大事なのは商材よりも「ストーリー」 今後のライブコマースの活用法と可能性は

ECのミカタ編集部 [PR]

世界的にライブコマースが拡大する中、興味はあるもののなかなか踏み出せていない事業者も多いのではないだろうか。スウェーデン発のライブコマースのリーディングカンパニーであるBumbuserは「今後伸びる市場は日本」だという。Bambuser Japan合同会社 APAC事業開発部長 ハルベルグ彩氏に、日本におけるライブコマースの可能性や成果の出る活用法などを聞いた。

「ライブ」に限らない、広がるビデオコマースの可能性

──まず、ライブコマースとはどのようなものか、特徴やメリットを教えてください。

2010年代半ば、中国からEコマースに動画を活用する動きが始まりました。それによって、配信者とユーザー間でリアルタイムかつインタラクティブなコミュニケーションが取れるようになり、オンラインでのお買い物がエンターテイメントになりました。今やビデオコマースはヨーロッパやアメリカなど世界各地に広がっています。

当社は最近、「ライブコマース」の代わりに「ビデオコマース」という言葉を使っているのですが、その背景として、ライブ動画のアーカイブをオンデマンドで視聴する動きが広がっていることがあります。実際に、当社のクライアントにおいて、視聴数とコンバージョンともに、その約80%がアーカイブ動画経由になっており、ライブだけでなくアーカイブを含めた「動画(ビデオ)」で売る、伝える、ということが重要視されています。

──Bambuserが注目している、今後伸びそうな市場はありますか?

まさに日本です。現状ではビデオコマースの活用がやや遅れていますが、先進的な考えを持った企業や、動画活用でオフライン(実店舗)とオンライン(EC)の境界をできるだけ取り払うことに先行して取り組んでいる企業は大成功しています。動画が日常生活に欠かせないものになっている今、ビデオコマースはショッピングチャネルとしても、ブランドメディアとしても、ユーザー体験としても必要不可欠なので、日本のビデオコマース市場は今後必ず伸びていくはずです。

実は日本人と親和性の高いライブコマース

──現状、日本におけるライブコマースの課題はどんなところにあるのでしょうか?

完璧にやろうとするあまり、ライブ配信へのハードルが高くなってしまっていることです。欧米企業の場合、大きなブランドでも、スマホ1台で1人でライブ配信をしているケースが少なくありませんが、日本企業は制作会社や撮影隊を入れて、台本を用意して、リハーサルを何度も繰り返してようやく配信という流れになることが多いです。

「完璧でなくても、まずはやってみて、やりながら改善していこう」というスタンスの企業のほうが、成功への近道を進んでいるように見えますし、多少のハプニングは逆にネタにしてしまうくらいの方が視聴者も気軽に楽しめるので、完璧主義をいかに崩していくかが課題だと感じています。ライブ配信にどうしても抵抗がある場合は、事前に収録・編集した動画を使用することも可能ですので、ぜひチャレンジしていただきたいですね。

──日本ではライブコマースが盛り上がりにくいと感じている人もいるのではないでしょうか?

確かに、シャイな国民性からか、Likeやコメントなど、わかりやすい反応がすぐには返ってこない傾向にあります。ただ、データを見ると、「コメント率は低くても投票機能への参加率は高い」「諸外国と比べて平均視聴時間が長い」など、ライブ配信をよりじっくりと視聴し、楽しんでもらえているように感じます。「推し」文化があるように、日本人は自分が好きなものを「応援したい」「もっと知りたい」いう意識が強いので、実はライブ配信は国民性に合っているんです。

「完璧にやろうとするあまり、ライブ配信へのハードルが高くなっている」とハルベルグ氏

カスタマイズ性の高さとコンバージョンへの導線が強み

──Bambuser社の事業内容やサービス内容を教えてください。

2007年にスウェーデンで設立されたライブコマースのリーディングカンパニーで、「One-to-One(Personal Video Commerce)」「One-to-Many(Social Video Commerce)」の2つのソリューションを提供しています。「One-to-One」は、個別のユーザーに店舗と変わらないパーソナルなオンライン接客サービスを提供できるツールであり、「One-to-Many」はパブリックもしくはクローズドの環境で、オンラインで複数のユーザーとコミュニケーションを取りながらライブ動画もしくは収録済み動画を配信することができるライブコマースツールです。

