ドローンにAI搭載 無人探索システムの開発・実用化へ

株式会社スカイロボット(以下、スカイロボット)は、ドローンにAI(人工知能)を搭載する、無人探索システムの開発・実用化に向けて、東京大学と共同研究を開始した。
 この共同研究は、人工知能のひとつである確率推論の技術を応用し、複数のドローンが受信した位置情報から人工知能による情報処理によって、探索対象者の正確な位置情報を高い精度で導き出す、探索アルゴリズムを確立するものです。スカイロボットが持つGPSに依存しない探索システムと共にドローンなどの移動体に搭載することによって、災害時や遭難時における行方不明者の探索、人命救助への実用化を目指す。さらに、将来的には警備システムへの応用も期待されている。

 矢入健久准教授(東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻)は、今回の共同研究に関して「確率推論に基づく効率的なアルゴリズムが確立されることによって、遭難者救助へ大きな貢献が期待される」としている。スカイロボットはこれからも、ロボットやドローンがいかに人を助けることが出来るかという企業スローガン「We Robots Help Human」(私たちロボットは人を助けます)に基づき、様々なソリューションやサービスを展開していく。

■知能工学研究室(堀・矢入研究室)について

 知能工学研究室では、機械の知能と人間の知能の両方について研究を行っている。宇宙空間などでは、機械が自分で状況を判断し自律的に動作することが望まれる。そのための人工知能、機械学習、確率推論、知能ロボティクスなどについて研究を行っている。一方で、人間の知能を考える時には、人間の知能を機械で置き換えるのではなく、人間が知的能力を最大限に発揮するための道具として機械は何をできるのかを考えることも重要だ。そこで、創造活動を支援する人間機械系などについての研究を行っている。

■堀浩一教授プロフィール

1956年生まれ。1979年東京大学工学部電子工学科卒業。 1984年同大学院博士課程修了。工学博士。 1984年国立大学共同利用機関国文学研究資料館助手。 1986年同助教授。1988年東京大学先端科学技術研究センター助教授。 1997年東京大学大学院工学系研究科教授、現在に至る。

1989年9月-1990年1月仏国コンピエーニュ大学客員助教授。現在、工学系研究科航空宇宙工学専攻に所属。 2015年より東京大学附属図書館副館長を兼務。

従事。 電子情報通信学会、情報処理学会、人工知能学会、日本ソフトウェア科学会、日本認知 科学会、IEEE、ACM、各会員。 2008年-2010年人工知能学会会長。2010年より人工知能学会顧問。

■矢入健久準教授プロフィール

1971年生まれ。1994年東京大学工学部航空学科卒(宇宙工学コース)。1996年同大学院工学系研究科修士課程修了。1999年同博士課程修了。博士(工)。同大学先端科学技術研究センター助手、講師、准教授を経て、現在は同大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授。専門は機械学習・確率推論およびそれらの航空宇宙分野への応用。人工知能、具体的には、機械学習および確率的推論、その航空宇宙システム等への応用について研究を行っており、特に人工衛星等の大規模システムの異常検知手法や移動ロボットの自己位置・環境認識・地図学習などを専門としている。

■株式会社スカイロボットについて

 株式会社スカイロボットは、『ロボット・ソリューションによる未来社会への貢献』をミッションとするドローンベンチャー企業。産業用ドローンソリューションのパイオニアとして、豊富な経験と独自のスキルを活かし、人間にとっては過酷な環境で活躍するロボットを提供することで、社会への貢献を目指している。

 近年急普及する産業用太陽光発電分野においては、より長期的な視点での設備保全を可能にしたドローンに搭載した赤外線カメラを活用したソリューションを提供している。非破壊検査他として、家屋調査、探索、人命救助など、当社のドローンソリューションはさまざまな分野において活用することがでる。