【初心者向け】EC運営で必須知識となる法律・金融知識をまとめて紹介

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ECを始める際に覚えておくべき事は非常に多い。その中でも専門的な知識が要求されがちなのが、法律・金融の2つだ。ECに限らずともビジネスを展開していく上では避けては通れないこの2つのトピックス。しかし、多くの人は、曖昧な知識のまま事業を展開しているのが現状だ。もちろん、弁護士や税理士などサポートを受けられる環境は整っている。

とはいえスタートアップだと、自身で知識を身につけ判断しなくてはいけないことも多い。この特集ではEC運営を行う上で知っておくべき基本的な法律と金融の知識について解説を行っていく。

知っておくべき法律

① 薬機法(旧:薬事法)
取り扱う商材が健康食品・医薬品・サプリメントなどの場合、商品ページやLPには実際にどれほどの効果があるのか、顧客の意見なども用いながら説明することがある。その際の表現に関係してくるのが、薬機法だ。

特徴としては、取り扱う商材によって、効果効能を表現できる範囲が変わってくること。その範囲以上のことを記載する事は薬機法違反として罰則対象となる。

表現の例を挙げると、「シミを防ぐ」というニュアンスの表記は問題ない。しかし「シミを消す」というニュアンスになると薬機法違反となってしまう。このような違いを理解していないと、商品販売の中止、回収などの処罰が下ることもあるので、注意しておく必要がある。

とはいえ薬機法は悪質なものを除いて、まだ指導程度で終わるケースが多い。より気をつける必要があるのが、景品表示法だ。

② 景品表示法
景品表示法について消費者庁は下記のように明記している。


景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。

消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。

景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

消費者庁 景品表示法より


景品表示法の違反は薬機法より、強い罰則を受けることが多い。自社サイトでの謝罪、日刊紙2紙に社告を出すなどし、消費者へ違反していたことを謝るのはもちろんのこと、違反広告を掲載していた期間の売り上げ3%を課徴金として支払わなければいけない。

これだけの処罰に加え、消費者からの風当たりも強くなることを踏まえるとしっかりと対策を行っておくべきなのだ。

では具体的に景品表示法違反にあたる案件としてはどのようなケースが想定されるのか、いくつか紹介していく。

どのような行為が景品表示法に抵触するのか

・優良誤認表示
実際の商品の性能やスペックなどを偽り、消費者が著しく良い商品として誤認させる誇張・誇大表示のこと。著しく、という表現の範囲だが顧客がその表現を見て商品に誘引されるか否かで判断を行う。

つまり粗悪な商品にも関わらず、いい商品であると嘘の表現を行なって商品を販売すると、景品表示法の違反に当たるのだ。

・不実証広告規制
商品の打ち出している効果効能に関して合理的な証拠がない場合も景品表示法違反となる。例えば、アプリを飲めば痩せるといった打ち出し方をしていた際に、学術的または産業界一般的に認められている方法で効果が出ると立証されつつ、立証内容と効果効能が適切に対応している必要がある。

その客観的事実に基づいた資料を提出できないと、不当表示とみなされ、景品表示法に抵触する。

ウイルス除菌99%やなどといった表示や小顔矯正といった打ち出し方も注意が必要とされている。

・有利誤認表示

通常の販売価格を、事実に相違した形で安く見せ販売する行為のことを主に指す。例えば同一商品の価格を過去に相当期間かけて販売していた時と比べて、安くしたという二重価格表示はマーケティングでも活用されますが、不当な二重価格表示は景品表示保護法に抵触する。

抵触するケースとしては、比較する過去が相当期間昔であること。最近では8週間を1つ指標としている。商品自体が販売されてから8週間未満であったりする場合はこの限りではない。

しかし、この期間を経ていても販売している時期が2週間未満の場合などは最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえないとされる。

二重価格表示以外にも、有利誤認表示とされるケースはいくつかある。例えば、商品内容量を他社と比較せず、「業界最大容量」など謳ったり、他社平均より安いと言いつつそうでなかったり。消費者の判断材料となる情報に虚偽情報を入れ込んでいると、厳しく罰せられるので、注意が必要だ。

その他、気をつけるべき法律

③ 個人情報保護法

もちろん個人情報の管理もEC運営では欠かせない。会員登録の氏名や住所、クレジットカード情報など個人情報が集まるEC。2017年に法改正があり、それまでは5000以上の個人データを保有している企業のみ対象だったが、1件でも持っていたら個人情報保護法の対象となっている。

そのため、個人情報を公表している利用目的以外の使用、同意なく第三者に情報を渡すことは全ての事業者が禁止とされている。

各商材ごとに気をつけるべき、法律・資格

取り扱う商材によっては、知っておかなければいけないルールや取得しておかなければいけない資格などがある。概要をまとめる。

食品(健康食品を含む) :"「食品衛生責任者」の資格と「食品衛生法に基づく営業許可書」を保健所に申請し、許諾を得る必要がある

食品衛生責任者…施設において食中毒や食品衛生法違反を起こさないように、食品衛生上の管理運営を行うのが役割"