当社がライブコマース事業に参入したのは2019年のことですが、2007年からジャーナリズムの分野でライブ配信技術を磨いてきたので、通信品質には定評があります。CEOをはじめ、役員の半数以上が女性で、多様性に富んだフラットな企業であることから、新しいアイデアや製品、サービスの改善がスピーディーに反映される環境も強みとなっています。

──特に「One-to-Many」について、Bambuserならではの特徴や強みをお聞かせください。

最大の特徴のひとつが、カスタマイズ性の高さです。ブランドの世界観を保てるよう、お客様のECサイトに合わせて、動画プレイヤーのアイコンやロゴ、カラー、フォントなどをカスタマイズできます。ブランドメディアとして活用していただきたいという想いがあるので、あるECサイトでショッピング動画を観ても、それがBambuserのソリューションだとわからないようにするのが私達の狙いです。あくまでブランドサイトの一部に見えるように、動画プレイヤーのデザインや挙動をブランディングさせていただいております。

他社ツールにあまり見られない機能として、2画面配信が挙げられます。これによって、例えば東京と北海道の支店にいる2人が同時に一つのライブ配信で会話をしながらMCになることができます。

また、新たな機能として非常に重要なものの一つが自動字幕生成機能です。2024年4月に施行されるウェブアクセシビリティ法を受けて開発したこちらの機能ですが、ライブ配信中でも演者の発した言葉が全て自動で字幕生成され、またアーカイブ版に関しては字幕の編集も可能です。より多くの方々に配信を楽しんでいただくためには欠かせない、必須の機能であると言えます。

購買への導線も非常にスムーズで、ライブで紹介している商品の詳細情報や複数の画像、サイズ・カラー選択のプルダウンをBambuserプレイヤーに表示させ、そのままネイティブのカートに商品を入れるようにすることも可能です。

クライアント様全体のOne-to-Manyの平均コンバージョン率は10%で、インスタライブだけをやっていたときに比べてコンバージョンが20倍になったという企業様や、ROIが4桁にのぼっているとおっしゃってくださる企業様もいらっしゃいます。

導入企業様からは、「スマホと三脚があればできるので、手軽に高品質なライブ配信が行える」「Cookieが軽く、サイトスピードに影響しないのがとてもいい」といったお声もいただいています。

──導入時のサポートはどのようになっていますか?

導入にあたっては、専任のカスタマーサクセスマネジャーがオンボーディングからコンサルティング、技術的サポートなどを提供しています。Bambuserをご利用いただく限り、支援は導入後もずっと続くので、二人三脚で継続的な成果向上に取り組める態勢が整っています。

大事なのは商材の種類よりも「ストーリー」

──どのような企業がBambuserを活用して成果を上げているのでしょうか。

国内でお名前が出せる企業ではアダストリア様、ベイクルーズ様、ほぼ日様、LVMHグループ様、資生堂様、クラランス様、ダイソン様などにご活用いただいており、ベイクルーズ様は平均コンバージョン率が22%に達しています。

現時点ではファッション業界や美容業界での導入事例が多いものの、食品、日用品、文房具、家電などどんな商材でも活用できます。商材の種類というよりも、そこにどれだけ語れる想いやストーリーがあるかが重要で、ショッピングチャネルとしてだけでなく、消費者を教育するエデュケーションチャネルや、ブランド自体のファンコミュニティを拡大するためのブランド・メディアとしてもお使いいただけます。

商品の使い方をデモンストレーションする、製造工程を見せる、ブランドの歴史や製品誕生の裏側を紹介するなど、ストーリーが伝わる風景を見せられるのであれば、必ずしもカメラの前でただ喋り続ける必要はありません。ライブコマースは自由なので、型にはまらずに使っていただきたいですね。


──今後のBambuser社の展望をお聞かせください。

Bumbuserは「Reshaping Commerce(コマースの革新)」をミッションとして掲げています。オンライン上であっても動画を通して店頭スタッフさんやマーケティング担当者さんといった製品のエキスパートの方々の存在を加えることで、人と人との感情が接する買い物体験をしていただき、オンラインとオフラインの橋渡しとなることを目指しています。日本法人としては、日本の企業を応援して、日本製品の良さを世界に広めていきたいですね。

お悩みに合わせたコンサルティングやプレイヤーのブランディングなど、業界、企業規模の大小や目的にかかわらず、それぞれのお客様に合ったテーラーメードなサービスを提供いたします。各企業様が思い描く形でBambuserをお使いいただけるよう、全力でサポートいたします!

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