サイト内検索を強化するナノ・ユニバース その理由と、2年間の成果とは?

ECのミカタ編集部 [PR]

アパレルセレクトショップを全国展開しているナノ・ユニバース。同社は2年前にECサイトやアプリのサイト内検索エンジンを刷新した。検索機能を強化してきた背景には、実店舗とECの融合を見据えた戦略があったと言う。ナノ・ユニバース WEB戦略部の越智氏と、NTTレゾナント 北岡氏に話を伺った。

ナノ・ユニバースが検索を強化する理由

株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏
2002年株式会社ナノ・ユニバース入社。店舗での販売業務を経て、2005 年よりECの担当となる。2010年よりWEB事業の責任者として、EC事業の拡大、会員制度の構築、デジタルマーケティングを中心に取り組んできた。現在はECと店舗の融合戦略を推進中

――ナノ・ユニバースは2017年に、自社ECサイトやアプリの検索エンジンをリプレイスし、NTTレゾナントが提供する『goo Search Solution』を導入しました。その後、フリーワード検索の「表記ゆれ」に対応したほか、最近は商品の色でより検索しやすくする機能を実装するなど、検索機能を強化していますね。なぜ、サイト内検索を強化しているのでしょうか。

越智 一言で説明するならば、お客さまが探している商品を簡単に見つけられるようにすることが、実店舗とECの販売促進につながると考えているからです。

――サイト内検索を改善すると、ECだけでなく、実店舗にもプラスの効果がある?

越智 弊社では、そのように考えています。なぜなら、実店舗で購入するお客さまの多くは、来店前にECサイトやアプリで商品について調べているからです。お客さまにとってECサイトとは、商品を購入するチャネルであると同時に、実店舗で商品を買う前の情報収集のツールでもあるんです。そのことを示すエピソードを、いくつか紹介しますね。例えば、実店舗に来店したお客さまが、ECサイトの商品ページのスクリーンショットを店舗スタッフに見せて、「この商品をください」とおっしゃるケースはとても多いです。また、実店舗にビーコンを設置してアプリユーザーの来店状況を調査した結果、ECサイトやアプリを閲覧したお客さまが来店されると、何も見ないで来店された方と比べて店舗での購入率が上がることもわかりました。こうしたことから、ECサイトやアプリで商品を探しやすくすれば、実店舗にも効果があると仮説が立つんです。

北岡 販売チャネルの垣根を超えて、お客さまが求めている情報を、きちんと届けるためにサイト内検索が重要であるということですね。

越智 おっしゃる通りです。どのチャネルで商品を売るかを考える前に、まずは、お客さまが欲しいものに巡り合える環境を作ることが大切です。商品を実店舗で売るか、ネットで売るかという議論は、すでに終わっていると私は思っています。弊社は2005年にECモールに出店し、2013年からはITやECに積極的に投資してきました。ECと実店舗の顧客IDを統合したほか、在庫や物流を一元化するなど、ECと実店舗の連携を進めています。こうしたオムニチャネルに取り組んできて最終的に得た結論は、「多くのお客さまは、ライフステージやそのときの気分などに合わせて、実店舗もECも両方使う」ということ。その前提で、ECと実店舗の良いところを合わせて、お客さまが探している商品にしっかり出会えるようにすることが重要だと考えています。

「表記ゆれ」に対応しないと莫大な機会損失が発生する

――越智さんは講演やメディアからのインタビューなどで、フリーワード検索における「表記ゆれ」への対応が非常に重要だと指摘していますね。

越智 言葉の表記が複数存在する「表記ゆれ」の問題に対応できているか否かは、売り上げを大きく左右する非常に重要なポイントだと思います。特にアパレルは、ブランド名を間違えて入力するお客さまが非常に多い。そのため、検索エンジンが「表記ゆれ」に対応していないと、お客さまが探している商品を表示することができません。実際、弊社でも『goo Search Solution』を導入する前は、「表記ゆれ」に対応できていなかったために、ブランド名のわずかな間違いによって検索結果がゼロ件になることが頻発していました。

北岡 「表記ゆれ」は、スペルミスだけでなく、スポーツブランドの「NIKE」を「にけ」と入力するなど、ブランド名をローマ字読みの日本語で入力した場合などにも起こります。こうした「表記ゆれ」によるゼロ件ヒットは、多くのECサイトで発生している課題です。実店舗なら、来店客があやふやな日本語で店員に質問しても、求めている商品をなんとか探すことはできるでしょう。また、商品そのものがなくても、似た商品を提案することも可能です。でも、ECの場合、しっかりとした検索エンジンを使わないと、ゼロ件ヒットになり、その瞬間にお客さまを逃してしまいます。

越智 弊社も導入以前は、「表記ゆれ」によって莫大な機会損失が発生していました。でも、その当時は機会損失が発生していることにすら気づいていなかったですからね。今思うと、鳥肌が立つほど恐ろしい状況を放置していたんですよ。

検索辞書を自動的にアップデート

NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 サービステクノロジー部門 セールスマーケティング シニアコンサルタント 北岡 恵子氏
2007年NTTレゾナント株式会社に入社。「goo」サービスのプロデューサーを経て、アプリ開発者支援サービス「Remote TestKit」の国内外マーケティングを担当。 現在はEC向けサイト内検索「goo Search Solution」の導入支援をしている。

――『goo Search Solution』の検索辞書は、自動的にアップデートされるのが特徴だそうですね。どのような仕組みなのでしょうか?

