インボイス制度も怖くない? BtoB決済サービスで法令対応への準備を急ごう【セミナーレポート】

ECのミカタ編集部 [PR]

コロナ禍を経て注目度の高まる、BtoB-EC。その導入により、FAXや電話で行っていた受注管理など各業務フローがデジタル化され、大幅な効率化がもたらされることは、前回の記事でレポートした通りだ。

今回注目したいのは、BtoBにおける決済サービス。今まで「紙」が主体だった請求業務は、これらのサービスの出現により、今日の法令に合わせながら、どのようなアップデートが可能となるのだろうか。

続編となる本稿では、「キープレイヤーが語る!法改正で変化する請求・決済業務のあり方とBtoB-ECを取り組むべき3つの理由とは?」の内容をお伝えしたい。今年改正されたばかりの「電子帳簿保存法」と2023年10月から始まる「インボイス制度」を踏まえ、BtoB-ECにおける決済業務の課題と各法令への対応を、キープレイヤー3社のパネルディスカッションを通じて探る。


<登壇者>
・株式会社Dai 取締役 B2BソリューションDiv. マネージャー 鵜飼智史氏(ファシリテーター)
・マネーフォワードケッサイ株式会社 決済事業部本部 営業部 部長 岡本創氏
・株式会社ラクーンフィナンシャル Paid推進部長 執行役員 及川哲哉氏

「掛売り」のニーズに対応。BtoBの決済サービスとは?

「BtoBの決済サービスを知っているという人は、挙手をしていただけますか?」

冒頭で株式会社Daiの鵜飼氏が尋ねると、参加者の一部が手を挙げた。全員には至らず、BtoB決済サービスの認知度はまだ充分に高いとは言えない状況だ。

この決済サービスについて解説する前に、講演では盛り上がりを見せるBtoB-ECの現状を振り返った。BtoC-ECと比較すると、BtoB-ECの市場規模はおよそ17.4倍の約334兆円にも上り、EC化率も約8倍の33.5%と高い数字を記録。拡大傾向は、コロナ禍によるデジタル化需要の高まりにより一層強くなっており、株式会社Daiの「Bカート」の導入数も、株式会社ラクーンホールディングスの「スーパーデリバリー」の出展企業数も右肩上がりで伸び続けている。

こうした状況を受けて、決済業務においても業務負荷の削減が期待されている。ただし、BtoCの場合とは違い、単純にデジタル化すれば完了とはいかない事情もある。
BtoB決済では、代引きや前金よりも「掛売り」のニーズが高いことや、小口や個人事業主の取引先の与信を取ることが難しいなどの背景があり、一筋縄ではいかない。ここでクレジットカード決済ではダメなのか?との疑問も浮かぶが、日本では法人カードの普及率が低く、また手数料もかかることから、依然として請求書払いへのニーズは高い。
こうした課題に応え、解決策を提供するのがBtoB決済サービスだ。

与信審査も代行。効率化がさまざまなメリットをもたらす

例えば、「マネーフォワード ケッサイ」では、掛売りに必要な与信審査・請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求にかかわるすべてのプロセス代行を実現する。

岡本氏は、ある雑貨・インテリア・食品卸企業の事例を挙げながら、今までFAXで行っていた受注業務を「Bカート」に、郵送対応していた請求書処理を「マネーフォワード ケッサイ」に変えたことで、コロナ禍で必須のリモートワークが可能になったことと、その効果について話す。「紙」の扱いが減ることで出社回数が削減できたことに加え、業務効率化により従業員がよりクリエイティブな業務に時間を割けるようになり、会社へのロイヤリティも向上したそうだ。

また株式会社ラクーンフィナンシャルの企業間決済「Paid」も与信審査や請求書発行、代金回収や入金管理を代行している。及川氏は、「Paid」を導入した介護系企業を挙げながら、与信での取りこぼしが減ったことで取引先が増加し、請求業務の負担が大幅に減ったと成功例を解説。

鵜飼氏はこれらを「決済を軸に、さまざまな解決策がもたらされる例だ」とまとめた。

「電子帳簿保存法」と「インボイス制度」は、何を変える?

では電子請求にすれば、問題はすべて解決するのだろうか?
実際のところ、BtoB決済を導入し電子請求にするだけでは、すべての問題を解決することはできないのが現実である。昨今は今年1月に「電子帳簿保存法」が改正されたことに加え、2023年10月から「インボイス制度」も開始されることから、これらを踏まえた対応を行う必要が出てくる。

改正後の「電子帳簿保存法」では、紙で発行された請求書は、1)受領側も紙の形態で原本を7年間保存することが義務づけられている。受け取った原本を2)スキャンしてPDF保存することも可能だが、いずれもスキャニングや紙原本の保管などは大きな手間とコストになる。そこで、第3の選択肢となるのがメールやWEBによる3)電子請求だ。

岡本氏によると、請求業務のコストは、送付・受領ともに電子請求で大幅に減ると言う。「電子帳簿保存法」では、電子データで送った請求書は、受領した側もデータの形態のみで保存することが求められるため、相手先への配慮も必要になりつつも、今このタイミングでデジタル化することのメリットは大きいと考えられる。

また、インボイス制度では、売り手側(適格請求書発行事業者)は税務署への事前登録が必要となるほか、請求書の掲載内容・形式が変わる。このため、決済サービスを選ぶ際には、税計算の端数処理などに対して対応済みかどうかをしっかりと確認することが大切だ。「マネーフォワード ケッサイ」や「Paid」では、適格請求書の発行や税計算に関しても対応を予定・検討している。

ポイントはEC・請求のクラウドサービスを「外付け」すること

このように、「電子帳簿保存法」と「インボイス制度」には、対応が急がれる。しかし、その一方で問題を認識していない企業も多いと言う。

鵜飼氏は、「基幹システムのカスタマイズで対応することは、コスト面でも時間的にも無理がある」と指摘する。特に、さまざまな変更が発生する「インボイス制度」の開始までは、約1年半。大規模なシステム開発には時間が足りないため、そうした体制構築よりも、基幹システムに「EC」や「請求」のクラウドサービスを外付けすることで対応していくことがベストであると結論づけた。

今後のBtoB-ECでは、法令に対応したデジタルな業務フローを構築しながら、そこに受発注システムやBtoB決済などのクラウドサービスを組み合わせ、新規顧客を開拓できる体制をつくっていくことが鍵となる、と鵜飼氏が総括しパネルディスカッションは終了した。

コロナ禍のような未曾有の事態や、予期せぬ法令の改正や施行は、企業にとって大きな負担となることは事実ではある。しかし、パネルディスカッションでも議論されたように、そんな「今こそ」、BtoB-ECやクラウドサービスの導入によるデジタル化を行うことが、進化を遂げる転機にもなる。各法令のポイントを押さえながら、今後BtoB-ECや決済サービス導入の検討を急ぐことを、各社におすすめしたい。


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