コストゼロで越境ECを構築! 消費者視点で売上アップをサポート
越境ECに乗り出す狙いは売上拡大が大きい。その点、BeeCruise株式会社の「Buyee Connect」は導入費・月額費・販売手数料すべて無料で、越境ECに必要なサポートを受けられるサービスだ。しかもECサイトにタグを埋め込むだけで始められる。同社 執行役員の本間哲平氏に話を伺った。
越境EC成功の秘訣は目的意識を持つこと
──貴社はBEENOSグループにおいて、日本企業の海外進出支援などを手がけられています。事業について改めてお聞かせください。
BEENOSグループ全体で越境ECの環境構築からマーケティングまでワンストップで支援するサービスを提供しています。決してツールだけ提供して終わりではなく、「国境を越えたビジネス展開の成功」に向け、売上につなげるための伴走もしています。
そのなかで私たちはEC事業者様に対し、「Buyee Connect」という、タグを入れるだけで越境ECを始められるサービスを提供しています。コストは購入者が1注文あたり300円を負担し、事業者様の費用負担はありません。現在はご利用事業者様の増加に伴い海外の購入者が増え、流通量の増加、サービス改善といった好循環が生まれ、グループとして越境EC年間流通総額約545億円(※1)、越境EC流通額No.1となりました(※2)。
※1:BEENOSグループのグローバルコマースの年間流通総額
※2:「Buyee」を含む主要越境ECサイトにおける海外個人を対象とした日本から海外への年間流通総金額(2021年10月~2022年9月) 東京商工リサーチ調べ 2023年6月時点
──越境ECがうまくいかない事業者の特徴や、改善すべき点は何でしょう。
「うまくいかない」原因は、期待と実態のずれから生じます。例えば、同じ施策を実施しても前進したと感じる事業者様もいれば、失敗だと感じる事業者様もいます。
現地での商品の認知度や競合状況、顧客の金銭価格や購入条件が異なるにもかかわらず、最初から国内と同じ結果を求めて失敗したと感じるケースは多いですね。
越境ECを始めるときは新たな市場に挑戦する認識で、施策に対して何を求めるのかを明確にすることが大切です。市場や顧客、競合を理解したうえで「認知はどこまで広げるのか」「売上はどのくらい上げればいいのか」など、求めることを明確にすると、結果として成功率は高まります。求める基準に達しなかったとしても、何かしらの成果は得られます。私たちにお任せいただくと、目的のすり合わせはもちろん、多国籍なメンバーがいるため異文化視点での戦略的な相談を受けることも多いです。
流通量が多いからこそ他にはないサービスが提供できる
──Buyee Connectは簡単に越境ECが始められるとのことですが、「どれくらい簡単」なのでしょう。
越境ECを始めるとなると、配送やカスタマー対応などの販売環境構築の実務と、ターゲット選定や集客方法などの目的設計が必要になります。通常はサイト構築に手間がかかってしまい、大切な目的設計が進まず、「越境ECで売上を上げること」ではなく、「越境ECを始めること」が目的にすり替わりやすいんです。でもBuyee Connectを導入すれば、お渡しするタグを設置するだけで、配送やカスタマー対応などまで含めた環境構築が完了。すぐに越境EC対応が始められます。そうなると目的設計や課題解決に時間を割くことができますよね。
さらに導入後も、事業者様のオペレーションが変わることはありません。Buyee Connectでは決済や検品、18言語対応、24時間カスタマーサポート対応などサービスを潤沢に提供しています。
グローバル対応が当たり前になるこれからのEC業界にあって、日本の企業はスタートすれば、顧客満足度を追求した精度の高いサービス提供ができるものの、国外進出が遅れています。すでに海外勢はどんどん越境EC市場に乗り出しており、あらゆるジャンルで日本が後発になりかねません。だからこそ私たちは、始めやすいサービスにこだわりました。その結果、事業者様の参加と流通量を増加させることに成功しているのだと思います。
──サービスとしての最大の強みは何だと言えますか。
消費者視点に立っていることです。物流機能を一つ例にとっても通常のECサイトは自社商品のみを扱っていますが「Buyee Connect」では、リユースも含めてあらゆる商品を取り扱っているため、多様な商品の取り扱いに対するオペレーションを確立しています。
購入したお客様は届いた商品の状態が悪いとリピート顧客にはなりません。だから壊れやすいものは特殊な梱包をしたり、丁寧に検品するなどして、購入者の満足度を高めています。国内では当たり前のことを海外にも展開できているのは、消費者視点に立っているからこそです。
また、今では流通量が多いからこそのサービスを提供できる点も強みになっています。アメリカ向けに「Buyee Economy Air」という軽量帯が割安で船便よりもリードタイムが短い配送手段や、台湾向けにコンビニ配送という購入者がコンビニで購入品を受け取れるサービスなども提供しています。このように現地の商習慣に合わせた配送も行っており、さらにボリュームディスカウントによって通常よりも3割ほど安く配送できるのは私たちならではの強みです。
──あえて、「越境EC成功の秘訣」をまとめるなら、何になりますか。
顧客が購入する理由を増やし、購入したくない理由を減らすこと、でしょうか。「現地の認知」「商品の競合優位性」「購買意欲を下げない購入条件」があれば越境ECでも売上は上がります。Buyee Connectを使うと、購入条件は現地国内で購入する場合と差がなくなっています。つまり認知を広めることと、商品の優位性を作れるマーケット探しが大切なのです。もちろん、私たちはその点のサポートも得意としています。
消費者視点で売上を作ることにこだわっていきたい
──認知拡大と市場の選定が大事なのですね。最後に貴社の展望をお聞かせください。
今後も消費者視点に立って、もっと流通につながるサービスを構築していきたいです。海外で売ること自体が目的となりがちな越境ECですが、本来の目的は売上を作ることです。越境ECはそのための一つの方法ですが、利点となる始めやすいというきっかけを提供し、越境EC含めたさまざまな方法で”売れやすい環境”を提供していくことで、海外に日本のファンをどんどん増やしていきたいですね。