Instagramで伝える“使用感”。美容家電ブランドSALONIAのSNS活用方法とは?

森田春香

EC運営にSNSを活用した施策は、事業成長に不可欠の要素といっても過言ではないだろう。特に10代、20代を中心とした若者層をメインターゲットとした商材を扱うEC事業者であれば、なおさらその重要性は高まる。

活用できるSNSツールも、Facebook、Instagram、Twitter、LINEなどをはじめとして多様化しているが、Instagramの場合は、とりわけコスメやファッション系商材に強いといわれ、当該分野の商材を扱うブランドやEC事業者は、その活用にしのぎを削っている。

美容家電ブランドとして、若い女性層を中心に人気を博しているSALONIAも、Instagramを上手に活用して急成長を遂げているブランドのひとつである。同ブランドの古木氏、山下氏のお二人にInstagramの活用方法についてうかがった。

“BEAUTY is simple”がコンセプト。美容家電ブランドとして成長し続けるSALONIA

――SALONIAについてお教えください。

古木:SALONIAは、2012年に立ち上がった美容家電ブランドで、ヘアアイロン、ドライヤーに加えて、美顔器なども手掛けています。おかげさまで、2年連続で“ヘアアイロン売上シェア日本一”を記録するなど、着実に成長しています。

SALONIAでは、“BEAUTY is simple”というブランドコンセプトを掲げています。多くの方々に美容をシンプルに楽しんでいただくことができるようにという想いを込めて、ブランド展開を進めています。

美容家電には様々な機能が搭載されている機種もありますが、多機能であるがゆえにどう使っていいかわからないという悩みも生まれているようです。

SALONIAの美容家電は、シンプルな機能で使いやすいことを重視しています。また、見た目がスタイリッシュだという点も、お客様からは高くご評価いただいています。

――美容家電市場は、大手家電メーカーなども参入しており、競争が激しいのではないでしょうか。

古木:確かに、競合には大手家電メーカー様が多いです。しかし、戦略次第で十分に成長可能な市場だと考えています。SALONIAでは、商材にもよりますが20代女性をコアターゲットに設定しています。ただ実際には、10代後半などの若い層の方々にも使っていただいています。コストパフォーマンスの面でご満足いただくことが多いため、若年層の方にも手が取りやすいことが理由の一つかと思います。

今後は、10代、20代だけでなく、30代にまでターゲットを広げたいと考えています。商品のラインナップ展開を強化し、ブランドの認知向上にも努めたいと思っています。

Instagramは、LPだけでは伝えきれないブランドの世界観を発信しやすい

Instagramのフィード投稿は全体的にまとまりがあり、世界観を感じられる

――Instagramの活用について、お聞かせください。

山下氏 Instagramのアカウント自体は2015年5月に取得して、Instagramの活用をスタートさせています。本格的に取り組むようになったのは、ほんの2~3年ほど前のことです。 弊社ではブランドチームとSNSチームがあり、双方がアイディアや意見を出し合ってどんなコンテンツをどう配信していくか、ということを決めています。

Instagramは日々新しい機能が追加され、またトレンドなどの入れ替わりも早いという特性があります。そのため日々新しい見せ方を研究し、試行錯誤を重ねています。
 
実は、美容家電ブランドでInstagramに注力しているところは少ないのではないかと思っています。美容家電では、“使用感”を適切に伝えることが重要だと考えていますが、たとえば美顔器などの場合、オンライン上で使用感を伝えることが難しかったりします。しかし、ヘアアイロンの場合には、比較的に“使用感”を伝えやすかったので、ヘアアイロンを軸にInstagramを活用しています。

また、ヘアアイロンなどの美容家電は、1回購入すれば、そうそう買い替えるような商材ではありません。ですから、購入前にはブランドを調べたり、あるブランドのInstagramをフォローしたりすることはあるでしょうが、購入してしまえばそれでおしまいになるのではないかと思っていました。

しかし実際には、フォローしていただている方の約8割がSALONIAの使用経験のある方だったのです。その上でフォローしてくださっているわけで、そういう意味では“ファン”になっていただいているということです。

古木氏 またSALONIAユーザーの方は、ヘアアイロンを2本3本と複数本、お持ちいただいている方が多いのも、特徴のひとつです。

低価格のため買いやすいというところが、影響しているのかもしれません。多くの方が、自宅用と旅行用など、用途ごとに使い分けていただているようです。これは、SALONIAならではの強みといえるかもしません。

――Twitterなど、ほかのSNSではなく、Instagramに注力する理由はどのような点ですか。

山下氏 ひとつ大きいのは、10〜30代は商品検索などに関してもInstagramを利用している方が多いということがあります。もはや、検索エンジンよりもInstagramでの検索頻度の方が高いのではないかと思うほどです。

また、他のSNSに比較して、ブランドの世界観を発信しやすいという利点があります。当然デジタルのプロモーションでは、LP(ランディングページ)に誘導してそこで商品を紹介するという流れがありますが、InstagramではLPだけではおぎない切れない世界観を発信できて、かつ盛り上がり感も醸成できます。

特にSALONIAは、ブランド・イメージや、カラーバリエーションの豊富さを含むデザイン性のアピールなどを重視しているので、よりユーザーの感情に訴えかけやすいInstagramの方が、Twitterなどよりは当社の顧客層にマッチしていると考えています。

ストーリーズで実現する「カジュアルなコミュニケーション」。アンケート機能も有効に活用

――具体的には、どんなInstagramの機能などを活用していますか。

山下氏 Instagramの機能についてはいろいろと活用していますが、まとめ(ガイド)機能と、ストーリーズでの2択アンケートをよく活用しています。

SALONIAユーザーの方からは、とてもおしゃれな画像や動画を投稿いただくことが多いので、それらをまとめ(ガイド)機能で集約し、ミニブログのように閲覧していただけるようにしています。

また、顧客からのリアクションがいいのが、ストーリーズの中で実施している二択アンケートです。「あなたはどっち派!?」、「○○したことはありますか?」といった2択で回答できるアンケートを月に1~2回実施しているのですが、回答率も高く貴重なコンテンツになっています。

ストーリーズでの2択アンケートはユーザーの求めているものがわかる、貴重なコンテンツだ

「○○をどう思いますか?」みたいな質問だと、まとまったコメントを書く必要があるので、そういうアンケートは敬遠されがちですが、二択だと簡単に答えられるし、“みんなはどっちなんだろう”ということが、すごく気になるみたいです。

こうしたことがきっかけで、ユーザー同士、またユーザーとSALONIAの間に一体感が生まれますし、さらにSALONIAのInstagramをもっと楽しんでもらえるといいなと思っています。

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