裏方が主役!バックヤードカンファレンス2015

ECのミカタ編集部

EC裏方の祭典が開催

EC裏方の祭典が開催


株式会社アイルが主催する「BACKYARD CONFERENCE2015」が、2月3日にヒューリックホールにて開催された。同カンファレンスは、ECのバックヤードが「主役」のイベント。ECのバックヤード運用に携わる人の「情報共有•アワード表彰•交流」が目的のカンファレンスだ。フロントにスポットを当てたカンファレンスは数多くあるが、ECの要でもあるバックヤードにフォーカスしたカンファレンスは非常に珍しい。コンセプトそのものに希少価値のあるイベントであると言えるだろう。
特別講演、「クリエイティブ支援」「物流WMS支援」「メール共有支援」の3側面からバックアップを支援するお役立ち情報セミナー、「BACKYARD AWARD2014」の表彰からトークセッションまで、幅広いアジェンダでECにおけるバックヤードを盛り上げる内容となっている。

開会挨拶

開会挨拶株式会社アイル取締役 山本浩孝氏


開会のアナウンスが流れ、まずは株式会社アイル取締役の山本浩孝氏が登壇する。バックヤードアワード2014運営委員会の委員長も勤める山本氏によるカンファレンス概要と説明が行われ、開会の挨拶とともに特別講演へと引き継がれる。

特別講演「サービスを支える力」

特別講演「サービスを支える力」日本経済新聞社編集委員 大西康之氏


特別講演の講師として、日本経済新聞社編集委員である大西康之氏が、「サービスを支える力」をテーマにした講演を行う。様々な実例などを織り交ぜつつ、表立ったサービスを支えるバックヤードの重要さを解いていく。作家、佐々涼子氏の話題著作「紙つなげ!彼らが本の紙を造っている」のエピソード引用に始まり、JALの再建エピソードなど、ドラスティックな話題を巧みな話術と語り口で展開し、聴衆を引きつける講演を行った。

「クリエイティブ支援」セミナー

「クリエイティブ支援」セミナーランサーズ株式会社取締役COO 足立和久氏


続いてのバックアップを支援するお役立ち情報セミナー。初めに登壇するのは、「クリエイティブ支援」の側面担当のランサーズ株式会社取締役COOの足立和久氏。
日本最大級のクラウドソーシングプラットフォーム「ランサーズ」は「仕事を依頼したい人」と「仕事をしたい人」をつなぐクラウドソーシングサービス。予測できない繁忙期などの人員リソースを「ランサーズ」を活用することで、コスト削減につなげるとともにクオリティの高い仕事として実現できるとし、自社サービスの紹介を行う。
具体的な活用例など、クラウドソーシングの仕組みと併せシチュエーション別に解説をしていく。時間や予算に合わせ、40万人超えの登録ランサーからピッタリの人材を選ぶことができるとのこと。
「オープンな人的資源の活用により、経営の効率化のお手伝いをさせていただきます」
と足立氏は締めくくった。

「物流WMS支援」セミナー

「物流WMS支援」セミナーロジザード株式会社執行役員営業部部長 亀田尚克氏


「物流WMS支援」の側面では、ロジザード株式会社執行役員営業部部長の亀田尚克氏が講演を行う。
「ロジザードゼロ」は、「ロジザードプラス」と合わせて1,000の物流現場で利用されている実績No.1のクラウド型WMS(倉庫管理/物流管理/在庫管理システム)。物流における商品管理の効率化やエリア別ロケーション管理の利点など、自社サービスを使用した際の作業全体感を実績ベースで説明していく。
AmazonやZOZOなどの例を引き合いにし、メリットデメリットを包み隠さず展開した。

「メール共有支援」セミナー

「メール共有支援」セミナー株式会社ラクス クラウド事業本部業務効率化シニアコンサルタント 尾崎一索氏


最後の「メール共有支援」の側面についての講演では、株式会社ラクスのクラウド事業本部業務効率化シニアコンサルタント、尾崎一索氏が登壇する。
ECにおけるメール対応の重要さを、数年前と現在の消費者意識調査の数字などを比較し、年々求められる水準は高くなっていっているとして説く。成功しているショップの実例では、どんなに忙しくても問い合わせがあれば必ず5分以内にメール返信をしているなど、結果を出している店舗がメールの対応と管理をどれだけ重視しているかなど含め、自社サービスを利用した際のメール管理効率化について語った。

バックヤードアワード2014表彰式

バックヤードアワード2014表彰式記念すべき第一回目のアワード受賞ショップの皆様


引き続きカンファレンスは「バックヤードアワード2014」の表彰式へと移る。
バックヤードアワードとは、ECショップのサービスを支えるバックヤードの事業者に与えられる賞。受注処理や商品管理、顧客対応のバックヤード業務において、「効率化」「創意工夫」という面で運用を評価し表彰が行われる。
アワード対象ショップは2014年を通してCROSS MALLでバックヤード運用を行っているECショップ。アワード基準はデジタル面とアナログ面での評価になり、「効率効果面(デジタル面)」「創意工夫面(アナログ)」と定義され、アワード表彰ショップにはトロフィーとアワード証書が贈呈される。

記念すべき第一回の表彰では、

・夢・八天(取扱い商材:健康雑貨)
・ムーブ(取扱い商材:スポーツ用品)
・マルヒサ(取扱い商材:着物)
・クリエイティブ・アライ(取扱い商材:カバン、財布)
・ヤッホーブルーイング(取扱い商材:ビール)

以上の5店舗がアワード賞を受賞した。栄えあるグランプリに選ばれたショップはこちら。

・ピー・ビー・アイ(取扱商材:メンズファッション)

メンズファッションを取り扱う株式会社ピー・ビー・アイが、第一回のグランプリに選ばれた。
各受賞ショップごとに登壇し、トロフィーとアワード証書を受け取りコメントをした。

懇親会&トークセッション

懇親会&トークセッション画像左より
株式会社ピー・ビー・アイ 代表取締役 高木孝氏
株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役 井手直行氏
テラオ株式会社 佐々木伸一氏
株式会社ミン代表取締役 三宅幸子氏
株式会社イマリ 代表取締役 久保雅也氏


イベントも終盤となり、ディナー形式でのトークセッションが行われた。
バックヤードアワード2014グランプリを受賞した株式会社ピー・ビー・アイの代表取締役、高木孝氏をモデレーターに、4名のパネリストを招く。パネリストは、株式会社ヤッホーブルーイング代表取締役の井手直行氏、テラオ株式会社の佐々木伸一氏、株式会社ミン代表取締役の三宅幸子氏、株式会社イマリ代表取締役の久保雅也氏。

大きく設けられたテーマは

・バックヤードの重要性をどのように考えられてますか
・人の採用・育成・評価はどのようにされてますか
・経営側と現場側の意識統一にはどのような工夫をされていますか

の3ポイント。90分たっぷりのトークセッションは、シリアスな話題ありトリビアあり笑いありの、バラエティ豊かなものとなった。

バックヤードカンファレンス2015閉会


トークセッション後に、懇親会二次会へと移り、イベントは終了した。

普段スポットを浴びづらいバックヤードに重点を置くという希少なイベント。堅牢なバックヤードなくして輝くフロントもない、ということが実感として分かるイベントであり、来場者数154名、93社という盛り上がりを見せる結果となった。第二回が開催されたときには、改めてレポートしたいと思う。


取材/写真/文章:島名タスク


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