物販・サービスEC等共に30%超が本人認証で失敗を経験 GMO-PG調査
GMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)は2025年11月25日、事業者の売上機会を最大化する支援の一環として、ECにおける「決済手段 利用意向調査 2025年度版」の結果を公表した。
調査概要
◆方式:インターネットリサーチ(GMOリサーチ&AI株式会社)
◆期間:2025年9月19日~9月30日
◆対象
▷物販編:直近1年間でECサイトで物品を購入した15~88歳の男女(n=3279)
▷サービスEC等編:直近1年間でサービス・デジタルコンテンツ・公共料金をオンライン上で決済した15〜99歳の男女(n=3277)
◆合計6556サンプル
◆出典:決済手段 利用意向調査 2025年度版(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)
決済手段トップは「クレジットカード」
ECにおける決済手段の利用率について、それぞれの上位は以下の図表の通り。

GMO-PGはこの結果から、「クレジットカードを中心に据えつつ、利用者層に応じて複数のPay決済などを併用する構成が有効と考えられます」とコメントした。
利便性と安全性の両立を重視
決済手段の選択基準については、「ポイントを貯めたいから」が47.3%と最も多く、「使い方がわかりやすいから(29.7%)」「使い方がわかりやすいから(27.2%)」が続いた。そのほか「支払いを特定の決済手段にまとめたいから」(18.9%)、「セキュリティ面で安心だから(15.1%)」が上位に並んでいる。
消費者は利便性と安全性の両立を重視しており、ポイント経済圏との親和性や操作のわかりやすさ、安心して利用できる体験が利用する決済手段の選択に大きく影響していることがうかがえる。

EMV 3-Dセキュアにて30%超が本人認証で失敗を経験
クレジットカード本人認証(EMV 3-Dセキュア[3DS])失敗の影響については、主に次のような内容が挙げられた。
◆失敗経験:全体の中で3DSを認識している利用者のうち、物販32.2%/サービスEC等38.7%が失敗の経験あり。
◆行動影響:認証に失敗した利用者のうち、物販16.6%/サービスEC等14.3%が購入を断念。
◆印象評価:認証に失敗した利用者のうち、いずれも半数近くの物販48.2%/サービスEC等48.8%が、そのサイトを「不便・使いにくいと感じた」と回答。

GMO-PGはこの結果について、「本人認証の利便性を高める仕組みや、再試行しやすい画面設計、代替決済手段への自然な誘導を組み合わせることで、離脱や体験損失を防げる可能性が示されました」とコメントしている。
本調査によって、各決済手段の利用率という一面的な指標だけでなく、利便性・安心感などの心理的要因を踏まえた決済の運用設計が、売上機会の拡大と顧客体験の向上に有効であることが明らかとなった。
EC事業者にとって、顧客層に応じた決済の運用設計を検討する際に、本調査結果をぜひ参考にしたい。


