その広告表現、薬機法・景表法違反していませんか?EC運営の法律面対策について弁護士に聞く

ECのミカタ編集部 [PR]

弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 弁護士 成眞海(せい しんかい)氏
平成29年4月に丸の内ソレイユ法律事務所に入所し、美容・健康・薬事における広告規制などを中心に企業法務を担当している。

ECサイト運営において、商品やサービスを紹介する際、どうしたら消費者に響くか、CVにつながるかということは当然考えるが、法律について考えることは少ないかもしれない。しかし、EC市場の拡大に合わせるように、広告表現についての行政による指摘や処分は増えており、法律面を無視した広告表現を続けるのは危険だ。具体的にどのような表現が、どのような法律に違反する可能性があるのか。また、どうすれば対策ができるのかについて、弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 弁護士 成 眞海氏に伺った。

自社の広告表現が法律に違反している可能性

自社ECサイト運営において、対策が手薄になりがちなのが、広告表現の法律対策だ。丸の内ソレイユ法律事務所では、2016年から、ECサイトの広告表現に関する法律相談に力を入れている。

「ご相談が多いのは、化粧品や健康食品を扱うEC事業者様で、自社のLPの記載が法律に違反していないか見てほしいという話ですね。薬機法(旧「薬事法」)や景品表示法に関するところになります」(成氏)。

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。医薬品、医療機器等について定めた法律だ。化粧品、薬用化粧品についても定められている。化粧品、薬用化粧品は表現できる効能効果の範囲が薬機法により定められており、その範囲外の効能効果を打ち出すことができない。

「化粧品を扱っている会社様はもともと薬機法を意識されています。決められた範囲内でどう表現するかというのが、化粧品業界に共通するテーマでもあります」(成氏)。

薬機法は健康食品にも関係する。健康食品であるにも関わらず、消費者に医薬品と誤認されるような効能効果を表示している場合は、薬機法違反となる。ただ、健康食品の場合、それ以上に景品表示法(以下「景表法」)に注意が必要だ。

「健康食品を扱うEC事業者様は、景表法に関する意識が高くなっています。消費者庁が力を入れていることもあり、行政処分が頻繁に出されるようになっています」(成氏)。

景表法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。商品・サービスの販売に関して、「有利誤認表示」と「優良誤認表示」が禁止されている。

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格や販売条件について実際より有利であると偽ること。たとえば、本当は限定ではないのに「限定〇〇個販売」「限定〇〇時間販売」と表示することなどだ。

優良誤認表示とは、商品・サービスの品質や規格について実際より優れていると偽ること。たとえば、実際は効果がないのに「飲むだけで痩せる」などと表示することなどだ。優良誤認の判断には、宣伝内容に合理的な根拠となる証拠があるかが重要になる。

EC運営者が特に気をつけるべきは「景表法」

薬機法と景表法、どちらにも違反しないように注意が必要だが、具体的に処分を受ける可能性が高いのが、景表法だという。

景表法違反に対する行政処分としては、消費者庁または都道府県から措置命令が出される。措置命令が出ると、自社のWebサイトおよび日刊紙2紙に社告を出し、消費者に誤認させる広告を出していたことを公表したうえで、社内で再発防止措置を取らなければならない。さらに、課徴金制度があり、違反した広告を行っていた期間の売上の3%が課徴金として課される。これだけの措置に対応するとなると、企業としてのダメージは大きく、日常の運営にも影響が出ることになる。

「措置命令の事例が多いのは、健康食品の中でもダイエット系の商品です。また、化粧品も景表法の対象となります。以前、シミ対策を謳った商品で消費者庁ではなく東京都から措置命令が出ました。これは都が初めて出した措置命令ということで、印象深かったです」(成氏)。

また、最近では機能性表示食品に対する措置命令も増えているという。

「機能性表示食品では、機能性に関して届け出を行いますが、それをあきらかに超える効能効果の広告は、景表法違反になります」(成氏)。

薬機法の行政処分は、景表法のように公表されることはなく、商品の販売中止や回収はあるが、指導レベルにとどまることが多いそうだ。ただし、未承認の医薬品や医療機器の販売といった悪質なケースになると、刑事処罰が適用される。また、指導を受けた場合は、表示の全面改訂など速やかに対応しなければならない。

