中国ビジネスのプロフェッショナルが語る最前線セミナー 潜入レポート

ECのミカタ編集部 [PR]

2019年3月19日(火)、「中国ビジネスのプロフェッショナルが語る 越境ビジネス最前線」というセミナーが、中国ビジネスに関わりの深い、Baidu Japan Inc.(バイドゥ株式会社)、スターフィールド株式会社、株式会社unbot、株式会社bolomeの4社により開催された。本記事では、各社の講演内容からポイントをまとめて紹介する。中国EC市場の現状や、効果的なプロモーション、独自ドメインサイトの必要性と可能性など、中国ビジネスに取り組む企業はもちろんのこと、訪日中国人客増加を受け、すべてのEC企業に知ってほしい内容となっている。

アンケート調査で見る「中国越境EC概況」

Baidu Japan Inc.(バイドゥ株式会社) 國井雅史 氏

バイドゥジャパンでは、中国ビジネスに取り組む日本企業向けに、「百度調査」という検索データ調査・アンケート調査のサービスを提供している。そのデータを基に、中国越境EC市場の現状を把握することで、効果的な戦略を立てることができる。

中国のネット人口は2018年時点で約8.3億人。毎年約5000万人という早いペースで増加しているが、全人口に占める割合としては60%ほどで、まだまだ成長の余地がある。利用年代は10~30代がメインで、この年代の90%以上がネットを利用している。ただし、40代以上のネット利用は50%を切る。

ネットでよく利用するサービスとしては、一位にチャットが来ており、中国人ユーザーの特徴と言える。しかし、二位は検索、三位が動画、四位が買い物と、このあたりは日本人ユーザーとあまり変わらない。

中国越境ECに強い影響力を持つのがインバウンドだ。自身や家族・知人の訪日をきっかけとして越境ECで日本製品を購入するというケースは多い。越境ECサイトの利用が多いのは20~30代女性で、特に浙江省での利用が多い。1回の買い物金額の平均は約1200元(2万円~3万円)で、年間で12~13万程度の利用がある。利用金額は40代男性が高くなっている。

越境ECに利用するサイトとしては、天猫国際が4割と最多。京東全球購、網易考拉海購などもよく利用されている。越境ECの利用金額が大きく、回数が多いほど、天猫国際以外の利用に分散する傾向がある。

越境ECにおいて、相手の国の言語に対応することは重要だ。少なくとも日本語からの自動翻訳がされていれば、閲覧・買い物をしてもらえる可能性が高い。しかし、要所のみの翻訳や英語のみの対応になると、利用率が大幅に下がる。特に独自ドメインは、自動翻訳レベルの表示は必須と言える。

中国人ユーザーにとって、越境ECの選択肢は日本だけではない。日本以外のほうが人気の商品もあるし、中国製のほうが人気の商品もある。日本商品で人気が高いのが、化粧品やボディケア用品だ。中国EC市場には人気商品ほど偽物が多いという問題があり、モールで商品を検索した後に、オフィシャルサイトでも検索をするというユーザーも多い。

バイドゥジャパンが提供する中国越境ECにおける広告メニュ―の中では、検索型広告がもっともパフォーマンスに優れた広告となっている。中国では、テレビ局の局数が多く、中国全土に一気に広告を打つことが難しいため、インターネット広告が重宝されている。

中国越境ECのデジタルマーケティングにおいては、認知施策でリーチを拡大し、いかに指名ワードの検索数を増やすかが重要だ。また、ブランドを守り、ユーザーを自社のサイトに確実に誘導したい場合は、ブランドリンク広告がおすすめだ。

モールに出店するだけでなく、独自ドメインのECサイトを展開することで、数字を計測することができ、それをモール店舗にも活かせる。また、商品が偽物でないか確かめたいというユーザーのニーズにも応えることができる。

越境ECでもモールに出店しながら独ドメサイトも展開を

スターフィールド株式会社 橋本 宏基 氏

スターフィールドは越境ECに特化したカートシステム「LaunchCart(ランチカート)」を開発している会社だ。特に健康食品や化粧品の単品リピート通販に強い。

中国越境ECというとモール出店が主流のように考えるかもしれないが、日本国内と同じく、モールに出店しながら独自ドメインサイトも展開するという流れができつつある。その背景に、「LaunchCart」のような越境EC向けのカートシステムの進化や事例の蓄積、決済・サーバ・メールといったECに欠かせないインフラの向上がある。

中国のECではクレジットカードはほとんど使われず、銀聯やアリペイ、WeChatpayが主流だ。「LaunchCart」ではこの3つの決済に対応している。また「LaunchCart」では、中国ECにおける継続課金が可能になり、カートシステム上でシナリオを組むこともできる。中国ECでは定期購入という文化がないので、今度、根付くかどうかに注目だ。

中国越境ECで独自ドメインサイトを展開する際、サーバをどこに置くかということが問題になる。日本に置くとグレートファイアウォールの影響でアクセスが遅くなるが、中国に置きたくても商用ICPライセンスの取得が課題となる。そこで、スターフィールドでは香港にサーバを置くことをすすめている。

さらに、中国のみならずアジア圏の越境ECの問題として、メールが読まれないということがある。現地の個人間のコミュニケーションは特定のアプリで行われていることが多いが、流行り廃りがあることや、誰にでも必ずメッセージを送れるわけではないので、ECのコミュニケーション手段としては向かない。そこでおすすめなのが、スマートフォンと電話番号のみで利用できるSMS/ MMSだ。LaunchCartからはアジア全域にSMS/ MMSを送信することができる。

このようにインフラが向上し、「LaunchCart」には独自ドメインサイトを運営するための基本機能が備わっている。中国越境ECを始めたい、中国向けの公式サイトを作りたい、モール出店が軌道に乗ってきたといった場合に、役立つカートシステムと言える。

