多様化する顧客行動に適切に対応し、価値ある顧客体験を
これまでECのWebマーケティングで重要だったサードパーティーCookieの利用が、個人情報保護の観点から規制され、またECサイトへの流入を促進するデジタルチャネルの多様化などが、EC事業者のWeb接客戦略に大きな変革を迫っている。Web接客ツール「WhatYa(ワチャ)」を展開する株式会社空色の中嶋代表に話を伺った。
サードパーティーCookieの規制、ユーザーを取り巻くデジタルチャネルの変化がもたらすインパクト
今日のECを取り巻く環境は大きな変革期にあります。
大きなインパクトをもたらす変化としては、サードパーティーCookieの利用規制が挙げられます。
日本では、2022年4月施行の改正情報保護法で、一部サードパーティーCookieの利用規制が施行され、将来的には明確な同意を得られなければ、Cookie情報は利用できなくなります。
そのため、EC事業者の多くは、Cookieを使わな
いデジタルマーケティングへの移行を余儀なくされています。
また数年前から、消費者を取り巻くデジタルチャネルも大きく変化しています。今日では、TikTokやInstagram、Facebook、YouTube、Twitter、LINEなど多様化しています。EC事業者としても、こうしたSNSを活用することに余念がありませんが、自社サイトへの流入までのジャーニー設計まで描ききれていないケースは多くあります。また、どのデジタルチャネルの滞在ページからの流入かによって、消費者側の動機や関心などが違っています。そのため、本来であれば、どの顧客が、どのデジタルチャネルからの流入なのかによって、提供すべき情報や顧客体験のフレキシブルな可変が必要です。
しかし現状では、そうしたハイエンドの接客ができているECサイトは少ないと言わざるを得ません。
顧客ごとにカスタマージャーニーを設計し、顧客ニーズに即した購買体験の提供が、これからの新セオリーとなる
このような環境下では、例えば、来訪者のサイト内の回遊行動などをベースに、行動にマッチしたコミュニケーションや、提供する顧客体験を切り替えたり、あるいは、どのデジタルチャネルからの流入客なのかによって、サイト来訪時の体験を切り替えたりといった、ジャーニー別・流入チャネル別の体験設計を用意することが、コンバージョン向上に大きく貢献する施策になるでしょう。
ECサイト内にチャットボットを導入し、顧客の購買体験をサポートするケースが増えていますが、その多くは画一的なコミュニケーションに終始しています。来訪直後に「お困りごとはありませんか?」と問いかけ、特定の商品を閲覧している時にも「お困りごとはありませんか?」と問いかける。こんな接客では、顧客体験の向上にはつながりません。
当社が提供しているWeb接客ツール「WhatYa(ワチャ)」は、元々はAI型の接客チャットボットでしたが、既に触れたようなEC市場の変化に対応すべく、顧客ごとのサイト内の行動・回遊実績に合わせてコミュニケーションを設計し、顧客体験をニーズに応じて切り替えることで、最終のコンバージョンに誘導できるツールです。こうしたツールを活用して、戦略的なWeb接客を実現することが求められているのです。
ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~
本記事は、2022年3月31日に発行された冊子「ECのミカタ通信vol.23」に収録されています。
EC事業者皆様の、今後の”あるべき姿”を追求するテーマの第一弾として、特に「集客・接客」について多くの取材記事を掲載しています。
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