画期的な国産WebRTC「FaceHub」導入で利便性を向上させた、Web接客予約システム『コネクトさん』
動画コマース、ライブコマースといったECの対面でのコミュニケーションがトレンドとなっている。中国・台湾などではすでにスタンダードになったといっても過言ではないが、日本でもいよいよ本格化のステージになってきた。特にライブコマースに代表されるような“リアルタイムコミュニケーション(RTC)”が、様々なシーンで重要度を増しているのではないだろうか。
そうしたトレンドを見越して、画期的なWebRTC「FaceHub」を開発したFacePeer株式会社の代表取締役社長 多田 英彦氏と、自社のプロダクト『コネクトさん』に、いち早く「FaceHub」を導入した株式会社コンテンツパークの代表取締役 相場 奈美氏に、両社のコラボレーションの経緯と活用においての利便性についてお話を伺った。
WebRTCがもたらす、One to Oneコミュニケーションの新しい可能性
――WebRTCについてお教えください。
多田 WebRTCとは“Webリアルタイムコミュニケーション”の略称で、「音声や映像のすべてをコントロールするための規格」です。プラグイン無しで、Webブラウザだけでリアルタイムでのコミュニケーションを可能にします。
アメリカでは8年ほど前から使われていますが、日本でも3〜4年ほど前から活発に使われ始めています。ECの世界では、インフルエンサーといわれる人たちを中心にライブコマースを活用するシーンが増えていることを皆さんご存知だと思いますが、そうしたシーンでWebRTCが注目されています。
またECに限らず、少子高齢化が進展する日本においては、今後、労働人口が減っていくことは間違いのないところで、人材不足が顕著になっていくでしょう。そうした状況の中では、限られたスタッフ数で、業務を効率的にまわしていくことが求められるわけですが、わざわざ人が移動しなくても、リアルタイムにOne to Oneのコミュニケーションが図れるということで、WebRTCはその重要性を増していますし、いろいろな可能性を秘めていると思います。
特に、人材関連の企業においては、求職者や派遣スタッフなどとの面接が不可欠ですので、そこではWebRTCが非常に注目されており、実際の導入も進んでいます。
また、一般企業でも、Uターン・Iターン就職での採用を進めている場合には、求人企業・求職者双方にメリットがありますね。時間コストも移動コストも軽減できますから。
相場 Webでコミュニケーションが取れるというのがいいですね。時間やスケジュールのコントロールに大きなメリットがあります。
多田 そうですね。バソコンならWebブラウザで、スマートフォンならアプリで、簡単に使えるという利便性の高さが大きなメリットだと思います。
高機能なのにシンプルという優位性と、メイドインジャパンの信頼性を備えた「FaceHub」
――『コネクトさん』が、WebRTCの仕組みとして、FacePeer株式会社が開発したWebRTC「FaceHub」を採用した背景はどういうものだったのでしょう。
相場 当社の『コネクトさん』は、テレビ電話による予約システムですから、どのようなWebRTCのシステムを使うかはとても重要です。以前は海外で開発されたシステムを利用していたのですが、ユーザーがアプリをダウンロードする際に英語表記となるので、少し不審に思われてしまうという弊害がありました。もちろん、決して怪しいものではないのですが(笑)。
また、外国製のアプリだと、万が一システムに不具合が生じた際のサポートに不安もあり、日本製のWebRTCを探していた時に「FaceHub」のことを知りました。本格導入に先立って、『コネクトさん』でのデモを実施したのですが、モニターしていただいたお客様からも、「画質も音声もとてもきれい」「これならお客様にご利用いただいても問題ない」というお声をたくさんいただけました。レイアウトもとても作り込まれていますし、機能面でも、キャプチャー機能があるなど、とても優れていました。
それとカスタマイズ性の高さも魅力でしたね。最初から多機能過ぎると、逆に使いにくさが出てしまうものですが、「FaceHub」はとてもシンプルで使い勝手がよく、それでいてカスタマイズやしやすいので、必要に応じて機能追加できるという点にもメリットを感じました。それで、本格導入を決定しました。
多田 ありがとうございます。「FaceHub」の開発にあたって重視したのは、「ベースとなる部分はしっかり作り込むが、それを使うユーザーが直感的に使えるシンプルな操作性を実現する」という点です。その点には強くこだわりました。まずはシンプルに使っていただくことが大事だと考えたのです。
そして、その上でさらに必要な機能があれば、その都度追加していくことができるカスタマイズ性の高さを目指したのです。相場さんにお話いただいたように、最初から多機能にしてしまうと、ユーザーにとってはむしろ「期待外れ」になってしまうことも少なくないのです。開発した側も「こんなはずじゃなかったのに」と後悔することにもなってしまうのです。ですから、ベースのシンプルさとカスタマイズ性の高さはとても重要で、そこが「FaceHub」の差別化ポイントであり、強みになっているものと自負しています。
相場 導入を決定してから稼働までの期間も2週間程度だったので、とてもスムーズでした。当社側の作業としてもURLの繋ぎ込みだけでしたので、作業負荷もまったくありませんでした。
「FaceHub」の導入で、『コネクトさん』のコア・コンピタンスがさらに進化する
――今後の展開については、どのようにお考えですか。
相場 「FaceHub」を導入できたことで、WebRTCの部分についてはFacePeerさんに“安心”してお任せしています。WebRTC自体はオープンソースなので、自社で独自開発することもできますし、ある時期、それを検討したこともありました。
しかし、『コネクトさん』のコア・プロダクトはあくまでも「予約システム」であるという点にあります。その意味では、「予約システム」としての優位性をさらに深めていくことが重要だと考えていのですが、もしWebRTCを自社開発していたら、開発リソースをWebRTCと予約システムの高機能化に分散して振り向けなければならなかったと思います。
しかしそれでは開発時間とコストがかかり過ぎて、成長スピードが遅くなっていたことでしょう。WebRTCの部分をFacePeerさんにお任せできたことで、『コネクトさん』のコア・コンピタンスの進化をさらに加速させることができると思っています。
例えば、いま現在は、Googleカレンダーとの連携によるスケジュール管理はできるのですが、将来的には『コネクトさん』だけでスケジュール管理も完結する仕組みにしていく予定です。
そしてさらには、『コネクトさん』の中で、顧客との関係性を強化していくためのCRMに絡む部分も実装していきたいと考えています。FacePeerさんとのコラボレーションが実現したことで、その開発スピードが加速しますので、現在『コネクトさん』をご導入いただいているクライアント様はもちろん、これから『コネクトさん』を導入しようとお考えの方々にも、ぜひご期待いただきたいと思います。