法律を正しく理解したうえで自社の判断基準を持つ

丸の内ソレイユ法律事務所は「広告関連の法律に強い」というのが特徴のひとつだ。

「薬機法や景表法に関しては、売上が伸びてきたのでそろそろ企業として気をつけないと危ない、上場前に広告面を今一度見直したいといったタイミングでのご相談が多いです」(成氏)。

そんな相談のなかで、EC事業者様からは「効能効果について本当はここまで言いたいけれど、法律的にそこまでは言えないので他社との違いが打ち出せない」といった悩みもよくあるという。

「こだわりを持って作られている商品だと、現場の方から『本当はもっと言いたい』という声を聞くことが多いです。それはごもっともだと思います。ただ化粧品などは、いろいろな成分を配合しても、薬機法で定められた範囲外の効能効果を言うことはできないので、表現には悩まれるところだと思います」(成氏)。

法律を守りながらも売上を上げるためには、法律を正しく理解したうえで、自社としての広告掲載への判断基準を持つことではないだろうか。

「我々はあくまでもアドバイスをする立場として、この表現はこの程度のリスクがあるといった情報を提供させていただきます。そのうえで、事業者様の基準で判断していただければ良いと考えています。しかし個別の広告表現については一般論で言えないことが多いため、直接拝見させて頂き、お話しをして、修正広告案を私が書くこともあります。弁護士と言うと一方的な印象を受けることが多いかもしれませんが、我々は一方的に何か言うというよりも、一緒に正しい広告を作っていくというイメージです」(成氏)。

EC市場の拡大により、ますます規制が厳しくなる可能性

注文内容確認における適切な画面表示例
引用:消費者庁HP

特に注意したいのが特商法と定期購入だという。定期購入ではここ数年、トラブルが急増しているそうだ。よくあるケースが、消費者が定期購入と気づかず割引に惹かれて購入したものの、後から定期購入とわかり、しかもすぐには解約できないというもの。

「トラブルの増加を受けて、一昨年頃、定期購入に関して特商法が定める規則が変わり、LPに定期購入ということがわかるよう記載しなければならないという形になりました」(成氏)。

トラブル事例としては2018年の年末に、特商法で業務停止命令が出ていた。
具体的には、デオドラント商品を販売する会社に対して、「匂い菌〇〇%殺菌」という広告表現の根拠がなかったことと、「販売残り〇〇時間」と表示しながら実際はそうではなかったことの2点が指摘された。これは景表法違反として行政処分が可能でありながら、特商法で業務停止命令という重い処分になったということが、注意すべき点とのこと。

そういった処分がされる可能性も出てきたことで、特商法で定められている定期購入に関しても注意すべきと考えられる。業務停止ということは、企業として売上が立たない状態になるので、3ヵ月もこういった状況が続けば倒産ということも十分にありえるのだ。

また、薬機法に関して、今後は景表法と同様に課徴金制度を導入するという議論があるそうだ。背景にあるのが、ある医薬品のデータの不正問題だ。社員が逮捕されるまでの大きな事件になったが、その不正データを基に広告・販売を行って得た利益は、依然会社に残ったままである。そういった売り逃げ行為をさせないために、課徴金制度の話が出ているのだ。

実際に薬機法に適用されるとなれば化粧品・健康食品に適用される可能性もゼロではないため、頭に入れておく必要がある。

少しでも不安な点があればまずはプロにご相談を

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「自社の広告について不安に思う点がある事業者様は、まずは一度相談していただきたいです。また、万が一自社のECサイトに<利用規約・プライバシーポリシー・特商法の表示>がない場合、最低限必要なところなので、すぐに相談に来ていただきたいですね」(成氏)。

法律のことは専門家である弁護士に聞くのが一番確実だ。丸の内ソレイユ法律事務所では、EC事業者が集まる展示会などでセミナーに登壇することも多い。そういった機会を利用するのも良いだろう。また、顧問先では勉強会も行うそうだ。

「スタートアップの頃のような、とにかく売上を伸ばしていく状況では、広告の規制を気にする余裕はないかもしれません。しかし、ある程度売上が伸びてきたときに、企業としてそのままで良いと思うのか、法律に則った形にしたいと思うのか。最後はその会社様の選択次第だと思います。ただ我々はあくまでもアドバイスをする立場として、各事業者さんの意向に沿ったお話ができます。決して敷居は高くありませんので、まずは一度相談にいらしてください」(成氏)。

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