「新しい宅配ネットワークを目指す」読売新聞とSBSが手がけるYCお届け便とは?

ECのミカタ編集部 [PR]

株式会社読売新聞東京本社 販売局開発部 主任 布施 陽一 氏(左)
SBS即配サポート株式会社 配送事業本部 営業開発部 営業開発1課 課長 中村 正人 氏(右)

読売新聞の販売店(YC)のネットワークと、SBSグループの物流インフラを組み合わせた宅配サービス「YCお届け便」に注目が集まっている。EC物流のラストワンマイルを担う新興勢力として、配送の選択肢の1つになると期待されているためだ。「YCお届け便」とはどのようなサービスなのか。EC事業者が利用するメリットとは。読売新聞東京本社とSBS即配サポートの担当者に話を聞いた。

読売新聞の配達ネットワークとSBSの物流インフラが連携

読売新聞の配達ネットワークとSBSの物流インフラが連携

──読売新聞社とSBSグループが共同で手がけている「YCお届け便」とは、どのような配送サービスなのでしょうか。

SBS 中村氏:地域に密着した読売新聞の販売店(YC)の配達力と、SBSグループの物流ノウハウや情報システムを融合した新たな「地域密着型」配達網を実現するものです。

サービスを開始したのは2019年6月。都内の一部エリアから実験的にスタートし、現在、配送エリアは東京23区に拡大しました。対象地域を順次拡大しており、2021年以降は離島を除く東京全域と、埼玉県などへも拡大していく予定です。


──「YCお届け便」で荷物が消費者に届く流れを教えてください。

SBS 中村氏:SBSは主に荷主様への営業、荷主様の倉庫への集荷から自社仕分けセンター(TC)への幹線、方面別仕分けを実施。TCからYCへの横持ちを読売新聞が受け持ち、ラストワンマイルの配送をYCの新聞配達スタッフが担います。荷物がYCに届いたら、新聞配達スタッフがバイクや自転車で荷物を荷受人さまに届けます。ご不在の場合や配達指定日がある場合、荷物はYCにて保管します。


──読売新聞さんとSBSさんの既存のインフラを活用し、分業制で宅配事業を手がけているのですね。

SBS 中村氏:その通りです。2社が持つ資産を活用することで、ローコストオペレーションを実現しました。SBS即配サポート㈱では、2015年からEC専属便チームを立ち上げ特定荷主様の宅配業務を受託しており、全国に拠点を設け、約1800台の軽自動車を日々稼働させております。そのノウハウを「YCお届け便」に生かしています。


──「YCお届け便」ではこれまで、どのような商品を配送した実績があるのでしょうか。

読売新聞 布施氏:日用品や雑貨、アパレル、健康食品、スポーツ用品など、常温で保管できる商品を配送しています。バイクや自転車などで荷物を届けるため、現時点では140サイズ以上の大型荷物は取り扱っていません。現在は23区で1日あたり平均2000~3000件の配送実績があります。

宅配クライシスを解決するためラストワンマイル配送を開始

宅配クライシスを解決するためラストワンマイル配送を開始「YCお届け便」における荷物の動き

──「YCお届け便」を開始した背景や、2社が協業に至った経緯を教えていただけますか?

SBS 中村氏:「YCお届け便」を開始した理由の1つは、EC業界におけるラストワンマイルの課題を解決するためです。

2017年頃、配送業界が深刻な人手不足に陥り、いわゆる「宅配クライシス」が社会問題になりました。その結果、大手配送会社が送料の値上げや集荷時刻の切り上げといった厳しい条件をEC事業者に提示するケースが相次ぎました。実際、SBSグループが物流業務を受託している荷主さまからも、ラストワンマイルの配送についてご相談を受けることが沢山ありました。

SBSグループは創業以来、「お客さまのニーズに応える」ことを大切にしてきました。ラストワンマイルの配送で困っている荷主さまがいるのであれば、なんとか力になりたい。そう思っていました。
SBSグループは企業間配送やEC物流で豊富な受託実績があり、書籍、化粧品、雑貨、健康食品、生鮮食品など、さまざまな商品の保管や梱包、出荷業務を行っています。
ただ、自社インフラ(混載)でのBtoCラストワンマイル配送網は持っていませんでした。

そこで、全国に配達ネットワークを持つ読売新聞社さんと協業で「YCお届け便」を立ち上げました。

読売新聞 布施氏:読売新聞社としては、YCの新たな収益源につながるサービスを多角的に検討してきました。YCの強みは正確で丁寧な配達力です。これを、SBSの物流ノウハウや情報システムと融合することで、YCの配達網を活用した宅配事業を展開し、配達網の更なる強化に繋げられると判断しました。「YCお届け便」を事業化することは、YCのみならず、EC事業者、消費者のすべてにメリットがあると考えています。

「YCお届け便」の3つのメリット

「YCお届け便」の3つのメリット

──EC事業者が「YCお届け便」を利用するメリットは何でしょうか。

SBS 中村氏:主なメリットは3つあります。

1つ目は、荷主さまの物流コストの圧縮につながることです。「YCお届け便」は人口密度が高い都市部から展開しているため、配送効率が高く、送料を抑えることができます。荷物の保管や仕分け、伝票発行などもトータルで弊社に委託していただけば、物流費の総額をさらに下げることが可能です。120サイズ以下の小型〜中型の荷物であれば、配送料金は大手配送会社にも負けません。

