ふるさと納税でのポイント付与禁止、半数以上が反対 「はじめてのふるさと納税」調査
Groov株式会社は、ふるさと納税の入門者向けサイト「はじめてのふるさと納税」が行った、2025年10月から施行予定の「ふるさと納税サイト経由でのポイント付与の禁止」に関する意識調査の結果を公表した。
調査概要
◆調査エリア:全国
◆調査主体:はじめてのふるさと納税
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査対象:20代~70代以上の男女
◆調査人数:1009名
◆調査期間:2025年7月16日~7月30日
◆出典元:はじめてのふるさと納税
ポイント付与禁止に「反対」が過半数
2025年10月に開始される「ふるさと納税でのポイント付与禁止」について質問したところ、利用者の考えが大きく分かれている様子が明らかとなった。
「反対」が52.8%と過半数を占め、ポイント還元がふるさと納税の魅力のひとつとして定着していることがうかがえる。一方、「賛成」は9.1%と少数派にとどまるものの、制度本来の目的である“自治体の支援”という観点を重視する声も存在している。
この結果についてGroovは「制度の本来の目的である『地域応援』と、利用者が感じる『お得感』のバランスをどう取るかが、今後の制度運営において重要なポイントとなるでしょう」としている。
ポイント制度がふるさと納税成長に寄与
Groovは、ふるさと納税制度がもたらす多岐にわたる経済効果について「特に『日本産』『日本製』の商品を扱う地方の中小企業にとっては、自社製品の販路を全国に拡大し、経営を支える重要な柱となっています」としている。
また、中間事業者への波及効果として、自治体の事務作業を代行する事業者や、関連するECサイト運営会社、デザイン業者など、多くの周辺産業にも収益が分配されているとも。
ふるさと納税が巨大市場へと成長した背景には、ポイント制度を積極的に展開した大手ポータルサイトの存在が寄与している。Groovは「ふるさと納税制度は、単なる寄付制度にとどまらず、多岐にわたる事業者へ経済的な恩恵をもたらしており、今や日本経済の中で欠かすことのできない重要な役割を担っている」と説明した。
納得感を高める取り組みが重要
本調査結果を受け、Groovは制度改正後について、利用者の行動や寄附傾向に変化が生じる可能性が高いと考えられるとまとめた。
◆9月の駆け込み寄付
例年、ふるさと納税の寄付は12月に集中するが、ポイント付与禁止前に「駆け込み寄付」が予想され、9月にも寄付が集中すると思われる。
◆ポータルサイトの差別化
ポイントやお得を切り口とした差別化が難しくなるため、品揃えや納期など差別化が進む。特にふるさと納税返礼品の「納期」については、「いつ届くかわからない」が基本だったものが「すぐに届く」が当たり前になる可能性がある。
◆寄付金額の価格競争
Amazonのふるさと納税参入により、今までにない寄付金額の「価格競争」が起きる可能性。他のポータルサイトより低い寄付額の商品が登場するなど、ふるさと納税の世界にも価格競争の波が押し寄せようとしている。
また、同社は今回の制度改正について、「ポイントがなくても『この地域を応援したい』と思えるような返礼品や寄附金の使い道を打ち出すことが、今後の自治体やポータルサイトに求められるでしょう。制度の意義をわかりやすく伝え、納得感を高める取り組みが重要になりそうです」としている。
ふるさと納税に関連する事業者は、本調査で示された消費者マインドをどう捉えるかが重要となるだろう。今後の動向を注視しつつ、制度改正以降の施策を検討してほしい。