アクセリア株式会社　代表取締役社長　牧野 顕道氏

静岡県出身。機器メーカー、通信キャリア事業者を経て、2000 年12 月　日本初のCDN サービス提供会社として、アクセリア株式会社を設立、現在に至る。アクセリア株式会社では、技術協力機関として、慶応義塾大学、倉敷芸術科学大学、奈良先端科学技術大学院大学と交流、共同研究開発に取り組み、産学連携のサービス開発＆提供を行っている。

いくらサイトを魅力的に作り込んでも、サイトの表示速度が遅かったり安定していなければ、リピーターを獲得することは難しい。そこで注目したいのが、ユーザーのアクセス環境を担保してくれるCDNです。国内初の純国産CDN事業者、アクセリア株式会社の代表取締役社長 牧野 顕道氏にお話を伺いました。

フルマネージドで提供！国内初の純国産CDN

サイトのユーサビリティーを考えたときに、スピーディーかつ、安定的に表示させることは必須です。たとえばサイトへのアクセスが集中しているときに、コンテンツデータの配信が遅れるようなことがあれば、いくら商品力があっても、サイト自体のデザインがすぐれていたとしても、ユーザーはサイトを離れていってしまうでしょう。

サイトを迅速に、安定的に表示させるためには、サイトの負荷を分散させ、安定配信を行う環境を整える必要があります。そこでご紹介したいのが、CDNです。

アクセリアのCDNは、日本国内に設置されたサーバのプラットフォームを基に、エンドユーザーに合わせて最適なサーバからコンテンツを配信する仕組み。EC事業者様は、ご自身でサーバを用意したり拡張したりする必要なく、現状のネットワーク環境も変えることなく、安定したコンテンツ配信が可能となります。

アクセリアは、国内初の純国産CDN業者です。その特徴は、フルマネージドのサービスです。「どのコンテンツをキャッシュ（配信の高速化）するか」「最適な時間はいつか」などコンサルティングまで提供し、お客様の手を煩わせない姿勢は、弊社の長年変わらぬポリシーです。

売上拡大にもつながる！CDNのメリットとは？

ＥＣ事業者様にとっては、CDNを利用することで、イベントなどでトラフィックが急増した際にユーザーの取りこぼしを防げるという点が、大きなメリットとなります。

その効果は当然、売上にも如実に表れてくるでしょう。それまでは購入につながらなかったユーザーを取り込み、競合に流れていたユーザーを取り戻すことで、売上にも直結します。実際にCDNを活用して、売上２倍３倍と成長されている企業様もいらっしゃいます。

さらに大きなメリットが、リッチなコンテンツを配信できることです。直接商品を見ることができないEC通販では、いかに詳細なデータを掲載するかが、購入の後押しとなり、競合との差別化になります。　　

CDNを利用することで、写真や動画など、データが大きいものでも大量に掲載でき、かつ素早く表示できるようになります。EC企業にとって重要な、SEO対策への悪影響もありません。

ユーザーの環境も刻一刻と変化しており、1秒でも２秒でも速いスピードが求められています。一方で、コンテンツの充実も必要です。この両方を、EC事業者様がご自身で担保する必要なく、実現できるというのが、CDNの魅力だと思います。

大手EC企業ほど、CDNを活用している

なお、ご存知の通り、インターネット上では、さまざまなキャリア、ASPからの流入があります。こういった多様な経路から流入してくるユーザーに対して、一つのキャリアを利用するサーバや回線を増強するだけでは、対応することは難しいでしょう。

一方、アクセリアでは、さまざまなキャリアに分散してサーバを置いていますので、すべての経路から流入してくるユーザーを取りこぼししてしまうことなく、多くのユーザーを集めることが可能です。

実際に、多くのEC事業者様から「アクセリアのCDNを導入してから、アクセスやPVが増えた」というお声を頂きます。弊社のサービスを利用されているお客様の、キャンセルやリプレイスが非常に少ない理由も、この点が大きなポイントになっていると思います。

このように、多様なメリットをもつCDNですが、実は、大手のEC事業者様ほど、CDNの導入割合が高い傾向にあります。逆の見方をすれば、ECビジネスの拡大を目指しておられるのならば、早いうちからCDNの導入を検討していただくのがベストな選択だと考えています。

セキュリティ対策も充実 料金など気になる点は？

実際にアクセリアのCDNサービスを導入いただく場合、通常は1週間ほど打ち合わせをし、事業者様ごとの細かい設定内容を確認します。そして一度仮想環境でのキャッシュを確認し、配信開始となります。

また、事業者様ごとに営業と技術の担当者を配備。アクセリアのホームページでは、URLを入力するだけでCDNサービスを利用した際の回線スピードと現状のスピードを比較できるというサービスもございます。細やかな対応とともに、スピードと簡単さを追求した使い勝手は、多くの事業者様から好評いただいています。

料金は、従量課金制も選択していただけますが、EC事業者様に好評な料金体系として「2ヶ月平均課金ルール」というものがあります。これは2ヶ月連続のデータ量の平均値を基準として、10メガ単位でその平均値が変わらなければ、料金も上がらないというもの。イベントなどで一時的にデータ量が多くなっても、課金されることがないので安心してお使いいただけます。

お客様の細かなニーズやコンテンツに対応できるという点も含めてトータルで検討いただくと、競合他社と比較しても、コストパフォーマンスは非常に高いと思います。

すぐれた技術力でIT業界の土台を支えたい

アクセリアの今後の展開としましては、ＶＲストリーミングや、技術者の育成なども推進していきたいと考えています。技術者の育成に関しては、自社での研究開発部をはじめ、技術者向けの教育と人材のマッチングサービスや、講座の配信などもすでに行っています。　

アクセリアのサービス構造を踏まえると、弊社が提供するサービスは4つのレイヤーに分けることができます。
まずは、技術的なバックボーンがあります。これにより、今後もIT業界の土台を支えていきたいと考えています。

そして、その上に、インフラサービスとしてCDNサービスがあり、さらにその上にセキュリティサービスがあります。さらに上位のレイヤーとしては、分析や解析などのツールサービス、現在研究を進めているVRなどがあります。

今後もCDNをはじめとした技術力で、EC業界、ひいてはIT業界をさらに活性化するための「高速コンテンツ配信」「セキュリティ対策」「マーケティング」といったソリューションを幅広く提供していきたいと考えています。

＜ECのミカタ通信 2018 SPRING vol.15より抜粋＞