ポイント解説!『中国海外商品消費マーケット攻略セミナー「海淘4.0」時代に日本メーカーはどの様に中国マーケットを攻略すればよいのか?』

ECのミカタ編集部 [PR]

Find Japan株式会社 代表取締役 西山高志氏

この1年~2年程は「爆買い」が終わったと言われる。それは、中国市場の成長が止まったわけではなく、次の段階に入ったためだ。今、中国市場では人気商品が多様化し、中小メーカーや新商品も成功するチャンスがある。Find Japan株式会社 代表取締役 西山高志氏による講演『中国海外商品消費マーケット攻略セミナー「海淘4.0」時代に日本メーカーはどの様に中国マーケットを攻略すればよいのか?』より、そのポイントをまとめた。

今回のセミナーはメーカー向けの話であり、メーカーの小売担当としてECを運営している方に役立つことが多い。中国市場への進出を考えているメーカーはもちろん、今はまだ検討はしていないというメーカーも、この話が中国市場進出のきっかけとなるかもしれない。

中国マーケットを知るには「海淘」が重要

日本で中国市場への進出というと、天猫国際やJD.comといった、B2Cのプラットフォームの話になりがちだ。しかし、メーカーの小売担当者が中国マーケットへの進出を考えるのであれば、まずは中国人消費者の動向を理解することが必要だ。

そこで重要なキーワードが「海淘(ハイタオ)」だ。

海淘とは、2013年頃に登場した言葉で、「中国本土の個人消費者が海外サイトで販売されている商品を、直接、またはソーシャルバイヤーに代理で購入依頼して輸入する(2013年中国文献翻訳)」ことを指す。2018年に入ってからは「海外の商品を購入する事の全般」を指して使われることもあるが、いずれの意味を指すかは区別して使われるようだ。

日本メーカーにとって重要なのは、この極めて海外商品に関心が高い「海淘ユーザー」が2013年から1,800万人から8,800万人に爆発的に成長していて「日本の小売店」「日本のEC」の売上にも大きく影響をおよぼしている点とこのユーザーの「情報源」「購入ルート」「購入心理」を正しく理解する事です。

中国消費者が日本商品を購入するルートを知る

中国の消費者が日本の商品を購入する場合、主に以下のルートがある。

1.日本の小売店・ECサイトから直接購入(訪日インバウンド消費)
2.転送会社・ソーシャルバイヤーなどを介して購入(並行輸入)
3.中国国内小売店・正規 ECサイトを介して購入(正規輸入)

3の正規ECサイトとして代表的なプラットフォームは、天猫国際やJD.comだ。最近では、新興の越境ECサービスも、2から3に移行しつつある。このルートは、メーカーが仕入ルートを把握できるもので、日本でもよく知られている。

一方で、2のルートについてはあまり知られておらず、メーカーが仕入ルートを把握していないことが多い。中国進出を支援するサービスは多いが、それも3の正規ECサイトがほとんどで、2の転送会社やソーシャルバイヤーとは競合関係になることもあり、日本でなかなか情報を得られない。しかし、2のルートだけで、年間2兆円程と大きな売上がある。

1のルートも、訪日中国人客の増加を受けて拡大しており、日本の小売店での商品購入は、年間6,000億円~8,000億円程となっている。

日本のメーカーが中国市場で最大限売上を上げるためには、2のルートをコントロールする体制を構築する事が重要だ。

海淘の成長と変化を受けた日本メーカーの最適な対応

海淘は、2013年~2014年頃に急激な盛り上がりを見せ、ブームが訪れた。これは、訪日中国人客が増加した時期とリンクしている。海外の商品を利用することに積極的な海淘ユーザーは、自身も海外を訪れることが多い。この背景には、中国政府の海外商品の受け入れに対する積極的な姿勢も後押ししているが、主な要因は以下の3つだ。
・ソーシャルメディア(微博・微信)の定着
・中流階層の拡大
・越境ECなど海淘サービスへの投資

ソーシャルメディアの定着は、海淘に決定的な影響をもたらしている。それまで中国では海外の情報を知ることが難しかったのが、微博(ウェイボー)や微信(ウェイシン/ウィーチャット)などのソーシャルメディアが定着し、簡単に海外の情報を入手できるようになり、海外旅行や海外の商品の購入が進んだ。

中国において裕福な家庭とされる、世帯収入が月間2万元以上の家庭では、ほぼ100%海外の商品を購入している。経済的に余裕のある家庭が増えると、より良質な商品を購入することが増え、海外の商品への需要も高まっている。この中流階層の拡大が止まると、中国マーケット進出のチャンスも減るので、この階層の動きには注意しておきたい。

そして今、日本のメーカーにとって大きなパラダイムシフトが起きている。

越境ECのアプリなど海淘サービスは、2014年頃から膨大な金額、件数の投資により成長した。この時期は、日本企業の中国市場への参入はあまりなく、ただ「爆買い」だと騒ぎ立てていました。この頃は、投資による圧倒的な資金を背景に、中国人が中国人のために日本商品を大量に購入し、積極的にPRを行い人気商品を作り出していたのだ。

しかし、海淘サービスへの投資の波は2017年で止まる。既に海淘マーケットで人気商品になっているものはまだ購入に衰えはないが、2016年~2017年にかけては新興の越境ECプラットフォームの会員集めを目的とした利益を度外視した仕入れは徐々に減ってきた。