中国国内マーケットから見たEC運営戦略

株式会社unbot 榎佳祐 氏

unbotはデジタルマーケティング領域をメインに、中国国内ECの運営のサポートを行っている。タオバオパートナーであり、中国ECのさまざまなプラットフォームにおける運営代行も手掛ける。

中国国内EC市場では、市場の成熟に伴い、商品品質やサービス水準が重視されるようになっている。中国BtoC-EC市場では、天猫と京東が圧倒的シェアを占める。この2つのプラットフォームの特徴を簡単に表すと、天猫はテナントの集合体である大型ショッピングセンター、京東は一軒の大型スーパーマーケットと言える。

天猫と京東のシェアは大きいが、他にも人気のプラットフォームはあり、KAOLAの急成長とシェア拡大など変化があるので、最新の情報を収集する必要がある。中国越境ECでは、Amazonや楽天グローバルなども選択肢のひとつとして検討の価値がある。

中国市場のマーケティングでは、ユーザー認知度が非常に重要だ。そのため、まずは日本国内での実績を中国国内でPRしながら、新規顧客、そしてファンを獲得していく必要がある。その過程で、中国三大インターネット企業である「百度(バイドゥ)」「阿里巴巴(アリババ)」「騰訊(テンセント)」が展開するサービスの影響も大きい。

また、中国市場におけるマーケティングで大きな役割を果たすのが、SNSだ。Twitter的存在のweibo(微博)では露出拡大、認知度UPを、LINE的存在であるwechatではフォロワーのファン化を狙うことができる。

unbotの中国EC運営における戦略では、プラットフォーム、広告、CSの3つの軸で、日本企業がつまずきやすい点をサポートしていく。

プラットフォーム戦略では、バイヤーとの関係性構築、キャンペーン連動、商品詳細ページのスマホ化およびABテストに力を入れる。広告戦略では、サイト内リスティング広告とサイト外SNS広告を活用していく。SNS広告では、KOLの影響力が大きい。

CS戦略では、問い合わせにスピーディーかつ的確に対応できる体制を整えている。中国ECにおいては、購入前お問い合わせのほとんどがチャットが主流であり、日本の問い合わせ対応とは異なる体制が必要だ。カテゴリーと商品などによるが、購入前お問い合わせの30~40%が購入につながる企業もあり、CSはCVR向上や口コミ、評価、LTVの最大化に影響する重要なコンテンツなのだ。

unbotでは、サポートする店舗に対して、店長、副店長、デザイナー、CSなど6人程度のスタッフが付き、店舗の運営から物流、SNS運営やモール内外のプロモーション広告など、マーケティングに関わる分野を全面的にサポートしている。

KOLを活用して認知拡大×売上を同時に実現

株式会社bolome 渕脇海威 氏

bolomeは、ワンストップKOLマーケティング支援サービスとして、WeChat、タオバオ、bilibiliなどのKOLネットショップを一元管理できるプラットフォーム「WeStock」を運営している。

WeStockはフォロワー数100万人レベルの著名なKOLと150名以上と契約しており、商品の選定、供給からカスタマーサポートまで、ECのサービスを提供している。また、WeStockではKOLがブランドを直接訪問するMedia Tripを開催している。これにより、メーカーはKOLへ商品の魅力を直接伝えることができ、KOLショップへのフォロワーの信頼度UPにもなる。

WeStockを利用することで、中国ECに欠かせない主要なSNSを抑えることができる。それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるので、予算や目的を踏まえながら、最適なチャネルを選ぶようにしたい。

たとえば、WeChatは無料商品協賛型で費用対効果が良く、深い内容を配信するのに向いている。KOLの選定はbolomeが商品特徴を考慮し決定。指定には追加で広告費が必要で、KOLによる商品の事前確認がある。

タオバオは、中国ECのベンチマークにもなり、中国で主要な各SNSからのリンク貼付が可能。KOLをリストから指定することも可能でWeStock契約KOLの中で上位KOLが揃っている。商品選定に関しては、KOLによる事前確認がある。

そして、先行メリットが大きいとして、今、bolomeがおすすめしているのが、bilibili。これは、中国版YouTubeともいえるチャネルだ。中国では動画版の「小紅書」と言われており、新しいサービスということもあり、今のところ広告費用を抑えることができる。また、KOLのリストからの指定も可能で。商品選定はKOLの事前確認がある。

WeStockでは毎月十数のKOLショップが新規オープンしており、各SNSの特徴や最新の動きを知ることができ、活用を効率的かつ効果的におこなうことができる。

中国市場を制するためには現地に強い企業に相談を!

EC市場は変化の速い市場といわれるが、中国EC市場はより変化の大きい市場だ。中国ビジネス、中国越境ECに注目が集まる状況がここ何年も続いているが、その状況はつねに変化している。日本にいてはわからないところも多いので、実際に現地で事業を行う企業のサポートを受けることはとても重要だ。

今回のセミナーでは、中国ビジネスに取り組むにあたり、モール出店だけでなく、独自ドメインサイトの可能性も考えたほうが良いことがわかった。独自ドメインサイトは、ブランド認知やユーザーの信頼性向上に役立つ。カートシステムやインフラの整備が進んだことで、以前よりずっと簡単に独自ドメインサイトを立ち上げることができるようにもなっている。

また、商品やブランドのプロモーションにおいては、リスティング広告とSNSの活用が重要であることがわかる。その際は、それぞれの広告やツールの特徴を押さえたうえで、商品と目的に合ったチャネルを選択し、効果的にコンテンツを配信することが求められる。このあたりは、日本企業だけでは難しいところなので、今回講演を行ったような企業に相談してみてほしい。

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