お酒 "「通信販売酒類小売業免許」が必要
→販売において2都道府県以上の消費者が対象の場合"

医薬品 →"「店舗販売業許可」が必要
→医薬品をネット販売することを「特定販売」といい、この許可を得るためには「店舗販売業許可」が必要でよって、実店舗も必要となってくる"

中古品 →"古物商許可が必要
古物商許可…商売目的で利益を出す意志があり、それに継続性がある場合のことを指すため古物であっても継続性などがなかれば必要性はない
→都道府県単位で必要なため営業所がそれぞれある場合はそれぞれで取得する必要がある"

化粧品 →"「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」が必要
→化商品を製造するための許可と製造した化粧品を市場に流させるために必要な許可"


ここまでで紹介した法律の他にも専門的な規則や資格は多い。近年ではクレジットカード情報非保持化や軽減税率なども注目を浴びた法律と言える。


法律は特にトラブルに発展しやすく、様々なリスクが伴う。とはいえ、トラブルは予測しずらく、法律以外にも予期できないリスクは多い。スタートアップ企業向けにリスクマネジメントを啓蒙している企業も多いので、自社運営のリスクマネジメントに自信がない人は調べて守る価値はあるだろう。

EC・通販事業に起こりえる「リスク」をすべて解消。業界唯一のリスクマネジメントを行うHAZSの戦略

スタートアップのEC事業者にとってリスクとは何か。新しい事業を行う上で、どういったリスクがあるのかは全ての事業者が抑えておきたいところだと思う。株式会社HAZSではEC・通販業界に特化したリスクマネジメントを行う唯一の会社である。

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大事な資金繰り キャッシュフローを円滑に!

法律と同様、金融の知識もEC運営を行う上で非常に重要だ。商品開発やサイトリニューアル、広告など資金を活用したいと思う時に、必要な資金がないと機会を逃し、成長の妨げになってしまう。そこで事業者の助けになるのが融資だ。ハードルが高い印象を持たれがちだがスタートアップ企業や個人事業主でも融資を受けることは可能なのだ。

主に銀行や日本政策金融公庫が融資をしてくれるメジャーな存在として知られている。特に創業融資に積極的なのは日本政策金融公庫だ。

銀行とは違い、政府系の組織ということもあり、審査が厳しくないのも1つ特徴。スタートアップ、個人事業者向けだと銀行の審査に落ちるケースは多々あるが、日本政策金融公庫は融資を手軽に受けることが可能だ。

とはいえ、融資を受けるには事業計画書など自社をこれからどう成長させていきたいと考えていきたいか、融資で集まった資金をどう活用するのか考え、提出する必要がある。

その融資受け入れをサポートしてくれるのが行政書士だ。書類作成時のアドバイスはもちろん、経営について相談に乗ってくれるところも多い。実際に融資を受けるメリット、どのような対応をすべきなのかは下記記事から。

個人、中小でも金融機関から融資を受けられることをご存知ですか?

ECに限らず、運営資金は非常に重要だ。そんな時に施策の1つとして考えて欲しいのが、融資だ。銀行や日本政策金融公庫から資金の融資を受ける事で、事業を安定させ、成長の土台を作ることができる。そして意外と知られていないが、融資は個人事業主レベルでも実績さえあれば受けることが可能なのだ。

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ベンチャーキャピタルとは?銀行と何が違う

銀行と日本政策金融公庫と同様に、企業に資金を投資するベンチャーキャピタル(VC)と呼ばれる組織がある。成長率が高いと思われる未上場企業に投資を行い、上場やバイアウトで得たリターンを報酬として受け取るモデルのため、全ての事業者にとって必要とは限らない。しかし、会社を急成長させていきたい、優秀なコンサルに入ってもらいつつ資金も調達したい、といった強い覚悟がある人はVCに話を聞いてもらうのも1つ大きな手だ。

VCは培った経験や人脈を活用したコンサルティングも展開するケースも多い。そのため事業者と二人三脚で経営を進めてくれる強力なパートナーにもなり得るため、将来上場を目指す人であればスタートアップの段階からVCに相談できる環境に身を置き、勉強会に参加する人も多い。

ただデメリットもある。投資後のVCはいわば株主状態だ。自社の経営に少なからず干渉して来るケースもある。その際に自身の考えと相反するものの場合など、折り合いをつけることが難しい場合も想定される。また、上場が難しいとなった場合、ベンチャーキャピタルが保有している株を経営層や関連会社、第三者に売却し資金回収を行う場合がある。


メリットも大きいものの、デメリットのことも考え、VCから投資を受けるかどうか判断する必要があるのだ。

法律・金融の相談は専門家へ

法律と金融はECに限らず、ビジネスを行う上でとても大事な領域だ。しかし専門知識を問われるケースも多く、ネットの情報だけではカバーしきれないケースはとても多い。

自身だけで調べようとせず、専門に対応している企業に相談しに行くのが最も安全で近道。

とはいえ、自身の知識がなくていい、ということには決してならない。何かがあった際に責任を負うのは結局自分自身ということを忘れずに、自社運営に必要な基礎知識は身につけておくべきなのだ。

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