クレジットカード不正利用は約10%減少 かっこ・リンク【キャッシュレスセキュリティレポート 2025年4-6月版】

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ECのミカタ編集部

キャッシュレスセキュリティレポート2025年4-6月版を公開

かっこ株式会社と株式会社リンクは2025年11月12日、クレジットカード情報流出事件に関する統計とECに関する不正利用傾向に関する四半期レポート「キャッシュレスセキュリティレポート」を公開した。本記事では最新版となる「2025年4-6月版」の一部内容を抜粋して紹介する。

カード情報流出事件の概況(2025年4-6月)

◆情報流出事件数:4件(前年同期比:25%)
◆情報流出件数:3万3872件(前年同期比:17.4%)


2025年4月〜6月に公表されたカード情報流出事件は4件。うち1件は流出件数や期間などの詳細が判明する前に一報として事件の発生を公表したものである。

流出したカード情報の件数は3万3872件。前年同期には外食チェーンからの5万件超えの流出を始め、1万件を超えるカード情報が流出する事件が5件発生していた。そのため、前年同期比で約16万件の大幅減少となった。

また、事件数についても、警察捜査により発覚した事件の公表が相次いだ前年同期に比べて大幅に減少した。

画像引用:かっこ株式会社株式会社リンク「キャッシュレスセキュリティレポート2025年4-6月(2025年11月発行)」

ECにおける不正利用の概況(2025年4-6月)

◆クレジットカード不正利用被害額合計:121.4億円(前年同期比:89.3%)
◆クレジットカード偽造被害:1.1億円(前年同期比:122.2%)
◆クレジットカード番号盗用:113.3億円(前年同期比:89.7%)
◆クレジットカード不正注文の発生率:3.2%(前年同期比:188.2%)
◆転売不正注文の発生率:9.5%(前年同期比:120.3%)


2025年4月〜6月期のクレジットカード不正利用被害額は121.4億円となり、前年同期比で約10.7%減少した。

本レポートでは、「2025年3月末を期限とした、すべてのEC加盟店への『EMV 3-Dセキュア』導入の義務付けの効果が表れ始めている」と推測しているが、引き続き7〜9月の状況についても注目する必要があるとした。

なお、被害額の9割以上を「番号盗用」が占める傾向は継続している。

画像引用:かっこ株式会社<・株式会社リンク「キャッシュレスセキュリティレポート2025年4-6月(2025年11月発行)」

不正注文検知数ランキング1位に「ふるさと納税」

2025年4-6月期の不正注文検知数ランキングでは、「ふるさと納税」が初めて1位となった。

これまでチケットやアパレル、家電など換金性の高い商材が上位を占めていたが、昨年からランクインするようになった「ふるさと納税」が今回は最も検知件数が多くなった。

この結果について本レポートでは、「不正は特定の商材に限らず、突発的に特定の分野へ集中する傾向がありますが、今回はその対象が『ふるさと納税』であったと考えられます」と分析している。

画像引用:かっこ株式会社<・株式会社リンク「キャッシュレスセキュリティレポート2025年4-6月(2025年11月発行)」

「EMV 3-Dセキュア」の普及に伴い、本調査期間ではクレジットカード不正利用被害額の減少が確認された。本レポートも指摘している通り、今後の動向は注視すべきだろう。

EC事業者としては、顧客に安心・安全な購買環境を提示できるよう、常に最新の情報を集めながら、一貫した不正対策に継続的に取り組む姿勢が求められる。