なぜ今キャスティングなのか? 単品通販で年商100億円を目指すジェイフロンティアの成功事例とは
EC市場の拡大と健康志向が高まるなか、健康食品や化粧品などヘルスケア領域のEC市場は、年々競争が激しくなっている。せっかく良い商品があっても、競合との差別化に苦労している事業主も多いのではないだろうか。そんな業界で、自社ECの売上60億円以上という成功ノウハウを基に、他のEC事業主の広告運用やプロモーションの支援を行っているのが、ジェイフロンティア株式会社だ。同社のヘルスケアマーケティング事業本部 マーケティング部 インハウスマーケター 村上華子氏に、その具体的な方法や効果について伺った。
自社ECの成長を支える施策を他社にも提供
ジェイフロンティア社では、「人と社会を健康に美しく」という経営理念のもと、「健康・美容・教育・医療・医薬」のヘルスケア領域に特化して、ヘルスケアセールス事業(健康食品・化粧品のEC)、ヘルスケアマーケティング事業(BtoB)、メディカルケアセールス事業(医薬品・調剤のEC)という3つの事業を展開している。
村上:「ヘルスケアセールス事業では、『酵水素328選シリーズ』などの自社開発の健康食品のECを展開し、メディカルケアセールス事業では『ホワイピュア』などの第3類医薬品のEC展開を行い、現在の自社ECの売上は、合計60億円以上にまで成長しています。自社ECのノウハウを活かし、私が所属するヘルスケアマーケティング事業(BtoB)では、EC事業主様の商品開発や広告運用、キャスティングなどのプロモーション施策など、EC事業に関するトータル支援を行っています。
また、メディカルケアセールス事業では調剤のEC化を目指しており、オンライン診療を推進するアプリの開発や処方箋薬のデリバリーサービスなどを進めています。」
そんなジェイフロンティア社の最大の特徴は、自社ECにおける成功ノウハウを基にした支援を行っている点だ。
競合との差別化を図るための商品開発からプロモーション施策まで、EC事業のトータル支援を行っているが、なかでも目を引くのが、タレントを起用したキャスティングだ。
タレントを起用した販促施策は、いつか取り組んでみたいと考えるEC事業主も多いのではないだろうか。一方で、どこに依頼したら良いのか、またどのくらいの予算がかかるのか、分からないことが多い分野でもある。
村上:「キャスティングというと高額なイメージがあるかもしれませんが、実は一般的に想定されるほどお金がかかるものではありません。弊社では、事業主様の予算や条件を確認したうえで、それに合ったご提案をしています。また、タレント事務所と直接交渉を行っているため、中間マージンを抑え、トラブルも起こりにくくなっています。
実際にどのくらいの価格になるかは、起用するタレントや条件によるところが大きいため、まずはどういった商品をどうPRしたいのかを詳しくヒアリングさせていただき、タレントのリストアップおよび提案を行っています。ボリュームゾーンは、年間契約で1,000~1,500万円ですが、それ以下の予算で行うケースも多数あります。」
タレント起用が効果的なケースとは?