2つ目のメリットは、小ロットの保管や梱包、出荷、配送にも対応できること。伝票発行や同梱物設定を荷主さまごとにカスタマイズするなど、小回りの利くサービスなので、小規模なEC事業者にも最適です。

そして3つ目のメリットは、YCの配達スタッフさんたちの接客力です。これについては布施さんから説明していただいた方が良いですね。

読売新聞 布施氏:「YCお届け便」の最大の強みは、YCの配達スタッフの丁寧な接客にあると自負しています。新聞販売店は地域住民から信頼されないと生き残れませんから、顧客に対するサービスや接客態度は、自ずと磨かれていきますし、読売新聞も各YCも研修などを通じてスタッフのマナー教育には力を入れています。そして、YCは、雨の日も風の日も、新聞を毎日欠かさず決まった時間に読者にお届けするという強い責任感と使命感を持っています。

「YCお届け便」の荷主さまからは、YCの配達スタッフの接客態度を高くご評価いただいています。「YCお届け便」の荷受人さまに対するアンケートでは、配達スタッフに対する評価として「礼儀正しい人だった」「丁寧な対応で好感が持てた」といったお褒めの言葉を多数いただきました。

配送エリアを順次拡大、配送スタッフの研修も充実

──「YCお届け便」の配送エリアを、どのように広げていく計画ですか?

SBS 中村氏:2021年には、離島を除く東京全域と埼玉県内を対象とし、2022年以降は1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に広げていく計画です。将来の全国展開も見据え、SBSグループが持つ全国の物流インフラを活用するとともに、各地の物流会社とも連携して配送エリアを拡大します。

読売新聞 布施氏:YCは東京23区内だけで約200店舗あり、全国には合計6500店舗以上あります。YCの拠点数は大手配送会社にも引けを取りません。SBSさんと連携を取りながら対象地域を順次拡大していく予定です。


──YCの配達スタッフに研修を隅々まで実施していると聞きました。

読売新聞 布施氏:おっしゃる通りです。配達スタッフに対する研修には、とても力を入れています。「YCお届け便」に加わるYCには徹底した事前研修を実施し、荷受人さまとの会話や接客、配送業務のシミュレーションも行い万全な体制を整えています。

SBS 中村氏:荷受人さまからの問い合わせに対応するコールセンターを設け、トラブルがあれば即座に対応した上で、現場にフィードバックする仕組みも整えました。

これまで深刻なクレームが寄せられたことはほとんどありません。配達スタッフの皆さんは仕事への意識が高く、丁寧に仕事に取り組んでいます。

配送会社の選択肢を増やしてリスクヘッジを

配送会社の選択肢を増やしてリスクヘッジを

──荷物の保管から梱包、拠点間配送、ラストワンマイルまでワンストップで行い、販促支援まで行える「YCお届け便」は、EC物流に一石を投じそうです。

SBS 中村氏:私たちは、物流や宅配で困っている企業のニーズに寄り添い、お応えできる可能性を企業様と共に探り新たな価値を創造したいと思っています。

現在の宅配業界は大手3社の寡占状態にあり、送料などの交渉の主導権を配送会社が握っています。配送会社に対する交渉力を高め、送料値上げのリスクを下げるには、配送の選択肢を増やすことが必要ではないでしょうか。

荷物のサイズや配送エリアごとに配送会社を使い分けることは、ここ最近ではスタンダードになってきております。EC市場は拡大を続けており、日本国内の宅配便の配送件数は今後も増えていく見通しです。2度目、3度目の宅配クライシスが起きても不思議ではありません。将来に備える意味でも、配送の選択肢を持っておくことは重要だと思います。

読売新聞 布施氏:地域に密着した拠点を持ち地域を知り尽くしたスタッフがラストワンマイルを担う「YCお届け便」は、荷主さまから選んでいただけるサービスだと自負しています。中村さんがおっしゃったように、配送の選択肢の1つとして「YCお届け便」を活用していただきたいです。大手3社とは違う、新しい宅配ネットワークを構築し、ラストワンマイルの課題解決に挑戦していきます。

また、地域密着の「YCお届け便」によって新しい配送インフラが増えれば、雇用や地域経済の活性化にもつながるはずです。EC業界、YC、地域が共に繁栄するビジネスを実現したいです。

早朝のポストインなど新サービスも検討

──「YCお届け便」の今後の展望をお聞かせください。

読売新聞 布施氏:得意分野である定期配送商品や新聞を毎日、いっせいに数百万世帯に届ける配達力を生かした早朝のポストインサービスなど、既存の配送会社には真似が出来ないサービスにも挑戦したいです。

また、YCは新聞販売店ですから、新聞折込チラシやDMのポスティングなど、紙媒体と連動したECの販促プロモーションを展開することも可能です。配送から販促支援まで行えるYCの強みを生かし、荷主さまから選ばれるサービスを目指します。

SBS 中村氏:ポストインの配送は荷主さまからのニーズがあるので、将来的には「YCお届け便」のメニューに加えられたら良いですね。YCとSBSの強みを生かせば、これまでにない物流サービスを実現できると思っています。「YCお届け便」は始まったばかりのサービスです。まだまだ進化していきますのでご期待ください。

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