「安さのその先へ」──ライフドリンク カンパニーの成長を支える「脱付加価値戦略」とは

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ECのミカタ編集部

EC市場で価格競争が激しさを増す中、「安さのその先」を掲げて成長を続けているのが、株式会社ライフドリンク カンパニーのEC限定ブランド「LIFEDRINK」だ。楽天市場で「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を5年連続受賞するなど、複数のモールで高い評価を獲得している。2025年12月18日、ECのミカタ主催の「2025年の『変化』と2026年の『攻略』カンファレンス」では、同社EC事業部の越前真央氏が登壇。LIFEDRINKの成長を支えた「脱付加価値戦略」と、2026年に向けた展望を語った。

EC限定ブランド「LIFEDRINK」が急成長

水やお茶、炭酸飲料を中心に製造・販売するライフドリンク カンパニーは、ドラッグストアやスーパーマーケット向けのB2B事業を主軸とする飲料メーカーだ。店頭で見かけるプライベートブランド商品の中には、同社が製造を担っているものが数多くあり、年間生産量は8億本を数える。

そんなライフドリンク カンパニーがEC限定ブランドとして掲げているのが「LIFEDRINK」だ。炭酸水や水、お茶といった日常の中で飲まれるペットボトル飲料に特化して展開し、看板商品は強炭酸水の「OZA SODA(オウザソーダ)」。オンラインストアは2020年に楽天市場からスタートし、楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー」を5年連続受賞し、複数モールで安定した評価を獲得している。

EC成長の核となった「脱付加価値戦略」

LIFEDRINKの成長を語る上で欠かせないのが、同社が掲げる「脱付加価値戦略」だ。越前氏はこれを「派手な付加価値をあえてつけず、ドリンクの本質的価値に集中する考え方」と説明する。

「派手さやトレンドに乗っかっていなくても、自然に手に取ってもらえる美味しさを作ること。SNSで話題になることよりも、これがないと困ると思ってもらえる飲料であること。味わいに華やかさはなくても、癖がなく、安心して毎日飲めること。そんな続けたくなる美味しさこそ、私たちが考える本質的な価値です」

「脱付加価値戦略」には3本の柱がある。1本目は、水・お茶・炭酸水といった生活必需飲料に特化すること。2本目が、誰が飲んでもちょうどいいと感じられる「おいしさのスタンダード」を追求すること。3本目が、低価格を安定供給する仕組みをつくることだ。

特に3本目の「低価格×安定供給」は、全国13工場の展開、内製化、少品種大量生産という同社のビジネスモデルの土台となる生産体制が支えている。ペットボトルの原料成型から充填、梱包、出荷までを一貫して行うことで、無駄を徹底的に排除し、品質と価格の両立を実現している。この土台の強さこそが、ECでの競争力の源泉だ。

EC運営の現場で積み重ねる地道なオペレーション

ライフドリンク カンパニーの価格戦略は、単に安く見せるものではない。越前氏は「毎日選ばれ続けるための『ちょうどいい価格』を保つことが目的」と語る。そのために行っているのが、地道な日次オペレーションだ。各モールの競合価格を毎日チェックし、ランキング・検索順位を踏まえた価格調整を行う。また、楽天お買い物マラソン、Amazonプライムデー、Yahoo!超PayPay祭などに合わせて販促を最適化。さらにLINEクーポンや広告運用の強化といった細かな積み重ねが、ECでの選ばれやすさを支えているという。

さらに自社ECでは、初回お試し価格から継続割引につながる「お得定期便」を展開。現在、自社サイト利用者の7割以上が定期便を利用しており、生活必需飲料との相性の良さが数字にも表れている。

名称変更、新カテゴリ、地域連動──ブランドの幅を広げた2025年

製造体制の拡大により、ライフドリンク カンパニーは2024年末から2025年にかけて、新たな挑戦を次々と行った。まずは主力商品である強炭酸水の名称を「ZAO SODA」 から「OZA SODA」へ変更。山形県の蔵王工場だけでは生産が追いつかず、大分県のOビバレッジ日田工場でも製造することになったためだ。Instagramで新名称を募集し、1500件を超える応募から「OZA SODA」が誕生した。

「OZA」というZAOのアナグラムにより商品への親しみを継承したうえで、「王座=No.1の炭酸水」を目指す意思を込め、顧客と共創するブランド体験を実現した。

2025年にはOビバレッジ日田工場で「シリカ含有」製品の生産を開始した。「シリカ(ケイ素)」は、体内で作り出せないミネラル成分だ。発売当初は数量限定品だったが、再販希望の声を受けて定番化された。蔵王工場からはエナジードリンク風味の数量限定商品を発売し、20〜30代男性を中心に大きな反響を呼んだ。

さらに、LIFEDRINK初のスポーツドリンクとして「AQUA FIT」を開発し、初めてラベルデザインを内製するなど、ブランドとして挑戦が続く年だった。

2026年、ライフドリンク カンパニーが向き合う課題と戦略

2025年、挑戦を続ける中で見えてきたのが「どうすれば選び続けてもらえるかという課題」であったと越前氏。2026年はこの課題にどう向き合い、どう戦っていくかがポイントだという。

特に直近では、物流費や原材料費などあらゆるコストが年々上昇している。一方で、消費者の節約志向は強まり、まとめ買いや定期便の需要が増えている。しかし越前氏は「価格を下げることだけを目的にしない」と強調する。重要なのは、「安心して続けられる価格」と「選び続けたくなる体験」だ。そのために2026年は以下の施策を進める。

自社ECのロイヤリティ向上
カートシステムを刷新し、商品変更の容易化やポイントを使いやすくアップデート。また、会員ランク制度を導入することで継続利用を促す仕組みを計画中だ。


商品ラインナップの拡充
工場取得によってこれまで以上に新しい挑戦ができる環境が整う。新フレーバー、新カテゴリなど、商品開発の幅が広がる。

「ただ、知ってもらうことだけがゴールではありません。 私たちが大切にしているのは、続けてもらうこと。SNSを通じて、ブランドの世界観やものづくりへの思いを丁寧に伝え、また飲みたい、また選びたいと思っていただける関係を、時間をかけて育てていきます」

LIFEDRINKブランド認知の強化
これまでOEMを中心に裏方の飲料メーカーとして多くのブランドを支えてきたが、LIFEDRINKのブランドとしての発信をより強化していく。

ずっと選び続けてもらえる関係性を築く──ライフドリンク カンパニーが描く未来

ライフドリンク カンパニーが大切にしているのは、一度きりの購入ではなく、長く選び続けてもらえる関係だ。毎日飲むものだからこそ、できるだけ手間なく、快適に続けられるEC体験を届けたい。その思いのもと、同社のチームは日々、改善と挑戦を重ねている。

「続けてもらうということは、私たち自身も続けてもらえる努力をするということ。 飲み続けてもらえるように、選び続けてもらえるように。 ライフドリンク カンパニーはこれからもお客様と一緒に続いていくブランドを目指します」

「安くて良い」を守りながら、「続けたくなる」飲料体験へ。飲料業界を裏方として支えてきた同社が、これからの飲料体験をさらに豊かにしていく決意が感じられるスピーチだった。

越前 真央
株式会社ライフドリンク カンパニー EC事業部 / 主任  同社EC事業部で主力商品である強炭酸水「OZA SODA」の商品企画やモール運営を担当。特にストーリー性のある商品企画やファンを巻き込んだ施策立案が強み。本日は現場の目線から“LIFEDRINKらしさ”をお伝えします。


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