ジェイフロンティア社に相談が多いのが、成長に応じたシステムやツールのリプレイス、広告運用など一通りの施策を実施したうえで、売上が伸び悩んでいるというケース。また最近では、コロナ禍により、新たにEC事業へ取り組みたいが、予算はあっても何をしたら良いか分からないといったケースも増えているという。
村上:「キャスティングを検討されるのは、施策を一通りやりつくした、広告費をある程度使っているが獲得進捗が鈍化しているなど、次の一手を求めるフェーズの事業主様が多いです。年商規模はさまざまで一概には言えませんが、キャスティングに興味がある、はじめてだけどやってみたいといったご相談は、年商10~50億円レンジの事業主様が多くなっています。」
代理店としてだけでなく、自らもEC事業主として成長してきた実績があるジェイフロンティア社。通常、代理店はクライアントの情報を公開できないため、具体的な数字を実績として出すことが難しいのだが、ジェイフロンティア社の場合、自社ECにおいて、どのような効果があったのかを示す具体的な数字や、キャスティングにおいてどのようなタレントを起用してきたかを公開することができる。
村上:「タレントを起用したプロモーションは、非常に爆発力があります。弊社は自社商品のプロモーションにはるな愛さんや東尾理子さん、たんぽぽさんなどを起用していますが、商品PRとして記者会見を行ったり、ブログに書いていただいたりすることで、1つのブログから何千万円もの売上が1日で立つこともありました。メディア露出と兼ね合わせた戦略で圧倒的なPVを生み、流入母数が圧倒的に上がることで、それだけの効果を実現できました。」
さらに、事業主側の視点に立ち、どういった条件を押さえておくと良いかを分かったうえで事務所と交渉を行うため、事業主にとって非常に心強い。
村上:「一般的な代理店は、その分野のプロフェッショナルである一方、完全に分業されているため、各ソリューションによって代理店が異なったり、商流が増えたり、一分野における提案に偏ったりするなど、事業主様の事情よりも獲得効率に寄った提案が多いといった課題が生じがちです。弊社は、自社もEC事業主であることから、事業主様側の事情を理解した提案が可能です。
特にキャスティングに関しては、新規獲得のための広告やCRM、同梱物などにフルに使い倒す、つまり徹底的に二次利用を行うことでパフォーマンスが最大化します。しかし、そういった事業主様側の事情が加味されないと、当初の価格は安くても二次利用時に別途料金がかかったり、利用できなかったりするなど、トラブルにつながる可能性もあります。」
キャスティングと成果の関係性
キャスティングの進め方としては大きく2つのパターンがある。ひとつは、ハウススタジオなどを借りて一日がかりの撮影を行い、編集や事務所・事業主への確認を経たうえで納品するというもの。ジェイフロンティア社では、その後のLP制作や広告運用なども対応可能だ。まとめて依頼することで価格を抑えることができる。
また、最近ニーズが増えてきている、もうひとつのパターンが、タレントに自宅で商品を使ってもらい、写真を撮影してもらうという手法だ。
村上:「『愛用感』というのが最近のキーワードになっていて、LPなどに使用する素材としてのニーズが非常に多くなっています。」
そして、キャスティングの効果を見るときは、単体での費用対効果よりも「トータル」での結果を見ることが重要だという。
村上:「キャスティングはあくまでコンテンツの一つであり、ユーザーから見たときに商品・事業主様への信頼度が上がるというものです。広告の展開でいうと、タレントの有無によって素材の質が変わるため、最終的にはアフィリエイターに取り上げられやすくなるため獲得が伸びる、という効果はあります。
また、イメージの良いタレントを起用したキャスティングのPRは、結果としてLTVを上げる要因ともなります。弊社の通販チームの話では、『〇〇さんも使っている』というネームバリューは、解約阻止にも非常に有効なのだそうです。そうした意味で『トータル的』に結果を出していくことがキャスティングであるといえます。」
最強のユーザーボイスで商品の魅力を伝える
キャスティングというと、誰を使ったらよく売れるのかということが気になるかもしれない。しかし、通販が得意というタレントは一定数いるものの、誰を起用するかだけでなく、商品をどう使ってもらうのかというところが重要だという。
村上:「弊社では、タレントに本当に商品の愛用者となってもらい、結果を出してもらうことをゴールとしています。弊社の『酵水素328選 もぎたて生スムージー』という置き換えダイエットの商品でも、実際にタレントに使ってもらって痩せてもらうというところまでコミットしています。」
村上氏いわく、キャスティングは「タレントを起用した最強のユーザーボイス」だという。
村上:「大前提として法令順守で広告を展開しながらも、競合との差別化を図るためには、『商品力』と『コンテンツ』が絶対に必要だと思います。多くの事業主様は、商品力があり、想いもあるケースが非常に多い。ところがそれを伝えるための『コンテンツ』が弱いために、せっかくの商品が世の中に埋もれてしまう。非常にもったいないことだと思います。
弊社は、商品を差別化して、その良さを伝えるためのお手伝いをしたいと考えています。そのために、商品開発から広告運用、キャスティングまで、トータルでの支援を行っています。特にキャスティングは入口として分かりやすく、商品を伝えるための近道のひとつといえるのではないでしょうか。」
ジェイフロンティア社では、Webセミナーも随時開催しており、本記事では公開しきれなかった詳細や実績も紹介している。商品は良いはずなのに差別化が難しい、さまざまな施策を実施してきたけれど成長が頭打ちになっている……。そんな事業主は、ぜひ参考にしてほしい。