RPP自動化×伴走支援で楽天売上10億円! 天喜ジャパンの「マーケティング支援」とは
楽天市場で売上を伸ばすには、広告運用やページ改善の巧拙が成否を分ける。しかし限られた社内リソースでPDCAを回すことは簡単ではない。事業者は施策に追われ、成果は伸び悩む――。そんな悩みに応えたのが、株式会社天喜ジャパン(TENKI-JAPAN)が提供する「マーケティング支援」である。今回は楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーにも輝いた実績を持つ株式会社キュリエの左近聖二氏と、同社のRPP運用などを支援する天喜ジャパンの小竹学氏が対談。広告の自動化と人的支援のハイブリッドによって得られた成果とその裏側を明かす。
楽天RPP運用の難しさと、支援導入の背景
――楽天市場で出店している事業者の多くが直面する課題には、どのような傾向がありますか?
株式会社天喜ジャパン(TENKI-JAPAN)カスタマーサクセスマネージャー 小竹学氏(以下、TENKI 小竹) EC業界の競争が激化していることで作業量も増え、全体的なコストが増加しているように感じます。さまざまなツールを導入するコストもそうですが、人材面でのコスト、あとはそもそも人的リソースが不足しているというケースもよく見られます。仮に自社のスタッフで運用できたとしても、1社で収集できるナレッジには限りがあり、現在の市場に合わせた適切な運用を行うのは難しいといえます。
――キュリエ社が楽天市場の運営を進めていくなかで、具体的にどのような課題や壁に直面していましたか?
株式会社キュリエ 取締役 ネット事業部 管掌 左近聖二氏(以下、Qrie 左近) 当社はプリンター用の互換インクやトナーの輸入・卸売りを軸に事業を拡大してきました。現在、楽天市場をはじめAmazon、Yahoo!ショッピング、自社サイトを含む複数チャネルで展開しています。今期のEC全体の売上が約22億円、うち10億円が楽天市場なので、非常に重要な販路です。ただ、それに比例して業務負荷も大きく、特に広告運用の工数は深刻でした。1日あたり2時間以上を広告の調整に充てており、月間40時間以上。それだけの時間をかけても「やれている」とは言い切れない状況でした。
株式会社天喜ジャパン(TENKI-JAPAN)カスタマーサクセスマネージャー 小竹学氏
TENKI 小竹 楽天市場の広告は、システム面でもかなり“独特”なんです。GoogleやMetaと違い、予算管理やキーワード設定の自由度が低く、しかも商品点数が多い店舗では、管理の手間も膨大です。特にキュリエ様のように6000点以上のSKUを扱う企業では、人的リソースだけで回すには限界があります。
Qrie 左近 広告運用は一人の担当者に依存しがちで、属人化のリスクも高い。再現性がなくなり、引き継ぎが難しくなるのが怖かったです。その課題をどう解決するかを模索していたとき、出会ったのが天喜ジャパン様の「マーケティング支援 」でした。
天喜ジャパンの「マーケティング支援 」が担う役割
――天喜ジャパン社のマーケティング支援サービス「マーケティング支援 」は、どのような内容と特徴がありますか?
TENKI 小竹 「マーケティング支援 」は、単なる広告の自動運用ツールではありません。自動化に加え、専任スタッフが月次でデータ分析を行い、施策の提案や改善も行います。楽天特有の“扱いづらさ”に熟知したオペレーションで、手間がかかる入札単価の調整や、効果の薄い商品の除外なども日次で対応しています。
Qrie 左近 最初はRPP広告の自動化からスタートしましたが、想像以上に対応が速かったですね。導入から2カ月もたたないうちに効果が数字に表れました。今では、社内のスタッフは広告運用そのものにほとんど時間を割いておらず、KPIの確認と施策の実行が主な業務です。
自動化×人的支援がもたらした成果と変化
――実際に天喜ジャパン社と取り組んだ施策の中で、特に効果を感じたことは何でしたか?
Qrie 左近 最も大きかったのは「イベント時のパフォーマンスの安定」です。楽天市場には「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」といった大型イベントがありますが、その期間は購買意欲のあまり高くないお客様も多く流入するため、ROAS(費用対効果)は落ちがちです。しかし天喜ジャパン様のサービスを導入してからは、イベント中でもROASが安定し、新規顧客の効率的な獲得につながっています。ECの主要商材であるインクカートリッジやトナーは、お客様に一度購入いただくと次回も購入いただけることが多く、LTVは比較的高い傾向にあります。だからこそ、事業を成長させるには新規獲得はとても重要です。
株式会社キュリエ 取締役 ネット事業部 管掌 左近聖二氏
TENKI 小竹 商品単価やジャンルにもよりますが、安定した成果を出すには継続的な運用が欠かせません。また、RPPを最適化するには、人の手が必要な部分もあります。自動化できるところはしっかり自動化して、必要な部分だけ人が介在する。広告運用に時間を取られないことで、事業者様は商品開発やページ改善、顧客対応などの本来やるべきコア業務に集中できます。
――社内のスタッフの稼働状況にも変化がありましたか?
Qrie 左近 社内の楽天運営担当は一人で当社の年間売上を支えています。画像バナー生成も自動化されており、ページ更新も効率的。以前のように「広告に振り回される」日々から脱却し、能動的に戦略を描ける体制になりました。
TENKI 小竹 我々としても、データだけでは判断しづらい部分は月次の定例MTGやチャットツールでのやり取りでサポートしています。最新の取り組みとしては、AIによる商品画像の生成やABテストの仕組みなども提供予定で、CTR(クリック率)を高める新たな挑戦が始まっています。
今後の展望と他社にも広げたい支援の可能性
――天喜ジャパン社との取り組みを通じて、今後どういった展望や目標を持っていますか?
Qrie 左近 広告は「取ったら終わり」ではありません。天喜ジャパン様の支援を受けたことで、獲得した顧客に対してF2・F3転換のための施策を打ったり、新たな商品ジャンル展開を準備するための時間が確保できました。現在、売上の9割はインクやトナーなどのオフィスサプライ品ですが、今後2年でスマートフォンアクセサリーや文房具など新ジャンルの構成比を30%にまで高めたいと考えています。そのための初動広告施策やレビュー対策なども天喜ジャパン様と構築中です。
TENKI 小竹 広告運用による成果は売上全体の一部に過ぎませんが、土台となる重要な要素です。RPP広告の成果は、自然検索順位にも影響を与え、間接的な売上にも貢献します。当社としては、広告運用だけでなく楽天市場運営の効率と効果を高める「楽天オートメーションパック」など幅広いサービスをご用意しており、より包括的な支援も可能です。今後はAIを活用した店舗運営の最適化や、楽天市場自体の新しい広告仕様にも迅速に対応しながら、より優れた価値を届けていきたいと考えています。