人が介在するからこそ生まれる物流の付加価値 スクロール360「SLC関西」の挑戦

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ECのミカタ編集部 [PR]

EC事業を成長させるためには信頼できる物流パートナーが欠かせないが、商材や出荷数、BtoCかBtoBかといったビジネス形態によっても、対応できる物流倉庫は限られる。ましてや特定の地域・商圏で希望通りの物流センターを探すのは、地元以外の企業にとって簡単なことではないだろう。

しかし、顧客ごとのニーズに応じてカスタマイズした物流サービスを構築するという姿勢で全国のEC事業者を支援するのが、“次世代CRM物流”を掲げる株式会社スクロール360だ。同社は2024年12月に冷凍冷蔵対応の「大阪コールドセンター」を立ち上げ関西エリアの食品EC支援を強化しているが、それ以前から大阪で「スクロール ロジスティクスセンター関西(以下、SLC関西)」を運営し、幅広い商材で実績をあげてきた。今回は、関西で物流センターを探す事業者が「SLC関西」を選ぶメリット、さらに同社ならではの事業者目線に立ったサービスについて、西日本営業ユニット長の小林尭哉氏に聞いた。

株式会社スクロール360の冷凍冷蔵倉庫「大阪コールドセンター」については、こちらの記事に詳しい

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リピート通販や高度医療機器など幅広い商品を取り扱う

──御社は全国に拠点を構えていらっしゃいますが、今回は「SLC関西1」「~2」について詳しく伺っていきます。まずは、施設の概要をお聞かせください。

スクロール360は物流代行をメインに、受注代行やEC運営代行・CRMサポートなど、EC・通販の事業者様をトータルでサポートしており、事業者視点の提案・支援が大きな強みです。

その中で、「SLC関西」は大阪市の2拠点からなり、「1」は延床面積約4,000坪、5階建て施設で、1階から4階まで空調を完備しています。主にリピート通販でご利用いただいていて、一部特別な許可をとって高度医療機器の取り扱いも行っています。具体的には化粧品や雑貨といった、通販に適した商材を多く扱っています。EC事業者様のほか、最近では雑貨系の商社やメーカーからのご依頼もあります。

「SLC関西2」も同じく約4,000坪規模、当社のグループ会社でアウトドア用品を展開する株式会社ナチュラムの商品が中心で、最大9万SKU、65万点を扱った実績があります。アウトドア用品という特性上、釣り針やルアーなどの小物から、テントやクーラーボックスといった大型商品まで、サイズもさまざまな商品を扱っており、多品種かつ小ロットでも対応できるのが特徴です。

──御社の事業における、「SLC関西」の位置づけについて教えてください。

関西は第二の首都圏として重要なマーケットであり、そこに物流拠点を持つことは戦略上不可欠です。また、BCP(事業継続計画)対策としての分散出荷の観点からも、関東と関西、あるいは東海と関西といった複数拠点を活用できる体制構築は重要です。実際、コロナ禍で一部の倉庫が稼働できなくなった際にも、他の拠点でカバーした実績があり、リスク分散という意味でも複数拠点を設ける有効性が証明されました。

──拠点間での連携はどのように行われているのでしょうか。

全拠点で当社開発の倉庫管理システム「L-Spark」を使用しており、作業のノウハウも共通です。お客様のデータを一度入力すれば、当社側で設定を変えるだけで出荷拠点を変更できるため、有事の際でもお客様に負担をかけることなく対応できる体制を整えています。

「スクロール ロジスティクスセンター関西2」外観。大阪の南港エリアにあり、「1」とは徒歩で10分程の位置

株式会社スクロール360 西日本営業ユニット長 小林尭哉氏

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EC・通販業務を“360度”ワンストップで支援

──「SLC関西」の特徴について教えてください。

自社のアセットを活用して、360度で事業者様を支援できる点が強みだと考えています。幅広い商品ジャンルに対応できることに加えて、親会社である株式会社スクロールの通販部門から出発しているだけに、事業者としてのノウハウを持っており、それをBtoB ECや食品ECにも広げています。こうした取り組みを積極的に行っているのが「SLC関西」の特徴です。

──同じ目線で対応してもらえるのは事業者にとって安心感、信頼につながりますね。これまで“360度で”支援された事例を教えてください。

あるアパレルの事業者様から、最初はスポット的にデバンニング(※1)と店舗への配送のみを依頼いただいたことがありました。急な依頼ではありましたが、ご要望にしっかりと応えられたことを評価していただき、その後ECに関わるさまざまな業務を受託することになったんです。全国の店舗への配送や、シーズンごとの商品の入れ替え、最終的にはコールセンター業務を含めた全工程をお任せいただくまでになりました。

