことができます。
Amazonの保持する膨大な顧客リストや購買履歴をもとにターゲティング設定することが可能で、さらに以下のようなターゲティングが可能になります。

・閲覧履歴、購買履歴から推測されるライフスタイル

・直近の興味関心

・閲覧した商品カテゴリー

・都道府県のエリア
・年齢、性別、職業、世帯年収などのユーザー属性

・90日以内に初めてAmazonで購入した新規顧客

・広告主側の情報とAmazon側の顧客リストを照合して作られたユーザー層

ユーザーの属性だけでなく、より踏み込んだ行動履歴による細かいターゲティングにより、効果的な広告配信が可能になります。

Amazon広告の費用

引用:https://pixabay.com/images/search/%E9%9B%BB%E5%8D%93/

Amazon広告の種類について理解したところで、次にそれぞれの費用について説明します。
Amazon広告の基本であるスポンサー広告の課金方式はクリック型課金となっており、広告がユーザーにクリックされると課金されるシステムのため、表示回数によって費用が発生することはありません。
クリック型の広告は基本的に商品に興味を持った見込み客がクリックするため、広告が1,000回表示されるごとに課金されるインプレッション課金型の広告に比べて費用対効果が高い運用が可能です。
DSP広告はインプレッション課金型の広告になります。

スポンサー広告


スポンサー広告で成果を得るためには、最低でも月に20万円~50万円が予算の目安となります。
Amazonの広告はコンバージョン率は高いですが、その代わりにクリック単価も高い傾向にあります。
スポンサープロダクト広告は広告費予算に合わせ、1日あたり数千円程度から始めることが可能ですが、リスティング広告よりもクリック単価が高いため、広告の成果を判断するには、多くの費用を投下することが必要になります。
スポンサーディスプレイ広告は、単純に商品購入を促すことが目的である場合、クリック単価とコンバージョン率を見ながら1日単位で広告費用を調整していくと費用対効果の高い運用が可能になります。
また、他社の類似商品ページに配信を行い、ブランド認知の効果を求める場合には、コンバージョン率が下がる可能性があるため、1日あたりの予算は商品購入を促す場合よりも若干多めに見積もっておく必要があります。
最後にスポンサーブランド広告ですが、1クリック当たるクリック単価は5〜10円と比較的低いため、より詳細なターゲティングを行うことによって、費用対効果の高い運用が可能です。

Amazon DSP


Amazon DSPは上記にも書いた通り、広告が1,000回表示されるごとに課金されるインプレッション課金型の広告です。
この広告にのみ、最低出稿料金が設定されており、掲載期間も1ヶ月〜と決まっています。
最低出稿料金は1,500,000円になっているため、ある程度広告費に費用を避ける企業でないと利用することは難しい広告になっています。
ブランド認知目的であったり、外部サイトからの流入になるため、Amazon内広告よりもコンバージョン率は低くなることが予想されます。
したがってトータル予算は多めに見積もっておく必要があります。

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Amazon広告運用のポイント

引用:https://x.gd/werlW

次にAmazon広告運用のポイントをご紹介します。

自社にあった広告を選ぶ


効果的にAmazon広告を運用するには、自社にあった広告を選ぶことが最重要となります。
下記の3点を意識して選ぶといいでしょう。

1.目的にあった広告を選ぶ
どのような目的で配信するかによって選ぶ広告は変わってきます。
単純に商品購入を促したい場合には、スポンサープロダクト広告やスポンサーディスプレイ広告が有効になり、ブランドの認知が目的であればスポンサーブランド広告やDSP広告が効果的となります。
ターゲティング方法によっても変わってきますが、スポンサープロダクト広告とスポンサーディスプレイ広告では、購買意欲の高いユーザーに、ユーザーが興味を持っている商品を配信できるため、高いコンバージョン率を期待できます。

