メルカリ?ヤフオク?/データから考える急成長CtoC市場への出店戦略

福島 れい

 急速な成長を見せている「メルカリ」。メルカリはCtoCアプリではあるものの、その人気に注目しているEC事業者も多いことだろう。また、同じくCtoCのプラットフォームとして「ヤフオク!」も根強い人気を誇っている。では今、出品すべきはどちらだろうか?

そこで、オークション・ショッピングの比較・検討サイトを運営している株式会社オークファンのデータサイエンティスト 中村さんを取材。同社のデータを用いて「メルカリ」と「ヤフオク!」を比較し、そこからわかる出品戦略について伺った。

メルカリが急成長、ヤフオク!は横ばいに

 「メルカリ」と「ヤフオク!」の出店戦略を考えるにあたり、中村さんは次のようなグラフを見せてくれた。これはオークファンが持つデータから、2013年〜2017年のヤフオク!の流通額の推移を示したもの。中村さんは「CtoC市場そのものが成長しているため、流通額は増加しているものの、伸び率は横ばいとなっていることがわかります。メルカリが登場していなければ、ヤフオク!の流通額はさらに伸びていたことでしょう。」と説明する。

グラフの詳細はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
→  https://www.ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=15657

 ここで一度、EC市場の状況を振り返っておきたい。平成29年4月に経済産業省が発表した「平成28年度 電子商取引に関する市場調査」によれば、BtoC-EC市場規模は前年比9.9%増の15兆1,358億円。BtoB-EC 市場規模は前年比 1.2%増の204 兆 780 億円となっており、市場全体が成長していることがわかる。

 その上で、CtoC-EC市場に目を向けると、同じく「平成28年度 電子商取引に関する市場調査」によれば、BtoB、BtoCを含めた2016年のネットオークションの推定市場規模は、10,849億円、そのうちCtoC市場規模は3,458億円との発表がある。CtoC市場が誕生したのは2012年ということを考えると、CtoC市場の裾野が急速に拡がっていることが感じられる結果となっている。

 両者の特徴についてもまとめておこう。「メルカリ」は株式会社メルカリが提供するフリマアプリだ。スマホで写真を撮り、簡単に出品ができるとして幅広いユーザーに利用されている。ヤマト運輸とシステム連携した「らくらくメルカリ便」では、配送の手間を削減できることに加え、匿名配送ができるのも特長のひとつとなっている。また、「ヤフオク!」は、ヤフー株式会社が運営する日本最大級のインターネットオークション・フリマサービスで、1999年のスタート以降ユーザー数を伸ばしてきた。オークション取引をしやすい環境が整っているのはもちろんのこと、偽ブランド追放をはじめとする安心安全への取り組みが進められている。

流通額はヤフオク!、ユーザー数はメルカリに軍配

グラフの詳細はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
→  https://www.ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=15657


 ここで、両者のデータをみてみよう。まず上の図は、流通商品数とそのジャンルを可視化したものだ。メルカリでは月間約400万商品が流通しているのに対し、ヤフオク!では月間約940万商品。月間の流通額を見ても、メルカリが約120億円に対しヤフオク!が約620億円とヤフオク!が圧倒しているのが現状だ。しかし、利用者についてみると、メルカリは約74万人、ヤフオク!は約66万人で、メルカリのほうが出品者数は多い。

 中村さんは「メルカリでは出品数に制限が設けられることがあります。弊社の分析でも、出品者あたりの平均取引数(販売数)は、ヤフオク!が14.8点であるのに対し、メルカリでは3.0点です。1人あたりの月間取引数の分布をまとめた次のグラフからわかるように、取引数がわずかな層ではほとんど違いがありません。しかしそこから差は開き、月間取引数の多い出品者はメルカリにはほとんどいないということがわかります。ヤフオク!のユーザーには、月間取引数が1,000回以上というコアなユーザー(半ば事業者)も一定数おり、ロングテールとなっていることから、高頻度な出品が前提となるEC事業者であれば、メルカリではテスト販売や認知拡大を目的にした少量出品に留め、高頻度の販売はヤフオク!を中心に行うのが適当だとみています。」と説明する。

グラフの詳細はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
→  https://www.ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=15657

 取引回数に加え、もう一点注目すべき点があるという。それは「商品ジャンル」による違いだ。中村さんは「次のグラフは、「流通額」と「流通量」のメルカリ/ヤフオク!比率を示しています。右上の象限に位置する「ベビー」はヤフオク!に比べ、メルカリのほうが流通額が大きく、流通量も多いジャンルです。また、「ビューティー・ヘルスケア」は、メルカリのほうが流通額、流通量ともに少し大きいジャンルと言えます。これらの商品を販売するEC事業者にとっては、メルカリにも商機を見出せるのではないでしょうか。」と解説する。

グラフの詳細はこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。
→  https://www.ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=15657

 オークファンが持つデータを用い、メルカリとヤフオク!を比較してきた。CtoCアプリでありながら、ヤフオク!、メルカリともEC事業者にとっても活用すべき市場であることが分かったのではないだろうか。オークファンでは、ヤフオク!、メルカリのデータにとどまらず、国内外のショピングサイト・オークションサイトのデータから検索可能だ。うまく活用し、商品の相場観や最適な市場を見極め、出店戦略に役立てて欲しい。

《オークファンが提供する市場検索ツール》
◆国内外のショッピング・オークションサイトの検索に「オークファン」
◆相場データの詳細な分析「プロPlus」
◆Yahoo!ショッピングのデータ分析に「ストロイド」

記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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