そしてこの頃から、日本のメーカーも徐々に海淘メディアに出稿するようになり、メーカー主導の人気商品も多数誕生した。

今後、中国の消費者が触れる情報はますます増加し、商品の多様化がさらに進むものと予測される。その中で、日本のメーカーが中国市場で成功していくためには、メーカーがしたたかになり、自ら海淘メディアを活用してマーケティングを強化していくことが重要だ。

海淘メディアを活用したマーケティング

中国に向けたマーケティングでも、日本国内のマーケティングと同じく、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の「4P」を満たす方法を採ることは同様だ。この4Pを考えた上で、中国向けの販売戦略を立てる必要がある。

4Pを踏まえ、中国向けの販売戦略で成功する秘訣は、「ターゲットを絞って効率が良いPR活動を行う」ことだ。そのために海淘の情報源に確実にリーチすることが重要だ。

重要なのは、何を売るかだ。どこで販売するかは、プロダクトライフサイクルによって変わる。基本は、消費者が喜ぶこと。そして、適切な金額で販売することga
重要だ。原価の積み上げは絶対にNG。中国の消費者の情報量が増えている中で、日本で500円のものを中国だから1,000円としても売れない。プロダクトライフサイクルにおいて、売上と利益を緩やかに維持できるように、販売チャネルと価格を適切にコントロールすることが求められる。

海淘メディアが存在する三大プラットフォームが「微博(ウェイボー)」「微信(ウェイシン)」「小紅書(RED)」だ。そして、これらのプラットフォームにおいて重要な存在が、KOL。KOLとは「Key Opinion Leader」の略で、SNS上で強い影響力を持つアカウントのこと。

「微博(ウェイボー)」は、中国最大のソーシャルメディア。メインユーザーは10代~30代。オープン型の情報伝達が可能で、情報を一気に拡散させるのに向いている。KOLを使ったプロモーションで最も拡張性が高く、認知拡大に有効。ただし、不正も多いので媒体選定には専門知識と経験が必要になる。

「微信(ウェイシン/ウィーチャット)」は、日本で言うところのLINEに近い存在。クローズの中でコアな情報拡散が得意。微信の中の媒体、コミュニティに情報を流し込む形で情報発信を行う。バイヤーがよく見るメディアがプロモーションには有効で多く、海陶のコミュニティをコントロールするのに需要です。


「小紅書(RED)」は、海淘コミュニティ専用のレビューアプリ。「旅をしながら新しい商品を探す」というコンセプトで、海淘のためのプラットフォームとも言える。ユーザー数は8,000万、その70%が女性で、20代~30代がメイン。

REDは、近年、海淘ユーザーやソーシャルバイヤーに絶大な影響力があり、各メーカーが対策を行っている。中国市場に進出して、REDで自社商品の投稿が少ない場合は対策を行うべき。微博の人気KOLがREDでも続々とアカウント作成している。


また、海淘メディアに活用な存在であるKOLは、次のように分類できる。影響力のあるKOLは露出枠があまり空いていないので早めの動きが必要だ。

・プレミアムKOL
微博のスーパースターと言える存在。圧倒的な露出度で、日本のテレビCMと同じような効果を発揮する。新商品などのブランディングに有効。

・(日本系)ブロガーKOL
本人の主観で商品を説明。コメントへの返信などアクティブに対応するので、商品の問題解決に有効な。最近は、広告費で稼ぐよりも商品を売った方が早いという流れで、淘宝に店舗開設ブーム。

・(日本系)メディア系KOL
ユーザーからの信用力が高く、常に内容が濃い情報を発信。まとめ記事などの配信が得意。メーカーがアピールしたいことを発信したい場合に有効。

KOL配信においては、量と質の状況を確認することが重要だ。量の確認は、ターゲットユーザーに対してどれだけリーチできたか、KPI=IMP数、Action数などを検証する。質の確認は、キーワードを解析してブランドイメージに対する言及や購買意欲を確認する。

中国ソーシャルマーケティングにおいて、注意したいのが「水軍」と呼ばれるロボット・やらせのアカウントだ。その手口は巧妙化しており、専門知識と専門のツールによる対策が必要。また、広告の外注先の選定も要注意だ。こういった対策も、Find Japanで行っている。

中国市場の今後と日本メーカーの注意点

2012年までの中国EC市場は、ほぼ淘宝のみで、C2Cの取引しかなかった。しかし、2014年頃から天猫国際を始めとしたB2Cプラットフォームがシェアを拡大していき、人気商品がどんどんB2Cで販売されるようになってきた。

現在、中国進出と言うとB2Cの話題がほとんどだが、淘宝がなくなることはまずない。人気商品が生まれる過程として、まずC2Cに新しい商品が入り、そこで人気が出たものがB2Cで売られるようになる。日本のメーカーは、この両方をコントロールするべきだ。

中国市場に進出する日本メーカーの注意点として、特に注意したいタイミングが2つある。1つは、スタートの段階。代理商の話に乗り、中国における販売の独占権を渡してしまうということのないようにしたい。メーカーが主導権を持っておくことが重要だ。

そしてもう1つ、C2Cの淘宝で認知度が上がり、B2Cの天猫国際、JD.comにも進出するタイミングも注意が必要だ。この時に、C2Cチャネルのコントロールができていないと、B2Cに進出したことをきっかけとしてC2Cでの売上が落ちてしまう。

メーカー主導でコントロールするためには、消費者の動向を知り、マーケティングや商品の売れ行きを数字化して管理することが必要だ。こういったノウハウを、Find Japanで提供している。今回の話を踏まえ、中国市場でのチャンスを感じたメーカーは、ぜひ相談してみてほしい。

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