2.広告予算にあった広告を選ぶ
できるだけ少ない予算で広告を運用したいか、多少費用対効果が下がったとしてもブランド認知をあげたいかといった点においても選ぶ広告は変化します。
できるだけ少ない費用で売り上げを上げたい場合は、ダイレクトに超顕在層へのアプローチができるプロダクト広告やディスプレイ広告が最適です。
また、コンバージョンが上がらなくても商品を知ってもらいたい、ブランドを知ってもらいたい、というように長期的な売り上げの向上を狙う場合であるなら、スポンサーブランド広告かDSP広告が適していると言えるでしょう。

3.Amazon外部へ配信するかどうかを選ぶ
Amazon内部だけでの広告配信でいいのか、外部へもリーチを広げたいのかによっても広告選択は変化します。
Amazonは最大級のECサイトであることから、Amazon内部だけでの配信でも十分な効果を得ることができます。
しかし、一定数配信を行うと売り上げの伸びが頭打ちとなってしまう場合があります。
そこで、さらにリーチを広げたい場合はAmazon外部への広告の配信を検討する必要があります。

費用対効果を最大にする


広告運用では、当たり前ですが費用対効果を最大化することが重要になります。
最大化するポイントは以下の2点になります。

1.購買意欲の高いユーザーをターゲティングする
高い費用対効果を維持するには、コンバージョン率を高く保つ必要がありますが、そのためにはできるだけ購買意欲の高いユーザーへのターゲティングを行う必要があります。
商品購入から遠いユーザーをターゲットとした場合、コンバージョン率は当然低下するため、売り上げにつながらないクリックが増え、無駄な出費となるリスクがあります。
したがって、コンバージョン率の維持のためには細かいキーワード設定や、類似商品の調査をすることが必要になります。

2.競合他社の広告に注意する
Amazon広告ではキーワードだけでなく、商品名やブランド名を指定しての広告配信が可能なため、競合他社が自社商品のページに広告を配信することが可能です。
つまり、自社商品を購入しようと思っていたユーザーが、直前で競合他社の広告を見たことによって、競合他社に流れてしまうというリスクがあります。
このリスクを防ぐためには、自社商品やブランドに対しても広告を配信し、競合他社の広告配信を阻止し、ユーザーの流出を抑える施策が必要なります。

代理店を利用する


Amazon広告を効果的に利用するには代理店を利用するのも一つの手です。
以下では代理店に依頼する3つのメリットをご紹介します。

1.運用にかかる手間がなくなる
Amazon広告の運用では、広告の準備から出稿、そしてデータ分析を行うことが必要となってきます。
これには、キーワード調査や競合他社の調査や、さらに成果が上がったか判断するための広告に関する知識が必要です。
しかし、代理店を利用してAmazon広告を運用することによって、上記全てのステップを代行してもらうことができます。
ほとんどの作業を代理店が実施してくれるため、自社でAmazon広告運用に手間や時間を割く必要がなくなります。

2.費用対効果の最大化を知識なしで実現できる
Amazon広告で費用対効果を最大化するには上記でも述べたようにターゲティングが重要となります。
そのためには広告の運用ノウハウをもとにした分析やキーワード・商品設定が欠かせません。
元々Amazon以外の広告運用を自社で行なっていた場合は別ですが、広告運用初心者である場合、広告運用の経験が豊富で、その経験に基づいたノウハウを保有した代理店を利用する方が、スムーズに費用対効果を最大化でき、コストパフォーマンスは良くなるでしょう。

3.Amazon広告の運用ノウハウを習得できる
代理店にAmazon広告の運用を依頼すると、定期的に運用レポートを受け取ることができます。
さらに、運用状況や改善方法、他社の状況などさまざまな情報を得ることが可能です。
こうした情報をもとにAmazon広告の運用ノウハウを自社に蓄積していくことにより、将来的に代理店を利用せずに自社で運用を行なっていくことを視野に入れやすくすることができます。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、Amazon広告の概要、種類、費用、そして運用のコツについて紹介しました。
Amazon広告は世界最大級のECサイトでの広告のため、運用のコツさえ掴めれば、売り上げ増加に大きく期待ができます。
自社に最適な広告を利用し、効果的な広告運用を行なっていきましょう。

Amazonの広告や運営・サイト構築に関して相談してみる