10億円突破の鍵は「ミドルステージ物流」にあり。5億円企業が目指すべき「最適な物流の在り方」とは? TBS丸地氏に訊く
売上1億円を超えるミドルステージに進むと、出荷作業が手に余り、発送にかかる固定費もかさんでくる。さらに収益を伸ばすためには、物流のシステム化や、顧客満足度を上げるCRMが必要となるが、多くのミドルステージ企業をレイターステージに送りだしてきた物流企業が埼玉にある。「ミドルステージ物流」を打ち出している株式会社ティービーエス(以下、「ティービーエス」)だ。サービスの生みの親である常務取締役、丸地 智氏に話を伺った。
顧客との信頼関係を左右する「物流」が、売り上げの鍵を握る
ここ数年のEC業界の拡大とともに、事業として成長し、次なるレイターステージ(10億円~50億円)を見据えた、ミドルステージ(1億円~10億円)企業の増加が目立ってきている。ミドルステージは、さらに収益を上げる戦略を練る段階であり、そのためには業務の効率化やCRMのノウハウが必要となってくる。そこで物流をルール化し、資材や発送方法、システムなども含めて最適なオリジナルオペレーションを組むことで、作業をスムーズに行えるようにしてくれるのが「ミドルステージ物流」だ。
同サービスを創り上げた丸地氏は、アパレル企業のバイヤーを経て、同社で16年間、物流の現場に携わってきた経験を持つ。日本通販CRM協会の役員でもあり、EC業界を俯瞰する立場にいるといっても過言ではない。そんな丸地氏が力説するのはミドルステージに「物流に力を入れた企業が伸びていく」ということだ。
「物流というと、ただ物を運ぶだけというイメージの方も多いかもしれません。そのため物流部門を他社に丸投げしたり、安さのみを追求して業者を選んだりしがちです。このミドルステージの段階で物流ノウハウを構築できない企業はECで伸びていかないでしょう。自社商品にあったシステム効率化をし、ロケーション管理、在庫管理連動、最終的には段ボールや資材まで、自社にあったノウハウを構築していかなければならない。いくら商品がよくても、様々な段階でなお客様との信頼関係が崩れては元も子もありません。一方、お客様に安全かつ正確に商品を届ける物流を心がけている企業は、顧客満足度が高く、EC業界の中でもどんどん伸びていけるのです」。
ミドルステージ物流は倉庫業ではない。
物流=倉庫業ととらえられるケースも多いが、ティービーエスの業務は倉庫業とは一線を画している。「たとえば商品陳列の仕方一つとっても、倉庫業と当社では大きく違います。倉庫業の場合、坪を大きく用意して商品をきれいに陳列する、店でいえば百貨店のようなイメージですよね。
一方、当社の場合は最小限の坪で圧縮陳列をしており、店でいえばドンキホーテの雰囲気です。商品をジャンル別に配置するのではなく、1商品ごとに番号をつけ、小さなスペースで管理するフリーロケーション方式を採用することで、無駄なコストを削り、作業効率を格段に上げるこ