20万人の“リアルな声”をコンサルに活用 〈数値分析×アンケート調査〉でECを改善
FORCE-R株式会社が新サービス「Commerce INSIGHT./PROJECT.」をリリース。このサービスは、コンサルティング業界の常識を変えるかもしれない。コンサルタントの分析だけでは見つけられない本質的な課題を、クライアントごとに厳選した調査モニターにアンケートをとる定性調査であぶり出し、ECサイトの売上拡大を支援するという。同社COOの高尾徹氏に詳細を聞いた。
顧客の売上最大化を支援する Commerce INSIGHT./PROJECT.
──貴社はWebコンサルティング企業として多様なサービスを提供してきていますが、今回、さらに新たにサービスをリリースしたのですよね。
はい。当社は9期目を迎え、ECコンサルティングを主軸とするWebマーケティング支援事業に加え、約20万人の会員を持つ調査モニター事業も行ってきました。主力のECコンサルティング事業に関しては、クライアントごとにその領域の専門コンサルタントが付き、戦略立案から実行支援まで一貫して請け負っています。
新サービスは、事業者様が抱える課題を浮き彫りにして、改善のための戦略を策定する「Commerce INSIGHT.(コマースインサイト)」と、策定した戦略の実行を支援する「Commerce PROJECT.(コマースプロジェクト)」の2つ。前者はGoogleアナリティクスによるアクセス解析やWeb広告の効果検証で得られた数値データをもとにした“定量分析”と、20万人の調査モニターから厳選したモニターへのアンケートによる“定性調査 ”を掛け合わせたデータ基盤構築サービスで、後者はその実行支援サービスです。
言い換えれば自社サイトの“現在地”を明確にするのが「Commerce INSIGHT.」、それをクライアントが希望する“目的地 ”まで導くのが「Commerce PROJECT.」です。この2つのサービスは両方利用することで、より高い効果を発揮します。
数値分析とアンケート調査で高精度な改善提案が可能に
──「Commerce INSIGHT.」の開発コンセプトをお聞かせください。
一般的にコンサルティングは、売上や集客、コンバージョン率などに関するお悩みに対し、案件ごとに仮説・戦略を組み立て、解決法を提案します。ただその解決法の裏付けがコンサルタント個人の経験則によるところが多く、何より大切な【消費者の目線】が欠如しがちです。そこで「Commerce INSIGHT.」では、調査モニター事業で得られる20万人の“ リアルな声”を生かした「定量分析×定性調査」による、精度の高い提案ができるよう、サービスを開発しました。うまくいかない原因を消費者目線で調査し、本質的な改善提案ができるので、顧客の課題解決に確実にコミットできる点が特長です。
──事業者がサービスを利用するメリットは何でしょうか。
BtoCビジネスにおいて、消費者の声や評価を把握しながら事業を推進できる点は大きいでしょう。例えば、割引セールやクーポン配布など施策を打っているのに転換率が上がらないことがあったとします。その際、原因究明をコンサルタントの知見に任せるのではなく、消費者側から理由を究明できるのが「Commerce INSIGHT.」なのです。
──消費者モニターの声をもとに施策を提案できるのは大きな強みですね。
そうですね。アンケートの内容は、クライアントの業種・業態や抱えている課題、調査したい内容に応じてその都度カスタマイズします。得られたデータを分析し、ブランドの訴求ポイントと消費者の意識にズレが生じていた場合は、それを修正する施策を行った後で改めてアンケート調査を行い、施策の効果検証を行います。同様の調査をするネットリサーチ会社もありますが、当社はECビジネスの理解度が高く、実行支援まで総合的に顧客に寄り添える点で優位性があると自負しています。
消費者とのズレを明確にして販売機会の損失を抑制
──「Commerce PROJECT.」はどのようなサービスなのでしょうか。
「Commerce PROJECT.」は、「Commerce INSIGHT.」によって導き出された改善策を、クライアントが実行する際に当社がサポートするサービスです。自社サイトやECモールの運用代行・ページ作成はもちろん、Web広告の運用や物流、CS、CRM、バックオフィスの最適化など、ECビジネスに関するものであれば幅広く、経験豊富なコンサルタントがフルフィルメントでサポートします。
もちろん自社にリソースがある場合、「Commerce INSIGHT.」のみのご契約でも構いません。クライアントの要望に合わせて柔軟に提供スタイルを変えられるのも、2つのサービスの特長です。
──どのような事業者が利用すると、より高い効果が得られるでしょう。
「Commerce INSIGHT.」は企業規模や事業フェーズは問わず、どなたでもご利用いただけます。先ほどもお伝えしましたが、訴求ポイントが明確なブランドやHPでこだわりを強く発信している企業でも、消費者が求める内容とズレが生じていることは多々あります。サイトの導線設計がマズく、サイトの「使いにくさ」で損をしている企業も少なくありません。販売の機会損失を抑えるためにも、消費者目線で原因を調査したい企業様にはお勧めです。
一方で、商品の販売手法が異なるため、リピート通販事業者様にはあまり向かないサービスかもしれません。
導入一週間でカゴ落ち率が10%改善した例も
──リリースして間もないですが、すでに成功事例もありそうですね。
試験的に導入したアパレル総合通販のお客様は、導入1週間でカゴ落ち率が10%改善しました。もともと機能性に定評があるブランドでしたが、モールに比べて自社ECサイトでの売上が伸びていないのが課題でした。「Commerce INSIGHT.」で消費者の意識を探ったところ、自社のこだわりが正しく消費者に伝わっていなかったことがわかりました。そこで消費者の声をもとに当社で仮説を立て、改善提案を行い施策を実行したところ、すぐに目に見える形で効果が得られました。まだ導入したばかりで効果検証はこれからですが、現時点では大変高い評価をいただいています。
ECで商品が売れない時は必ず理由があります。今後はより多くの事業者様に2つのサービスを利用していただき、売れていない原因を見極め最適な施策を講じ、商品が持つポテンシャルを最大限に引き出していきたいですね。