アマゾンが語る「Amazonログイン&ペイメント」導入方法から効果が出るまで
Amazon以外のECサイトでもAmazonアカウントでログイン・決済ができるという「Amazonログイン&ペイメント」。サービス開始以降、導入事業者数を順調に伸ばし、その効果も証明されている。ECサイトを運営する販売事業者が実際にこのサービスを導入するためにはどのようにすれば良いのだろうか。その鍵を握るのが、ソリューションプロバイダーとAmazonログイン&ペイメントの公式認定制度である「グローバルパートナープログラム」だ。Amazonログイン&ペイメントの具体的な導入から活用に至るまでの方法を、アマゾンジャパン合同会社 アマゾンペイメント事業本部 シニアプロダクトマネージャー 豊留 隆央氏にお話を伺った。
公式認定制度「グローバルパートナープログラム」とは?
Amazonログイン&ペイメントは、日本では2015年5月に開始され、2016年10月には導入事業者が1000社を超えた。この成長を支えているのが、販売事業者にASPカートやパッケージなどのECプラットフォームを提供するソリューションプロバイダーの存在だ。Amazonでは2016年4月にソリューションプロバイダー向けに公式認定制度「グローバルパートナープログラム」を開始した。この認定制度について、豊留氏は次のように語る。
「『グローバルパートナープログラム』は、Amazonログイン&ペイメントの導入実績などを元に、ソリューションプロバイダーやデベロッパーを公式パートナーとしてAmazonが認定するものです。Amazonとして大事にしているのは、お客様に便利にご利用いただける環境が提供できているかということ、そして販売事業者様に効果を実感いただけているかということです。具体的には、お買い物にかかる時間や情報入力の手間、遷移ページ数など、購入に至るまでの動線が最短で分かりやすくなっているか、新規のお客様を効率的に獲得するための施策が行えているかといった点です。こういった点の技術力やサポート力を重視して認定を行っています」。
認定パートナーはAmazonが公式に推薦するソリューションプロバイダーであり、Amazonと共同で販売事業者向けのセミナーを開催できるほか、Amazonからマーケティング支援を受けることができたり、新機能の実装に関する案内が優先的に行われるなどのメリットがある。つまり販売事業者にとっては、Amazonログイン&ペイメントを導入したいと考えた時、まずは認定パートナーのサービスの利用を検討するのが一番と言えるのではないか。
Amazonログイン&ペイメントの導入と活用方法
では、認定パートナーのプラットフォームを利用してAmazonログイン&ペイメントを導入する場合、どのような手順になるのだろうか。
「認定パートナー様には、販売事業者様向けの申込ページをご用意いただいています。例えば、いわゆるASPカートサービスでは、1つの機能として提供されているため、審査が完了次第、必要な情報を設定することで利用可能になることが多く、1〜2週間でご利用いただけるようになります。パッケージや自社で開発されている事業者様の場合、開発やテストの時間が必要となりますが、Amazonが公式に認定したパートナー様を経由いただくことで、導入までの充実したサポートにより、いち早く導入いただくことができます。」
Amazonログイン&ペイメントの開始から1年以上が経ち、主要なEコマースプラットフォームはおおよそ対応できるようになっている。未対応のプラットフォームや自社開発の場合であっても、Amazonに問い合わせれば、具体的な導入方法や利用可能な認定パートナーの紹介など、導入に関するサポートをAmazonの技術担当者から直接受けることができる。
「Amazonログイン&ペイメントの効果を最大限に発揮するためには、実装の仕方が非常に重要です。Amazonではこれまでの経験から一番効果の高い方法を提案させていただきます。」
従来の決済サービスに多かった課題として、決済ボタンの配置や画面上の操作レイアウトといったユーザーエクスペリエンスに加え、決済の際に外部サイトに遷移することによる離脱率の高さなどが挙げられていた。こうした理由から、世界観・ブランドの統一感を大事にするアパレル特にハイブランドのECサイトには、決済サービスが馴染まないと言われていた。しかし、Amazonログイン&ペイメントは、そのECサイトの世界観・ブランドイメージを壊さないように、また他のページに遷移することなく、そのサイト内で便利にお買い物を完結することができ、従来の課題を解決している点でも評価されている。
「専門店のECサイトでお買い物をする際には、その世界観を楽しみたいというニーズもあると思います。Amazonログイン&ペイメントはそのニーズにお応えしつつ、便利にお買い物もできる。これがまさに、Amazonログイン&ペイメントが目指す『Amazonのお客様をあなたのお客様に』ということだと思っています。」
情報は誰のもの?費用はどれくらい?
Amazonログイン&ペイメントについて、販売事業者からよく聞かれるのが「Amazonログイン&ペイメントで決済された商品情報を自分たちのビジネスに活用しようとしているのではないか」という心配の声だ。だが、その心配は全くない。
「Amazonログイン&ペイメントでお買い物いただいた際に、Amazonが販売事業者様から受け取る情報というのは、最終的な決済金額とその取引日時の情報だけです。つまり、何が売れたかという情報をAmazonは取得していません。逆に、クレジットカード情報に関してはAmazonが管理して、販売事業者様にはお渡しいたしません。これにより事業者様側での情報漏洩のリスク・情報セキュリティに関するコストも減らすこともできます。」
また、販売事業者が気になるのがAmazonログイン&ペイメントを導入し利用する費用についてだろう。
「Amazonログイン&ペイメントの導入にあたって、Amazonから販売事業者様に費用を請求することはありません。利用料に関しては、決済代金の4%(デジタルコンテンツの場合は4.5%)を手数料としていただいています。この4%にはもちろんクレジットカードの決済手数料も含まれています。さらに、この中には、Amazonログイン&ペイメントを導入することで期待できる、新規顧客獲得やコンバージョン率向上のためのコストも含まれているとご案内をしています。」
また、導入の費用に関してはAmazonからの請求はないが、ソリューションプロバイダーによって違いがある。なぜなら、販売事業者に代わって各ソリューションプロバイダーが、Amazonログイン&ペイメントの導入効果を最大化できるよう、、それぞれサービスの開発やサポート・改善を行っているからだ。それに見合った費用をソリューションプロバイダーが提示し、販売事業者はその費用に見合った効果を得ることが期待できる。
販売事業者もソリューションプロバイダーも、そしてAmazonも一緒に成長していくことができ、同時に、購入者はより便利な買い物環境を得ることができる。それがAmazonログイン&ペイメントというサービスなのだ。