北岡 すべての仕組みをお話しすることはできないのですが、例えば、ユーザーが打ち直したキーワードの内容を人工知能が学習し、辞書をアップデートします。「NIKE」を「にけ」と入力したユーザーが、その後に「NIKE」と打ち直してコンバージョンにいたった場合、「にけ」は「NIKE」のことであると人工知能が判断するんです。そして、それ以降は「にけ」というキーワードに対して「NIKE」と同じ検索結果を出します。その他にも、キーワードの発音の音の近さなど、さまざまな要素を組み合わせて辞書を自動的にアップデートします。

越智 検索エンジンの辞書が自動でアップデートされていくのは、すごくありがたいです。しかも『goo Search Solution』は、「表記ゆれ」への対応だけでなく、ユーザーが使った新しいキーワードを記憶し、そのキーワードに合った商品を自動的に検索結果として表示してくれる機能もあります。例えば、最近だと、大きいサイズのシャツをアウターとして着るという意味の造語として「シャウター」という新しいキーワードが出てきました。こうしたキーワードの検索結果を自動的にアップデートしてくれるので、非常に助かっています。SKUが数千点に上るアパレルECでは、検索辞書を手動でチューニングするのはとても難しいですから。

フリーワード検索経由の売り上げが2倍に

――『goo Search Solution』を導入して、どのような成果が出ていますか?

越智 フリーワード検索経由の売上高が、導入前の2倍以上に増えました。その理由はとてもシンプルで、検索結果の精度が上がり、お客さまが探している商品をきちんと表示できるようになったからです。『goo Search Solution』は、弊社のECの売り上げを支えてくれています。

――「ゼロ件ヒット」をなくすことは、自社ECサイトのブランディングにおいても重要ですね。

越智 その通りだと思います。弊社は「ZOZOTOWN」など複数のモールにも出店していますが、もし自社ECサイトの検索結果のヒット件数が、モールよりも少なければ、お客さまは「ナノ・ユニバースは、自社ECサイトよりもモールで、たくさんの商品を売っている」と思うでしょう。弊社は、自社ECサイトの品ぞろえを充実させるように努めていますが、検索結果の表示件数が少なければ、その努力も無駄になってしまう。そして、品ぞろえが豊富なサイトで買いたいと考える消費者は、モールへと流れてしまう可能性が高い。これは、ブランドにとって非常に怖いことです。

EC化率は意識せず実店舗とECの融合めざす

――ナノ・ユニバースさんのEC化率を教えていただけますか?

越智 ナノ・ユニバースの単体売上高におけるEC化率は、2018年時点で43%でした。2019年は、さらに上昇すると思います。

――すでに売り上げの4割以上がECなのですね。

越智 そうですね。ただし、EC化率はあくまで結果であって、目標数値を設定しているわけではありません。EC化率が高まっているという話をすると、実店舗を軽視していると誤解されることもあるのですが、それは間違い。むしろ、最近はECを活用して、いかに実店舗の売り上げを伸ばすかを強く意識しています。実店舗のビジネスがうまくいかないと、ブランド全体としての成功はあり得ませんから。

ECを実店舗の販売促進に生かす取り組みの1つとして、アプリの商品ページのスクリーンショットを撮ると、画像に商品の型番が自動的に表示される機能をリリースしました。その画像を店舗スタッフに見せればスムーズに商品をお見せすることができます。これも、お客さまがECと実店舗を行き来することを前提とした取り組みです。

色や利用シーンで絞り込み検索はさらなる進化へ

――ナノ・ユニバースさんは、新しいサイト内検索機能を次々と実装していますね。2019年1月には、カラーバリエーションで商品を見つけやすくする機能も追加しました。

越智 はい。商品ページのサムネイル画像に、商品のカラーバリエーションの色玉(カラーチップ)を表示し、その色玉をタップするとサムネイルが切り替わる機能です。そして、絞り込み検索条件で「色」を選択すると、すべてのサムネイルがその色に統一されて表示されます。商品ページまで行かなくても、サムネイルの時点でカラーバリエーションをざっと確認できるんです。この機能も『goo Search Solution』をベースに開発しました。

――今後、どのような検索機能を計画しているのでしょうか?

越智 利用シーンで商品を絞り込める検索機能を今年4月に実装する予定です。「ビジネスシーンにも使えるカジュアルなジャケット」とか「先輩の結婚式の二次会に着ていけるドレス」など、用途で商品を探せるようにします。

北岡 実店舗の販売員が、利用シーンで商品をお薦めしてくれるようなイメージですね。

越智 そうですね。漠然と欲しいものを探しているお客さまが、求めている商品に出会えるようにする。それをサポートするために、今度もサイト内検索を改善し続けていきます。そして、いずれは、利用シーンで服を探せる体験を、店頭でも味わえるようにしたいと考えています。

――『goo Search Solution』は今後、どのような機能開発を計画しているのでしょうか。また、今後のEC業界にどのような価値を提供していくか、展望を教えてください。

北岡 これまでEC事業者さま向けに提供してきた検索機能をさらに進化させつつ、今後は音声検索や、人工知能を使ったチャットボットの支援にも力を注ぎます。弊社は、音声認識技術や人工知能などを研究している専門チームもありますので、そちらとも連携しながら、検索の新しい可能性を切り開いていきたいです。

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