越境ECの更なる普及促進!日本独自の公式プログラム「eBay University」を直撃取材!

ECのミカタ編集部 [PR]

イーベイ・ジャパン株式会社 
(左)代表取締役社長 佐藤 丈彦氏 
(右)ビジネス開発部 部長 岡田 朋子氏

グローバルECサイト「eBay」の日本法人イーベイ・ジャパンは10月23日、越境ECの普及促進や、出品者の売上拡大支援を目的とした新たな教育プログラム「eBay university(イーベイ ユニバーシティ)」を開始した。越境ECに関する知識やスキルを問う試験を実施し、合格者に「認定コンサルタント」のライセンスを付与する。「認定コンサルタント」は、越境ECに取り組んでいる企業や、これから参入を検討している企業に対し、越境ECの知識やノウハウを教える。日本独自の取り組みである「eBay university」とは、どのようなものか。プログラムの内容や開始した理由、参加のメリットなどをイーベイ・ジャパンの佐藤丈彦社長と岡田朋子部長に聞いた。

「eBay university」とはどんなプログラム?

「eBay university」とは、越境ECの知識やスキルを問う認定試験をイーベイ・ジャパンが実施し、合格者に「公認コンサルタント」のライセンスを付与する教育プログラム。「公認コンサルタント」になるには、越境ECを開始するために必要な準備、実際のオペレーション、マーケティング、プロモーション、リスク、売上拡大のノウハウといった幅広い知識が求められる。

「認定コンサルタント」は、イーベイ・ジャパン公認の越境ECのスペシャリストとして、コンサルティングや勉強会を行う権利を持つ。イーベイ・ジャパンの公式ポータルサイトで「認定コンサルタント」として紹介されるほか、eBay Universityの認定ロゴを自社のウェブサイトなどに掲載することも可能。さらに、eBayグループが持つ、世界各国における越境ECのマーケットデータや法制度に関する情報の一部も共有される。

こうした教育プログラムは日本独自の取り組みだという。イーベイ・ジャパンの佐藤社長は「eBay university」を開始した理由を、次のように説明する。

「越境ECの啓発活動や、セラーさまに対する売上拡大支援などの取り組みを、よりスピード感を持って推進していくために『認定コンサルタント』制度を設けました。認定コンサルタントには、全国各地で認知拡大や普及促進のために活動し、越境EC市場をより活性化させる役割を期待しています」

第1回試験で2人の「認定コンサルタント」が誕生

イーベイ・ジャパンは10月23日に第1回認定試験の結果を公表、2人の「認定コンサルタント」が誕生したと発表した。今回の合格者はすべて「eBay」のセラー(出品者)で、越境ECで豊富な経験と実績を持つという。

「認定コンサルタント」の参加料は無料で、登録料や更新料もかからない。日本国内で越境ECが活性化すれば、中長期的にはECプラットフォームである「eBay」にもメリットがあるため、イーベイ・ジャパンは「eBay university」の仕組みそのもので儲けるつもりはないという。

「認定コンサルタント」はあくまで独立したコンサルタントであり、越境ECのコンサルティングやセミナーなどを自発的に開催し、コンサル料や受講料を徴収することもできる。

外部の人材と連携し、越境ECの啓発と普及促進を加速させる

外部の人材と連携し、越境ECの啓発と普及促進を加速させる

イーベイ・ジャパンが「eBay university」を開始した背景には、世界で越境ECが盛り上がりを見せる中、越境ECに二の足を踏む日本企業が依然として多いことへの歯がゆい思いがあるという。

越境ECは世界全体で60兆円を越え、2020年には約100兆円に達すると予想されている。その成長率は、日本国内のEC市場の成長率を大きく上回る水準だ。

近年は越境ECに必要なインフラが整い、海外進出のハードルは以前と比べて下がった。そして、2020年の東京五輪を控え、日本への注目度も高まっている。

「日本は越境ECの好条件がそろっているマーケットにも関わらず、メリットや参入方法を知らないために、最初から無理だと諦めてしまう企業は少なくありません。参入に踏み出せない企業の背中を後押しするには、まずは越境ECについて正しく理解してもらうことが必要だと考えました。日本における普及推進役として、『認定コンサルタント』が重要な役割を果たしてくれると期待しています」(佐藤社長)

イーベイ・ジャパンはこれまで、越境ECの認知向上や普及促進のために、イベント登壇や勉強会の開催など、さまざまな活動に取り組んできた。ただ、自社だけで活動していてもリーチできる企業の数は限られる。そこで、海外への新たなチャネルへの啓発や普及促進、販売支援を加速させるため、外部の人材と連携する道を選んだ。