──まさに御社の強みが発揮されたケースと言えますね。幅広い作業領域をカバーするために御社として意識していることはありますか。

業務を属人化しないことです。物流を外部委託することが難しい理由として、その企業様に倉庫業務の全てを把握している職人のような方がいて、そのスタッフのスキルがブラックボックス化しているケースは少なくありません。私たちはその方のスキルをひも解いて標準化し、お客様に「委託したらこれほど楽になるんだ」と感じてもらうことと感じてもらうことを大切にしています。

「SLC関西2」での作業風景

SKUのみで商品を分けず、スペースを有効に活用することで多品種・小ロットの管理を可能にしている

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人が介在するからこその丁寧なサービスが実現

──顧客のEC事業をサポートするうえで、大切にしていることをお聞かせください。

お客様の売上、利益を第一に考え、柔軟に対応することです。当社ではコスト最優先のご要望をいただかない限りは、コストを優先するあまり「決まったパッケージ」に当てはめてサービスの幅を狭めることはありません。特に成長フェーズ~成熟フェーズにいる中堅以上のEC事業者様にとって、物流は単なる保管と配送に留まらず、顧客体験を向上させる重要な顧客接点となります。また、ECを始めたばかりでフローが確立していない事業者様は、色々な施策を試したくても“型”が決められたサービスでは施策に幅が持てず、満足していただけないと思うんです。

当社の場合、複雑な運用や要望であっても「まずはやってみる」という姿勢で、お客様の売上や利益を優先して「できること・できないこと」に制限を設けません。こちら側の型に合わせていただくのではなく、お客様がすでに自社で物流を運用しているなら、それをそのまま当社に移したうえで「さらに良くするために何ができるか」を考えます。これは全社的な特徴と言えますが、関西は特にその姿勢が強く、新しいサービス設計やスキームが関西からどんどん生まれています。

実際に、あるアパレル事業者様からの要望で、RFIDを活用しつつ実店舗と物流倉庫のデータを連携させる仕組みを「SLC関西」で構築したこともあります。

──確かに実店舗とECの両方を運営している事業者にとって、倉庫との連携は欠かせないですね。

他にも効率化の一例として、“ささげ業務”のためのシステムを導入しています(※2)。これは商品の写真撮影と自動採寸を同時に行うことができるもので、商品をハンガーにかけてシャッターを切るだけで、写真と寸法データが取得されます。

これにより、メーカーから提供されるサイズ情報だけでなく、実際の商品画像と正確な寸法をECサイトに掲載することができ、お客様の購買意欲向上につながります。また、外部に撮影・採寸を委託した場合に発生する2日程のタイムロスをなくし、スピーディーにECサイトに掲載できるのも大きなメリットです。

──システムを駆使することで効率化も進められているんですね。

とはいえ当社では、あえて積極的な自動化や省人化に取り組んではいません。私たちは自動化・省人化と、倉庫内で多様なサービスを提供できることはトレードオフの関係にあると考えています。大規模な機器を用いて徹底的に機械化・省人化した倉庫にコスト面ではかなわないかもしれませんが、物流工程の中で人の手で触る回数を増やしているからこそ、きめ細かいサービスが実現できます。このような「人が介在することよる付加価値」が、他社との差別化になっています。

──最後に、「SLC関西」の展望についてお聞かせください。

今後はBtoBへの展開をさらに強化していく方針です。これまではBtoC事業におけるBCP対策や複数拠点として、あるいは関西に拠点を持つ事業者様に向けたサービスが中心でしたが、ラストワンマイル物流だけでなく、さらに上流の工程やBtoBの店舗出荷、百貨店納品なども含めたトータルサポートを目指しています。

例えば、現在BtoCで取引のあるお客様の店舗配送部分も当社で担当してそのサービスを横展開したり、倉庫での原料保管・配送したりといった「関西を拠点とする必然性」があるサービスメニューを、中長期で拡充していきたいと考えています。

自動画像加工・自動採寸システムを活用し、ささげ業務を効率化

高額商品の保管エリアには複数台のカメラを設置しセキュリティーにも万全を期す

「SLC関西」ではアウトドア用品、健康食品・化粧品、日用品・雑貨など、幅広い商材の取扱い実績を持つ

※1 デバンニング…船などに積まれてきたコンテナから貨物を取り出す作業
※2:ささげ業務(撮影・採寸・原稿作成)を効率化するアパレルEC業務支援システム

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