【大手ECの約60%がCDN導入】知らないでは済まされないCDNとは?
CDNという言葉をご存じだろうか。EC企業の集客販促にはさまざまサービスがあるが、その一番土台となる部分、ユーザーのアクセス環境を担保するのがCDNだ。そのメリットとEC企業への普及について、国内初の純国産CDN事業者であるアクセリア株式会社(以下、アクセリア) 代表取締役社長 牧野 顕道氏に伺った。
CDNとは?国内初の純国産CDN事業者のポリシー
アクセリアのCDNは、日本国内に設置されたサーバのプラットフォームを基に、エンドユーザーに合わせて最適なサーバからコンテンツを配信するという仕組み。この仕組みにより、自身でサーバを用意したり拡張したりする必要なく、現状のネットワーク環境も変えることなく、安定したコンテンツ配信が可能になる。牧野氏は次のように語る。
「アクセリアは、日本国内では初めての純国産CDN業者です。その特徴は、フルマネージドのサービス。どのコンテンツをキャッシュする(*1)か、最適な時間はいつかといった、コンサルティングの部分まで提供しています。お客様の手を煩わせない、フルマネージドは、弊社の長年変わらないポリシーです」と牧野氏は言う。
*1 キャッシュ キャッシュとは、WEBサイトのコンテンツをキャッシュサーバーにコピーして蓄えておくこと。それにより、クライアントからオリジンサーバーへのデータ処理が省けるため、配信が高速化する。
売上拡大も!EC企業にとってのCDNのメリット
EC企業にとっては、CDNを利用することで、イベントなどでトラフィックが急増した際にユーザーの取りこぼしを防げるという点が、大きなメリットだ。その効果は売上にも表れる。「それまで見えていなかったユーザーを取り込める、競合に流れていたユーザーを取り戻すことで、売上にも直結し、2倍3倍と成長されている企業様もいます」とのこと。
さらに大きなメリットが、リッチなコンテンツを配信できることだ。直接商品を見ることができないEC通販では、いかに詳細なデータを掲載するかが、購入の後押しとなり、競合との差別化になる。CDNを利用することで、写真や動画など、データが大きいものでも大量に掲載し、かつ素早く表示できるのだ。EC企業にとって重要な、SEO対策への悪影響もない。
「ユーザーの環境も変化しており、1秒でも2秒でも速いスピードが求められています。一方で、コンテンツの充実も必要です。この両方を、EC企業様が自身で担保する必要なく、実現できるというのが、EC企業様にとってのCDNの魅力だと思います」。
インターネット上では、さまざまなキャリア、ASPからの流入がある。こういった他の経路から流入するユーザーに対して、一つのキャリアを利用するサーバや回線の増強では対応できない。一方アクセリアでは、さまざまなキャリアに分散してサーバを置いているため、取りこぼしなくユーザーを集められるのだ。
「導入してからアクセスやPVが増えたというお声を頂きます。一度弊社のサービスを利用されたお客様の、キャンセルやリプレイスが少ないのも、ここが大きなポイントになっていると思います」。
多様なメリットをもつCDN。実は、大手のEC事業者ほど、CDNの導入割合は高い。逆の見方をすれば、ECビジネスの拡大を目指すなら、早いうちからCDNの導入を検討すべきだということにもなろう。
セキュリティ対策も充実、料金など気になる点は?
実際にアクセリアのCDNサービスを導入するとなった場合、通常は1週間ほど打ち合わせをして、利用企業ごとに細かい設定内容を確認する。そして一度仮想環境でのキャッシュを確認し、問題がなければ配信開始となる。
「ここで心掛けているのは、細やかな対応ももちろん、スピードと簡単さというところです」と牧野氏。そのためのツールも用意されている。また、企業ごとに営業と技術の担当者が固定でつく。アクセリアのホームページでは、URLを入力するだけでCDNサービスを利用した際の回線スピードと現状のスピードを比較できるというサービスもある。
また、新しいサービスを利用する際に気になることの一つが料金。CDNには従量課金制が多い。アクセリアでも従量課金制は選択できるが、EC企業に好評な料金体系として、2ヶ月平均課金ルールというものがある。これは2ヶ月連続のデータ量の平均値を基準として、10メガ単位でその平均値が変わらなければ、料金も上がらないというもの。イベントなどで一時的にデータ量が多くなっても、それで課金されることがないので安心だ。
「お客様の細かなニーズ、コンテンツに対応できるという点も含め、トータルで見ると、競合他社と比較しても、弊社のサービスを利用することでコストの削減にもなると思います」と牧野氏の言う通り、料金面でも安心なサービスと言えるだろう。
また、最近ではセキュリティ関連サービスの注目度も高く、アクセリアではDDoS対策サービスを開始した。このサービスは、大量のDDoS攻撃にも、通常のサービスを止めることなく対応できるという点が特徴だ。
技術力を背景に、トータルでソリューションを提供
アクセリアの今後の展開として、VRストリーミングや、技術者の育成などもあがった。技術者の育成では、自社での研究開発部をはじめ、技術者向けの教育と人材のマッチングサービスや、講座の配信なども行っている。
今後の展開について、アクセリアのサービス構造を踏まえ、牧野氏は次のようにまとめた。
「弊社が提供するサービスは4つのレイヤーに分けることができます。まず、技術的なバックボーンがあります。これにより、IT業界の土台を支えていきたいと考えています。そしてインフラサービスとしてCDNサービスがあり、その上にセキュリティサービスがあります。上位のレイヤーとしては、分析や解析などのツールサービス、現在研究を進めているVRなどです。CDNだけでなく、こういったトータルなソリューションを、今後提供していきます」。
CDNの導入を検討するなら、ぜひ、アクセリアに相談してみることをお勧めしたい。