仕入れ後の工数を80%削減! 古着撮影代行「コンコルドフォト」で売上アップに集中
アパレルのリユース市場が拡大を続ける中、新品と異なり一点物であるリユース商品の撮影・採寸にかかる負担に悩む事業者は多い。特にリユースは商品状態もお客様に伝えなくてはいけず、必要なポイントを撮影するには経験が必要だ。株式会社コンコルドは、古着販売のEC運営で培った経験を活かし、古着撮影代行サービスの「コンコルドフォト」を展開している。同サービスの特長や効果について、同社 代表取締役 長妻成仁氏と取締役 野澤卓郎氏に伺った。
累計で30万着以上の古着販売実績
──まずは御社の事業概要についてお聞かせください。
株式会社コンコルド 取締役 野澤卓郎氏(以下、野澤) 私たちは2015年に設立し、今年で丸10年を迎える会社です。主な事業として古着の販売と買い取りを行っており、実店舗は持たず、ヤフオクを中心にECのみで販売しています。これまでの販売実績は30万着以上にのぼります。
──リユース市場の現状については、どのように感じているでしょうか?
株式会社コンコルド 代表取締役 長妻成仁氏(以下、長妻) 市場自体は拡大していますが、メルカリなどのプラットフォームを通じて、個人の参入が非常に増えています。日本国内の古着の絶対数は限られているため、個人が稼ぎやすくなるにつれて、事業者にとっては厳しい環境になると言えるでしょう。
株式会社コンコルド 代表取締役 長妻成仁氏
豊富なノウハウを活かし「撮影・採寸・検品・画像加工」を全てセットで対応
──そこで、事業者が効率的に売上を作れるように「コンコルドフォト」を立ち上げたそうですね。改めて「コンコルドフォト」が生まれた背景をお聞かせください。
野澤 撮影代行サービスの「コンコルドフォト」は2022年にスタートしました。当時、私自身が副業でカメラの海外販売を試みた際に、検品や撮影の大変さを身をもって実感しました。一つひとつの商品を丁寧に検品し、撮影する作業が想像以上に手間がかかり、「これは誰もがそう感じているはずだ」と考えました。
当社には30万着以上の古着販売で培った撮影や検品のノウハウがあります。これを活かせば、多くのリユースを扱う事業者の課題解決につながるのではないかと考え、サービスを立ち上げました。実際、古着の撮影代行サービスは存在しますが、商品の状態まで詳しく確認して撮影するサービスは、私が知る限りほとんどありません。
長妻 良い商品を仕入れることができれば、それだけ売上も上がります。つまり、売上を上げるためには仕入れが最も重要です。私たちが撮影や採寸を代行すれば、お客様は生まれた時間で仕入れに注力でき、売上アップにつながります。
──新品と比べて、古着の撮影や出品作業にはどのような難しさがあるのでしょう。
野澤 新品の場合、同じ規格の商品を販売し続けるので、一度撮影した写真を使い回すことができます。しかし、古着は全て一点物です。また、検品では状態を細かく確認し、写真で適切に見せなくてはいけません。そのため、一点あたりにかかるコストを抑えながら、いかに効率的に作業を行うかが重要です。
──コンコルドフォトの特長を教えてください。
野澤 「撮影・採寸・検品・画像加工」が全てセットになっている点です。撮影のカット数に応じて追加料金がかかったり、オプションが多かったりする料金体系をよく見るのですが、当社は1着単位の料金体系を採用しています。これは商品によって必要な写真の枚数が異なるためで、売れるために必要な写真は全て撮影しています。
また、納品データについては、お客様が使いやすいようにCSVファイルで納品しています。そのため、月間で数千着という大量の商品数でも、効率的に出品作業を行うことが可能です。
──手入力の作業がなくなるのは、事業者にとってはうれしいですね。撮影に関する特長もお聞かせください。
野澤 撮影ではメルカリや楽天、Amazon、eBayなど、どのプラットフォームでも使えるように、プレーンな写真を提供しています。白背景での撮影を基本とし、シワがないように整え、まっすぐ綺麗に撮影していますね。
コンコルドフォトを利用し、月間の出品点数が3倍になった店舗も
──コンコルドフォトを利用したお客様は、どのような効果を感じているのでしょう。
野澤 撮影や採寸を私たちが代行することで仕入れに注力できるようになり、出品数が増えたケースがあります。当初は月間500着ほどだったお客様が、徐々に増やして1500着まで取扱量を増やされました。
アパレルはシーズン性が強く、適切な時期に売らないと1年間売れないことも珍しくありません。他の業務に手間をとられて出品を逃さないように撮影代行を利用すれば、機会損失を防げます。
──作業工数も大きく削減できそうですね。
野澤 コンコルドフォトをご利用いただければ、仕入れ後から販売までの工数の8割ほどを削減できます。私たちは一点一点丁寧に畳んで袋詰めをし、管理番号をつけて返送しているため、お客様は受け取った商品をそのまま保管し、売れた際にはその袋のまま発送することも可能です。
また、工数の削減に加え、撮影は販売単価の向上にも貢献します。私たちの実績で撮影の質を高めたことによって、売上単価が1.3倍になったというデータもあります。
──どのような事業者が特に効果を感じていただきやすいのでしょうか。
野澤 仕入れから出品、販売、発送までの流れを全てシステム化したい方や、属人的な運営から脱却したい方、複数店舗を持つ方などがあげられます。撮影や採寸は個人の技量に左右されやすく、教育も時間がかかります。さらに、繁忙期には人員を増やす必要があり、人材マネジメントも意識しなくてはいけません。
株式会社コンコルド 取締役 野澤卓郎氏
代行業務の範囲を拡大し、お客様は仕入れるだけの環境を作りたい
──実際にサービスを利用する流れをお聞かせください。
野澤 まずは10着を無料でお試しいただけます。その後、サービスの流れと質を確認してもらったうえで、本格的なご利用を検討いただきます。商品を送っていただいてからは基本的に1週間以内に納品を完了し、返送と同時に納品データもメールで送ります。すぐにお客様のもとに商品が戻るため、販売の機会を逃すことはありません。
大量の商品をご依頼いただく場合は、事前に月間の予定数をお伺いしたうえで対応しています。お客様のご要望に応えるため、予定数に応じて人員を揃えるなど、できるだけ柔軟に対応しています。
「コンコルドフォト」サービス利用の流れ
──今後の展望をお聞かせください。
野澤 現在はファッションアイテムが中心ですが、今後はホビー用品やスポーツ用品など、取扱商品を拡大していきたいです。また、新品を扱うECショップへの展開も視野に入れています。
長妻 さらに、AIを活用した出品作業の効率化にも取り組んでいきます。当社には30万点以上の出品データの蓄積があるため、AIに学習させれば最適な商品タイトルの自動生成なども可能になると期待しています。
将来的に目指しているのは、お客様から商品をお預かりしてから出品、発送まで全てを代行するワンストップサービスです。売上に直結する仕入れに少しでもお客様が注力できる環境を作っていきたいですね。