株式会社Wacworks 代表取締役社長 CEO 舟瀬悠氏

「売上が伸びない」「売上を伸ばそうにもリソースが足りない」と悩んでいるEC事業者は多いだろう。EC事業者の成果改善に向けて、「プロのフリーランス集団」であることを武器にする企業がある。「フリーランス集団」だからできるECコンサルティングサービスとはどのようなものか、株式会社Wacworks 代表取締役社長 CEO 舟瀬悠氏に聞いた。

コンサル、サイト構築、運営・広告運用代行も！　総合的にWeb戦略展開

――まずはWacworksの事業・サービスの内容についてお聞かせください。

ECのコンサルティングをメインに活動し、ECのWebマーケティング全般を支援しています。自社ECはもちろん、楽天市場やYahoo!ショッピング、AmazonといったECモールにも対応しており、コンサルティングからサイト構築・リニューアル、EC運営代行、広告運用代行までカバーしているので、EC事業のWeb戦略をトータルで任せていただけます。

――御社には、EC事業者からどのような課題や悩みが寄せられますか。

大きく2つに分けられますね。1つはシンプルに「売上・利益が伸びない」という悩みです。いろいろと頑張ってきたものの、施策に行き詰まって、「これ以上自力で伸ばすのは難しい」と感じている事業者が多いです。もう1つは「リソース不足」。やるべきことをやるために、足りないリソースを補填したいというニーズですね。

事業者の現状・ニーズに合わせてサービス内容をカスタマイズできるという

圧倒的なスピード感かつ施策に制限を設けない柔軟性

――どちらの悩みも多そうですが、リソース不足は喫緊の課題と言えそうです。その点、御社ではどのようにソリューションを提示しているのでしょう。

当社の特徴の1つが、フリーランスで組織を構築していることです。一定以上のスキルを持った、なおかつECの各領域のプロフェッショナルがスタッフとして揃っています。ですので施策に制限がなく、「それはできません」「そのリソースはありません」とお断りすることがほとんどありません。また、当社はあえてサービスをパッケージ化しない方針で、各EC事業者の現状・ニーズに合わせてサービス内容をカスタマイズできます。ですので「この業務はパッケージに含まれない」ということがなく、フレキシブルに対応できます。これは当社の強みだと思っています。

――コンサルティングサービスにおいて、御社だからできることはありますか。

まず幅広い視点で施策ができることが挙げられます。事業の相談に乗ったり、商品開発まで踏み込んだりすることもあり、施策に制限を設けずに本質的なところから成果を改善していこうとする点が他社と違うところではないでしょうか。「誰に何を届けたいのか」といったコンセプトワークから入ることも多いんです。

また、「圧倒的なスピード感」も大きいですね。当社サービスを利用されたEC事業者からも、「他社で1週間かかる施策がWacworksなら2～3日でできる」と褒めていただいています。フリーランスには「定時」の概念もありませんし、365日仕事のことばかり考えているような“仕事好き”メンバーが集まっているので、「フレキシブルに動いてくれるし、1カ月にやってくれる施策の量もスピードも全然違うよね」と、事業拡大に向けてスピーディーにPDCAを回せる点が評価されています。

コンセプト見直しで新たな市場を開拓した例も

――戦略やコンセプトの見直しから入ることも多いとのことですが、すでに一定の売上があるEC事業者でも、見直しが必要なケースはありますか。

非常に多いですね。商品力があればそれなりに売れますが、いつかは頭打ちになります。そのような場合は、見せ方を見直すことで市場が広がることも少なくありません。実際に、新規獲得に伸び悩んでいたサプリメントのコンセプトを見直して、妊婦向けのサプリとしてリニューアルしたところ、新規獲得が活性化した事例もあります。

――「フリーランス集団」であることがWacworksの特徴の1つですが、なぜフリーランスを起用することになったのでしょうか。

会社員のECコンサルタントは、自分が出す売上に対する報酬が非常に低いのが現実です。ECコンサルティングは個人でもできる仕事なので、今後会社組織に残る優秀なECコンサルタントはどんどん減っていくでしょう。そこで、「独立して自分のスキルと収入を最大化したいECコンサルタントの受け皿になる組織を作れば、当社に一番優秀な人材が集まるのでは」と考えました。ただ、「フリーランス」という形を絶対視しているわけではありません。あくまでも「結果」が出ることを最重視し、結果が出せるスキルとマインドを持った人材を採用したら、彼らが希望する働き方がフリーランスだったというだけです。

「本気で現状を変えたいと思っているEC事業者とお付き合いがしたい」と語る舟瀬氏

「変革のきっかけになりたい」

――今後、どのようなEC事業者に御社のサービスを利用してもらいたいですか。

本音を言うなら、本気で「現状を変えたい」と思っているEC事業者とお付き合いがしたいです。ECコンサルタントは現状をより良くする、いわば「改善」の動きをする人が多いですが、私が本当にやりたいのはブランディングやコンセプトから全部変えてしまうような「変革」の動きです。昨対比120％を目標にするのが「改善」だとしたら、一気に200％、あるいは300％を目指すのが「変革」です。もちろん後者のほうが難易度は高いですが、多少リスクを取ってでも大きな結果を追求したいEC事業者と一緒に、成長していきたいですね。

――今後、会社として目指す姿や実現したいことは何でしょうか。

業界内で認められる存在になり、ECコンサルティング会社としてのフリーランス組織を確立すること。EC事業者に対しては、当社が「変革のきっかけ」になりたいと考えています。実際に、当社が支援をして、アクションプランが明確になったことで組織が大きく変わり、「売上を上げる」という目標に一丸となって向かっていけるようになった企業もあります。「Wacworksと一緒にやってすごく売上が上がったよね」と言ってくれるEC事業者を1社でも多く増やしていきたいです。