「越境ECをこれから始めたいけれど、何をすれば良いか分からないという企業は、全国にたくさんいらっしゃると思います。私たちはできるだけ説明会や勉強会を開催してきましたが、自分たちだけでは限界があるのも事実。そこで、『eBay university』を通じて、外部の方にも市場の活性化に協力していただくことにしました」(佐藤社長)

セラー同士が切磋琢磨し成功できる環境を提供

セラー同士が切磋琢磨し成功できる環境を提供

イーベイ・ジャパンが「eBay university」を開始したもう1つの理由は、「eBay」のセラーの売上拡大支援を強化することにある。

全世界で越境EC市場が拡大していることを受け、「eBay」に出店する日本企業は増え続けているという。しかし、ビジネス拡大にはさまざまなハードルがあり、出店後に売り上げが伸び悩むこともある。そこで、越境ECの知識やノウハウを共有するオープンな新たな仕組みとして「eBay university」を開始した。

「第1回試験の合格者は、eBayのセラーとして経験豊富な人ばかり。その資質の高さは、越境ECの実績に裏打ちされています。『認定コンサルタント』を中心に、セラーさま同士が切磋琢磨できる仕組みを作ることで、成功するセラーを増やしていきたいです」(岡田部長)

越境ECで売れる商品や価格帯は、国や地域ごとに大きく異なる。自社の商品のポテンシャルがどこに、どれくらいあるのか。その可能性を判断するには、まずはマーケットデータを正しく理解する必要がある。

「『eBay』は世界約190カ国で展開し、年間約10兆円の販売実績があります。そのため、世界のどの国や地域で、どのような商品が、どのような価格帯で売れているかといった最新のマーケットデータを豊富に持っています。そのデータの一部を『認定コンサルタント』に提供し、勉強会などを通じてセラーさまにも共有していただく。そういった活動が広がることで、越境ECで成功するセラーさまが増えていけば理想的だと考えています」(岡田部長)

「認定コンサルタント」の試験はどんな内容?

「認定コンサルタント」の認定を受けるためには、3日間のカリキュラムを受講後、筆記と面接による試験が行われそれらにすべて合格する必要がある。試験の詳細な内容は非公表だが、越境ECの基礎的な知識に始まり、事業展開に必要なオペレーションやリスクなど、実践的な知識を幅広く修得する必要があるという。

認定試験のカリキュラムはフェーズに分かれており、今回実施した第1回認定試験の合格者は、越境ECの基礎知識と参入に必要なこと、「eBay」への出店に必要な知識などを修得したという。今後はマーケティングやプロモーションなど、売上拡大をテーマとしたカリキュラムも認定試験に追加する計画だ。

「認定コンサルタント」の強みについて、「eBay university」事業を統括する岡田朋子部長は次のように強調する。

「認定コンサルタント」の合格者は現時点では「eBay」のセラーのみだが、将来はセラー以外のさまざまな分野の専門家にも、認定試験の門戸を解放していく予定だという。

「近い将来、外部の専門家やEC支援事業者にも受講していただけるようにします。越境ECの認知向上や普及に本気で取り組んでいただける方に、ぜひ受講していただきたいです」(岡田部長)

越境ECはますます拡大、近年はアジアや欧州向けが成長市場に

越境ECはますます拡大、近年はアジアや欧州向けが成長市場に

最近の越境ECは、どのようなトレンドがあるのだろうか。「eBay」に出品している日本のセラーのデータを踏まえると、次のような特徴が見られるという。

●日本のセラーの数、売り上げともに年々増加している
●商材別ではアパレル、カメラ、時計などの売り上げが多い
●楽器や日本語のCDなど、売り上げが急増している商品ジャンルもある
●販売先の地域は北米がトップだが、近年はアジアと欧州が急速に伸びている
●海外のインフルエンサーやユーチューバーが商品を紹介したことをきっかけに、日本製品がヒットする事例が増えている

佐藤社長は日本の越境EC市場について、「世界全体の中で見ると、日本が遅れを取りつつある」と危機感を募らせる。

「海外のチームとコミュニケーションすると、日本企業の越境ECの取り組みの遅れが目立ってきています。その一因は、越境ECの正しい情報を入手しづらいことにあると思っています。正確な情報があれば、もっとスケールできる企業が出てくるはず。『eBay university』を通じて、越境ECの認知向上や普及拡大を図ることで、日本企業の越境ECの遅れを取り戻したいんです。2020年の東京五輪までが勝負だと思っています」(佐藤社長)

「弊社は現在、越境ECをより便利に、成功しやすくするためのサービスや機能をいくつも準備中です。2020年に向けて取り組みを加速させます。今はまだ詳しいことを明かせませんが、今後のeBayにぜひ期待してください」(岡田部長)

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