4モール14店舗を一元管理!「楽楽バックオフィス」で受発注の効率化に成功したパレンテの取り組み
ネットショップの多店舗展開に取り組みながら、バックオフィス業務の効率化と売上拡大の両立に成功している企業がある。コンタクトレンズ専門のネットショップを30店舗運営し、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーなど数々の受賞歴を持つパレンテだ。テクマトリックスが提供する受注管理システム「楽楽バックオフィス」を導入し、受発注業務の効率化と売上拡大に成功したパレンテの取り組みを取材した。
売上拡大に伴い増大するバックヤード業務が成長の阻害要因に
パレンテがコンタクトレンズのECを開始したのは2008年のこと。それまでリアル店舗でコンタクトレンズを販売してきたが、EC市場の成長をにらみ、ECへの参入を決めた。
メインのショップブランド「レンズアップル」を筆頭に、自社サイトや楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、ポンパレモール、Wowma!などで合計30店舗を運営している。現在、ECのアクティブ会員数は400万人を超えており、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」や「Yahoo!ショッピングArea Awards」など大手ECモールにおいて数々の受賞歴を持つ。
ネットショップを30店舗も運営している理由は、ECに対する顧客ニーズの多様化・細分化が進む中、それぞれのニーズや客層にあわせた店舗作りを進めた結果だという。
「ショップブランドごとに品揃えや配送リードタイムなどのサービスを変えています。値段を重視するお客さまもいれば、送料が少し高くてもいいからすぐに届けて欲しいというお客さまもいます。それぞれのニーズにあわせてネットショップを開設してきました」(システム開発2部 マネージャー・古川悠太氏)
2008年のEC参入以来、着実に顧客数と売り上げを伸ばしてきたパレンテだが、じつは数年前には「成長痛」で苦しんだ。ECサイトが増えるにつれ、受発注業務や商品登録、カスタマーサポートなどの業務負担が激増し、担当者が忙殺されていたという。
常時3~4人の担当者が受発注処理にあたっていたが、セール期間中や新商品の発売時期などにはオーバーフローぎみになるケースが頻発。また、担当者はルーティンワークに追われ、マーケティングや企画などに十分に手が回らないことも課題だった。
「自社開発の受注管理システムをマイナーチェンジしながら使い続けていましたが、マンパワーに頼った運用を続けていては、いずれ成長の限界が訪れるのではないかと懸念していました」(古川氏)
自社開発の受注管理システムを使い続けるリスクは他にもあった。大手ECモールが仕様を変更するたびに、自社の受注管理システムの改修が発生し、モール提供のサービスに対して、タイムリーに対応することが難しくなっていた。
「ECモールの仕様変更は、管理画面の細かいリニューアルから、大掛かりな決済システムの入れ替えまで多岐に渡ります。仕様変更への対応がスムーズに進まないと受注エラーで莫大な機会損失が発生することもある。近年は決済に関する大掛かりな仕様変更もあり、システムの改善にまで手が回らない状態になっていました。」(古川氏)
課題解決のため「楽楽バックオフィス」を導入。得られた効果とは?
