年内に行いたいECサイトの課題発見のポイント!
12月に入りカレンダーも残り1枚となりましたが、皆さんは充実した1年だったでしょうか。
この1年を振り返ってみると、昨年同様にコロナに振り回される激動の1年ではありました。
ただ、オリンピックは無事に開催、11月に入るとコロナの終息も見えはじめ、明るいニュースも出てきた1年になりましたね。
さて、せっかくこうして1年を振り返るチャンスですので
ECの成果を振り返り、来年にむけ施策を考えてみてはいかがでしょうか。
そこで、今回はEC担当者であれば知っておきたい、ECサイトの分析のポイントについて解説したいと思います。
そもそもEC担当者の業務とは
EC担当者の業務といえば、サイトの更新や、発送業務、お客様対応、ブログやSNSの更新を思浮かべる人は少なからずいると思います。
しかし、それだけでは不十分!
EC担当者であれば、売上を伸ばすための対策を考えていくことこそが、本当に大切な業務です。
この対策をしっかりと立てられてこそ、一人前のEC担当者と言えます。
では、どうすればいいか、具体的に考えてみましょう。
ECサイトの売上に関わる3要素
まず、最初にやるべきことはECサイトの売上の要素を理解し、KPIを立てることです。
ECサイトの売上は
売上=アクセス数×購入率×客単価
の方程式によって表されます。
つまり売上を伸ばすには
・ECサイトに来る人の人数を増やす
・来てくれた人に買ってもらえる確率を上げる
・1回あたりの売上の平均単価を引き上げる
この3つをKPIに落とし込み、見直し、施策を行うことが必須!
では、この3つの要素をさらに分解してみていきましょう。
ECサイトのアクセス数を考える
まずはアクセス数。
アクセス数には「新規集客」と「リピーター集客」の2種類があります。
たとえば
Googleアナリティクスなど分析ツールを使い、昨対比でアクセス数が80%と落ち込んでいることがわかりました。
このような状況時、広告の金額を増やしたり、SEOの見直しといった「新規集客」の対策を思い浮べる人は非常に多いです。
しかし実際細かく分析をしてみると、リピーターの数が減少しているだけで、新規集客は順調というケースも少なくありません。
もし、そういう状況で新規購入のアクセス対策をするのでは効率が悪いです。
一般的には、新規顧客とリピーターの購買比率は2:8の割合が理想といわれています。
もちろん商材によって、この比率に近づけることが難しいケースというのは多くありますが、
この理想値をひとつ判断基準とし、アクセス数がどういう状態なのかを見直し、改善施策を考えていきましょう。
新規購入のアクセス改善であれば、広告やSEO対策
リピーターのアクセス改善であれば、メルマガ配信や、同梱物の見直し
これらの施策が効果的と言われています。
ECサイトのアクセス状況により優先的に行うべき施策は変わってきます。
そのため、もう一歩深いアクセス分析が大切となります。
ECサイトの購入率について考える
次に購入率について考えていきましょう。
一般的に自社ECサイトの購入率は1%が目安とされています。
この1%を超えると購入率は高い、反対に下回ると低いと判断されますが、
購入率に関しても、分解して考える必要があります。
購入率は、「商品をかごに入れてもらうまで」の施策と「かごに入れた商品を購入してもらうまで」の施策と2種類があります。
商品をかごに入れてもらうまでに問題がある場合
・離脱が多いページはどこか多いか
・商品ページにはどういうページを経由してたどり着くか
・人気商品がすぐに見つかるか
などを分析し、課題を見つけましょう。
改善施策として
・人気商品をサイトの目立つ部分に掲載
・ランキングやおススメ商品をサイト内に表示
・商品写真、商品説明の見直し
といった構成やデザイン面
・広告や自然検索のキーワードの見直し
といった集客面の見直しといった多岐にわたる改善が考えられます。
かごに入れた商品を購入してもうらまでに課題があるのであれば
・決済方法の見直し
・購入時に入力させる項目の見直し
・離脱防止ツールの導入、
が効果的な施策です。
一般的に「かご落ち」と呼ばれるかごに入れて購入にいたらないケースは、70%程度あると言われています。
すでにかごに商品を入れている購入意欲の高いユーザーだからこそ、逃さないようにする仕組みをいれるのが大切です。
ECサイトの客単価について考える
最後に客単価です。
こちらは、商材によって単価は変わってしまうため、当然ながら基準値の提示が難しい部分になります。
ただしその中で、同業他社と比較をした場合や業界分析をした場合に、見込めると考えた基準値と比べどのような結果かというのが一つの判断基準になります。
また、長く自社ECサイトの運営を行っているのであれば、
前月比、昨年比で見た際どのような変化があるかというレポートも大切な基準になります。
もし昨年比を見て、成長がないのであれば、
何かしらの新たな施策を行わなければ成長はありません。
そのためにはセット商品を作りまとめ買いがしやすい商品の販売施策や、
いくら以上の購入で送料無料のような、高い金額での購入を促す施策など
単価を延ばしていくための対応が必要となります。
特にアクセス数や購入率と比べ、客単価を伸ばす施策に関しては、ついつい対策が後手になってしまうことが多いです。
そのため、変更できる部分から細かな改善を行い、単価を伸ばしていくのに何が有効かを明確にしていきましょう。
この3点が考えるべきKPIの項目とそれに対応する施策となります。
施策がわからないときは、他社分析
ただ、実際課題となる項目が明らかになっても、それを具体的な施策に落とし込むために何を行えばいいか考えるのは難しいですよね。
そういうときはまず、ベンチマークとなる競合他社のサイトをピックアップするところからはじめましょう。
その際、大切なのは、ただ眺めるだけでなく実際にその EC サイトで購入してみることです。
・どういう経緯でそのECサイトを知り、アクセスするようになったか
・ECサイト内のどの部分を見て購入意欲が湧くか
・商品を購入してから到着するまでにどういったメールがどのタイミングで届くか
・同梱物はどのようなものが付いてくるか
・日々の更新内容
などなど
競合サイトをさまざまな視点で研究し、自社のECサイトで行える施策を取り入れていきましょう。
これら自社のECサイトの課題とその施策を年内に明確にすることが、来年からのECサイトの売上は最大化することに繋がります。
ですので、年内のこの時期にきちんと現状分析を行うことが大切です。