時代に合わせ伝統を守る「ところてんの伊豆河童」【店長のホンネ】

ECのミカタ編集部

 5月も終わろうとしている今日この頃、穏やかな日差しも鋭さを増し、夏の訪れを徐々に感じられるようになってきた。全国のEC店舗さんを応援する企画「店長のホンネ」、今回はこれからの季節、特に食べたくなる”ところてん”や”あんみつ”そして”こんにゃく”を、静岡県にて明治2年から製造している、「ところてんの伊豆河童」株式会社栗原商店 代表取締役 栗原康浩さんにお話を伺った。

実店舗販売のきっかけはEC店舗だった

 栗原康浩さんで4代目となる”ところてんの伊豆河童”は、元々、ところてんの実店舗販売はしておらず、それまでは地元のスーパーなどに商品を卸していた。しかし、景気が悪くなり始め、流通の仕組みが変わり、地元のスーパーが地元の商品を取り扱わなくなったことから、栗原さんは当時広がり始めたECを利用し、全国へと商品を届けることを決意した。

面白いことに、”ところてんの伊豆河童”の場合、EC店舗を始めたことがきっかけで、実店舗販売を行うに至ったのだという。

「元々、”ところてんの伊豆河童”は卸業をメインに行っており、実店舗販売は行っていませんでした。その後、時代の流れにより、EC店舗を始めることとなったのですが、右も左もわからない状況でまずはモールに出店し、そこでのノウハウを積み、徐々にお客様より反応をいただくようになりました。

そうしてECで認知を広げると、驚いたことに、首都圏のお客様が、当時まだ実店舗販売を行っていなかった静岡の本店にまで足を運んでくれるようになったのです。そういったお客様の存在があり、2006年頃から静岡の本店にて”売店”というかたちで実店舗販売を始めました。」

EC店舗の良さは全国へと商品を届けられるということ、そして同時に、店舗の存在を全国に認知してもらえることがある。そして、実店舗の良さは、直接お客様と顔を合わせ会話ができること。”ところてんの伊豆河童”は、そういったEC店舗の良さを上手く利用そながら、実店舗の良さを活かしている。

変化ではなく進化を遂げ歴史を守るということ

左)今年の父の日には、ところてんと一緒に、ところてんつきをセットで販売するギフトを用意しているとのこと。
右)「ところてんの伊豆河童」4代目店主 栗原康弘さん

 創業明治2年と、長い歴史と伝統を持つ”ところてんの伊豆河童”。その歴史を守るためにも、積極的に新しいことを取り入れ、時代の流れに合わせて商品の良さを伝え続けている。例えば、ギフトで”ところてん”を注文した場合、セットで”ところてんつき”も販売するなど、他店にはない取り組みを行っている。

「ところてんを販売しているEC事業者で、ところてんつきをセットにして売っているところは、ところてんの伊豆河童だけかと思います。そして、父の日には、ところてんつきにレーザーで刻印を施し、メッセージを入れることができる仕様にしました。これは、新しい取り組みです。」

 また、今年の母の日には、ところてんと薔薇のシロップをセットで販売するなど、斬新な商品を生み出した。「考えたらすぐ実践し、お客様の反応を試す、まず行動することが大切だ。」と栗原さんは語った。

 もちろん、商品の品質にもこだわっている。ダイエット食品として人気がある”こんにゃくのお米”は、栗原さん自らインドネシアまで足を運び、生み出されているもの。また、寒天の原料になるテングサも、伊豆大島の海女さんの手によって仕入れられているとのこと。
 
 ”ところてんの伊豆河童”は、歴史を守りつつも確実な進化を遂げている。そして、その過程で、商品の品質に妥協することなく、プライドを持ってEC店舗を運営している。

見つめる先は海の向こう、努力がくれた光る未来

 ”ところてんの伊豆河童”は創業当初、実はこんにゃくを販売していたのだという。そうして時代とともに販売する商品の種類も販売戦略も変化し、多くの人からの支持を集めてきた。

 更に、これから栗原商店が目指す先は海の向こう。

「”ところてんの伊豆河童”というブランドを海外の人へ広げ、ところてんの美味しさを伝えていきたいです。」

 ECサイト開設当初は、何をすれば良いかもわからず、売り上げも現在のようには伸びず…であった”ところてんの伊豆河童”が、今では日本の古き良き伝統を広げるべく、海外をも視野に入れているのだ。

 ”ところてんの伊豆河童”のみならず、今までに取材させていただいたどのEC店舗にも、こういった成長の背景には必ず努力がある。栗原さんがECサイトを開設したときには、まだインターネットがそこまで発展しておらず、活動できる日中にはインターネットの通信料が高かったため、夜遅くにECサイトを動かしていたとのこと。こういった見えない努力が実を結んで今につながった。

 もちろん、インターネットが普及した今でも悩みは尽きない。しかし、幾度となくそんな困難を乗り越えてきたのだ。だからこそ、これからも進化し続け、その歴史、プライドを守っていってほしい。


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