こうした課題を解決するため、パレンテは2016年10月から2017年5月にかけて、運営しているネットショップにテクマトリックスが提供する受注管理システム「楽楽バックオフィス 」を導入した。
「楽楽バックオフィス」は複数のネットショップを一元管理し、業務を効率化するSaaS/ASP型の業務支援システムだ。パレンテは、それまでECサイトごとに個別に運用していた受発注処理や在庫管理などを「楽楽バックオフィス」で一元化。ECモールとAPI連携することで注文処理を自動化したほか、自社の管理画面とモール側の管理画面で行っていた二重作業もなくした。
カードオーソリの自動化やサンクスメールの自動一斉配信など、「楽楽バックオフィス」の標準機能を活用して担当者の作業負担を軽減。注文内容に不備があった場合には、即座に自動メールで通知するなど、顧客対応の質も改善した。
こうした取り組みの結果、受発注担当者の平均稼働人数は従来の半分となる1~2人に減った。また、大型セール中に大量の注文が集中しても、注文対応はスムーズに進むようになったという。
「作業をできるだけ自動化し、受発注担当者の稼働人数を減らすとともに、ヒューマンエラーも防いでいます。システム担当者を増員することもなく、大幅な業務改善に成功しました」(古川氏)
「楽楽バックオフィス」はECの売上拡大にも貢献している。例えば、「楽楽バックオフィス」は各モールの決済手段と連携しているため、管理画面の設定を変えるだけですぐに決済手段を追加できる。パレンテはECモールごとに新しい決済手段を簡単に追加できるようになったことで、新規顧客を獲得しやすくなった。最近ではAmazonの前払い決済を導入し、利用者も増えているという。
「以前は内製システムを使っていたため、決済手段を一つ追加するためにシステム開発だけでなく仕様調査、モールへの問い合わせが必要で、迅速に導入できませんでした。その課題を解消できたことも『楽楽バックオフィス』の大きなメリットです」(古川氏)
さらに、バックオフィス業務の稼働人数が減ったことで、それまで受発注業務に携わっていたスタッフが返品対応を行うことができ、返品サービスを強化することができた。コンタクトレンズの通販は、購入前に製品を試せないことが新規購入のハードルになる。そのため、パレンテは箱を開けて使用しても、製品が半分以上残っていれば返品できるサービスなどを提供している。
返品対応は箱を開けて中身を調べ、顧客と返品処理のやりとりを行うなど工数がかかる。そのため、人手不足になりがちなことが課題だったが、「『楽楽バックオフィス』を導入したことで人員に余裕ができ、顧客満足に直結する返品サービスのスタッフを増員できました」(カスタマーサポート部リーダー・栗原 彩氏)。
「楽楽バックオフィス」を選んだ決め手はカスタマイズの自由度が高いこと
パレンテが多数の受注管理システムの中から「楽楽バックオフィス」を選んだのはなぜか。その理由について古川氏は次のように説明する。
「SaaS型で提供しているシステムでありながら、カスタマイズの自由度が高いことが契約の決め手になりました。弊社が必要としていた機能はおおむね標準機能として網羅されている上、カスタマイズの自由度が高いため独自のサービスにも対応できました。
テクマトリックスは、楽天市場など大手モールのパートナーとして、モールの仕様変更などの情報をいち早くキャッチし、「楽楽バックオフィス」のリニューアルを行っている。ECモールの仕様変更への対応に苦労してきたパレンテにとって、この点も評価のポイントになった。
また、テクマトリックスの開発力も契約の一因だったという。古川氏はテクマトリックスの開発体制について「弊社が依頼したカスタマイズの要望に、テクマトリックスさんはしっかり応えてくれました」と評価する。
テクマトリックスはシステムの受託開発を行ってきた企業であり、社内に高いスキルのエンジニアを多数抱えているのが強み。大手ECモールのシステム開発に携わっていたエンジニアも在籍しており、ECシステムにも精通している。
今回、受注管理システムの入れ替えが成功した要因について、テクマトリックスのカスタマーソリューション営業部・岩崎徹志氏は「パレンテさんは受注管理システムを自社開発していたこともあり、システム開発に対する理解が深かった。要件定義にも積極的に協力してくださったので、非常にスムーズに開発が進みました」と振り返った。
「楽楽バックオフィス」を導入してバックオフィス業務の効率化に成功したパレンテは、今後もプライベートブランド商品を中心にEC事業を強化していく。
「『楽楽バックオフィス』を導入したことで、売り上げを伸ばすための基礎となるバックオフィス体制が強化できました。今後もより良い商品とサービスを提供し、多くのお客さまに選んでいただけるネットショップをめざします」(営業3部リーダー・井上愛氏)