顧客体験を向上させる、 未来の広告とSNSの在り方とは

ECのミカタ編集部

顧客体験を向上させる、 未来の広告とSNSの在り方とは アライドアーキテクツ株式会社
取締役 兼 CPO
村岡 弥真人
Yamato Muraoka

近年、CPAの急騰やメディアによる出稿審査の厳格化などによって、これまでの打ち手が通用しなくなってきている。広告を取り巻く環境が激変する中、EC事業者はいかにして顧客体験を向上すればいいのか。変化を迫られている広告運用やSNS対応について、アライドアーキテクツ株式会社 取締役 兼 CPO 村岡弥真人氏に伺った。

顧客体験を向上させるための 広告の方向性

近年、出稿単価の上昇に加えて、メディアの審査が非常に厳しくなり、従来の勝ちクリエイティブが使えなくなっています。その結果、ギミックで釣るというよりは、顧客のインサイトを理解し、マーケティングによってユーザーの根本的な欲求や興味を引き出すコミュニケーション設計が求められています。

「広告」というとペイドメディアのことだと思いがちですが、最近はブランドサイトやSNS アカウント、ランディングページなどが複合的に広告施策として認識されるようになってきています。顧客体験の向上には、ペイド以外の部分での最適なコミュニケーションや、ユーザーのインサイトに応じた細やかなクリエイティブの設計が必須になっています。

クリエイティブ運用には設計・企画、制作、効果計測、改善というフェーズがありますが、制作のフェーズだけが注目されがちです。決裁者やマネジメント層は、設計・企画、効果計測、改善も含めてPDCAを回していける環境を整えることを意識した方がいいと思います。

自社でクリエイティブを 運用するためのポイント

一番大事なのは、クリエイティブ制作を属人化させないことです。

訴求枯れを起こさないようにするためには、顧客の声を集約する仕組みを作って、全員が常に顧客の情報に触れている状態にすることが大切です。また、最新のトレンドや他社の傾向などをパートナーやメディアから仕入れて、ノウハウを吸収することも欠かせません。

地道にA/Bテストをしてクリエイティブを量産するという観点では、SaaS型の制作ツールの導入もソリューションの一つです。ディレクターがアイデアを思いついた瞬間に、自分でクリエイティブを作れば発案から30分でリリースできるという、一種の革命が起きています。

ECの広告におけるSNSの役割

SNSには膨大なお客様の声が集まっています。SNSと向き合う際は「どんなコミュニケーションをしたら気持ち良くツイートしてくれるのかな」「どういう瞬間に写真を撮ってInstagramでシェアしたいと思うのかな」という発想が一番大切です。投稿することが目的ではなく、投稿を見たお客様がどのような態度になるかを考えたり、想像したりするべきなんです。

ほとんどの企業ができていませんが、SNS を「発信する媒体」ではなく、「発信してもらう媒体」として捉えて、ブランドコミュニケーションを設計することが極めて大切です。

ECのミカタ通信vol.23 ~変化を遂げたEC市場!今後の”あるべき姿”とは~

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