繋がりを重視したレコメンド機能 まだ見ぬ商品にデクワス?

ECのミカタ編集部 [PR]

吉井伸一郎氏 サイジニア株式会社 代表取締役社長 吉井 伸一郎氏
日本芸術振興会特別研究員、ソフトバンク・コマース(現ソフトバンクBB)情報システム本部研究開発センター長等を歴任、04年北海道大学大学院情報科学科複雑系工学講座助教授。07年サイジニア社長就任。

 お客様の過去の購入データを分析し、個人個人に合わせた商品をオススメするのがパーソナライズ・レコメンデーションサービス。未知の商品を提案することで、購入意欲を刺激し、ウィンドウショッピングで商品に一目惚れするかのようなネットショッピングの実現を目指す(株)サイジニア 代表取締役 吉井 伸一郎氏に伺った。

未知の商品をオススメ 商品に一目惚れが導くECサイトの購買率アップ

 ECサイトで商品を購入するには、キーワードを入力し、商品を検索しなければなりません。つまり、この方法では自分の頭に浮かんでいる商品以外は見つけられないのです。私たちが目指すのは、ECサイトで一目惚れするように買い物を楽しんでもらうこと。インターネット上で商品を「探す」のではなく、商品に「デクワス」ようにしたいのです。

 商品の提案というと、レコメンドサービスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。多くのレコメンドサービスでは、「協調フィルタリング」という仕組みを用いており、その提案商品の幅は、人気ランキングの上位50位ほどにとどまります。すると、このようなことが起こるのです。

 あるシリーズ物の映画の第3作を購入したとします。その購入履歴を基に、レコメンドサービスが同じ映画の第1作、第2作を勧めてくるのです。これは少し的外れな提案と言わざるを得ません。映画の第3作を買うくらいですから、その前の作品をこれから新たに購入したいと思う人はわずかでしょう。同様に、雑貨やアパレル品においても、購入したばかりの商品の色違いやサイズ違いを、的外れに提案するレコメンドサービスが少なくありません。

 私たちが提案したいのは、お客様自身が思い浮かばなかったにも関わらず、心を惹き付ける商品。「こんなものが欲しかった!」という未知の商品との新たな出会いです。これを実現するために、「デクワス.RECO」では、「複雑ネットワーク理論」を使って提案する商品を決定しています。これにより、提案商品は人気ランキングの上位1000位ほどまで拡大。過去に購入した商品と関連がありながらも未知。という欲しい商品との新たな出会いを提供します。

複雑な繋がりが結ぶ関係 オススメ商品の対象が約20倍に拡大

複雑な繋がりが結ぶ関係 オススメ商品の対象が約20倍に拡大

 「複雑ネットワーク理論」とは、一見関係があるようには見えないものの間にも、複雑な繋がりの上で関係性が見出せる、そんな理論のことです。例えばこんな話を聞いたことがありませんか?世界中の全ての人は、あなたの知人、そのまた知人と繋げていくと平均して6人で目的の人物に到達します。

 これは1960年代に、手紙を用いて行われた実験で、後に「スモールワールド現象」とも呼ばれます。このようなネットワークの研究は21世紀に入って盛んに進められ、例えば、ウェブ上の任意のページは17クリックで繋がっていると考えられています。つまり、「複雑ネットワーク理論」とは、それぞれのネットワークには特徴的な繋がり方が内在しており、この繋がりを見出すものということができます。私たちはこの「複雑ネットワーク理論」を商品の提案というシーンで用いて、お客様と商品の間の関係を解析し、商品をオススメするサービスを提供しています。こうした仕組みを活用した「デクワス.RECO」では、直接の繋がりはないものの、関連のある商品を提供できるので、お客様が商品に「デクワス」体験をお届けできます。

 実際に「デクワス.RECO」がオススメする商品の幅は非常に広く、従来のレコメンドサービスであれば人気ランキングの上位50位に集中するところが、「デクワス.RECO 」では、約20倍の1000位までと幅広く表示されています。その結果、あるアパレルECサイトではデクワス導入前、レコメンドサービスを活用して、初回購入に至るお客様が約4割だったところが、「デクワス.RECO」の導入後、1年で約7割に増加しました。

 提案する商品の幅が広がると、その広がりの中にお客様の一目惚れのきっかけが含まれている。これが購買率アップに繋がっているのだと感じていただける実績ではないでしょうか。特に「デクワス.RECO」では単価が高く、趣味嗜好が効いている商品は効果が出やすい傾向にあります。

販促チラシにデクワス.POD レコメンドを紙に印刷

 「デクワス.POD(読み:ピー・オー・ディー、Print-on-Demandの略)」は先ほどの複雑ネットワーク理論で導き出したオススメ商品を紙に印刷して提供するものです。この仕組みは特許を取得しているため、弊社独自のサービスになります。

 「レコメンドを紙で行う」という仕組みが購買率を高める秘密は、提案の「タイミング」にあります。最近はオススメ商品がメルマガで届くサービスも充実していますが、メールが届くタイミングは仕事中やデート中など、買い物をする気分ではない可能性が高いのです。一方で、同梱物として届けられる「デクワス.POD」は、ECサイトで注文をした商品と同じタイミングで届き、まさに買い物気分を狙うことができるのです。楽しみにしていた商品の開封時に目に触れるため、こっちも欲しいという心理が働き、購入に繋がる。これが「デクワス.POD」の強みです。

 これまでのECサイトは、お客様に探してもらって、はじめて購入に至るというどこか受け身な姿勢がありました。「デクワス.RECO」は、お客様に未知の商品を提案し、ECサイト上で、ウィンドウショッピングの楽しみを提供する。そして、購入に至るという新感覚のパーソナライズ・レコメンデーションサービスなのです。

 今後は「デクワス.POD」を実店舗での会計のタイミングで提供することや、人型ロボットPepperを使った実店舗でのレコメンドサービスの試験運用を進めています。これらは、実店舗の買い物からECサイトでの購入に繋げることを想定しています。在庫管理や店舗の維持費を考えるとECサイトのほうが利益率は高くなります。将来的に店舗はショールーム的な役割を担い、実際の購入はECサイトでといったことが当たり前になる時代がくるかもしれません。

「デクワス.RECO」3つのポイント

1.複雑ネットワーク理論による未知の商品との出会い

2.レコメンド対象商品数は、他社の20倍

3.レコメンドの印刷で、開封を買い物の楽しみに


<ECのミカタ通信 2016 AUTUMN vol.12より抜粋>


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