社内リソースの割き方を見直す!成果を出すEC運営の優先順位設計
社内リソースの割り振りは適切でしょうか?
EC運営に関わる業務は多岐にわたり、限られた時間と人員の中での対応は非常に多忙です。ECに参入したばかりの頃は、優先順位をつけることすら難しく、毎日が目まぐるしく過ぎていくことでしょう。一方で、運営に慣れたEC事業者でも、「感覚」に頼った業務の中に改善の余地が残っているケースは少なくありません。
本記事では、EC運営でよくあるリソース配分のミスと、その改善に役立つ考え方を紹介します。
商品ページを作り込みすぎて公開が遅れる
初手から100点の商品ページを目指すあまり、販売機会を逃していませんか?
「大切な商品を余すところなく、より魅力的に伝えたい」という気持ちはよく分かります。しかし、100点を目指すよりも70点で公開したほうが、結果的に「売れる商品ページ」を作る近道になります。
100点よりも70点でページ公開するべき理由は主に3つです。
①ECはスピード感が大切
・特に季節商品やトレンド商品は、企画~販売までのリードタイムが短いほど有利。
・100点を目指すことで、撮影、原稿、デザインに時間がかかり、販売機会を逃す。
②正解は公開後にしか分からない
・商品ページの最適解は、公開後のアクセスやCVRなどのデータを見ないと分からない。
・「これなら完璧だ」と思ったものが、ユーザーに刺さるとは限らない。
・公開後にA/Bテストやヒートマップ分析などで改善したほうが精度が高い。
③広告やSEO対策のPDCAとの相性
・広告を配信しながら、データを元に訴求や転換率のボトルネックを改善するのがECのセオリー。
一定のクオリティを保ちつつ、制作工数を減らしスピード感をアップさせるために、商品ページやサムネイルのテンプレート化はおすすめです。
全商品を同じ熱量でPRする
売れ筋商品も、不動在庫の商品も、同じ熱量で更新・PRしたり広告配信していませんか?
限られたリソースの中で売上を最大化するには、「売れる商品にリソースを割く」が鉄則です。全商品を同じ熱量で対応しようとすると、リソースが足りず、どれも中途半端になってしまいます。
とはいえ、売れ行きが芳しくない商品のテコ入れも大切です。売れる商品を優先しながらも、「セールで在庫処分」「季節ものの訴求を強める」など、商品特性やイベントに合わせて適切なタイミングでテコ入れをしていきましょう。
社内承認フローが長すぎる
画像や文言の細部確認に時間がかかり、ページの公開が遅くなっていませんか?明らかな間違いや、誤解を招く表現は修正が必要であり、また薬機法などに関わる内容は慎重に進める必要がありますが、「画像をミリ単位で調整する」「こっちの言い方がいいかも?」などのニュアンスの違い程度の修正は一旦置いて、まずは公開するという体制が理想です。
責任者を明確にし、承認に関わる人数を必要最低限にする、画像やページのテンプレート化を進めたり、色味や使える表現のトンマナを整えるなど、承認フローが円滑に進む体制を作りましょう。
施策を効果測定せずに続ける
「昨年もやったから」「なんとなく恒例で」という施策はありませんか?
効果測定をせずに施策を行っていると、「施策に割いたリソースと成果が伴っていない」ことが起こりやすくなります。
例えば、同じ時期にまたセールをやる場合にも、「なぜ前回は売上が伸びなかったのか」を検証して、次回の施策内容を改善することが大切です。
場合によっては、成果が芳しくない恒例化した施策をやめる勇気も必要でしょう。
また、施策の効果は売上だけではなく、SNS対策のように認知拡大やブランディングに貢献している場合もあります。
施策の内容に関わらず、効果測定の際に「売上」を見てしまいがちですが、施策の目的を明確にしておくことで、正しい評価が可能です。
セールやキャンペーンも単なる値下げではなく、「新商品のPR」「在庫圧縮」など、何を目的とするか決めておくことで、施策の精度が上がり、効果測定もしやすくなります。
適切なリソース配分の考え方
「優先順位に迷ったら、売上インパクト×実行難易度で決める」という考え方もありますが、そうするとSEO対策のような、成果が出るまでに時間がかかる施策が後回しになってしまいます。
施策の優先順位を決める際は、以下の4つの視点を踏まえて検討しましょう。
①短期施策と中長期施策とを分けて考える
・短期施策 =すぐ売上に直結する施策(広告やページ改善など)
・中長期施策=成果が出るまでに時間がかかる施策(SEO対策やブランディング施策など)
②施策の性質毎にリソース配分を決める
例)全体リソースの7割を短期施策、3割を中長期施策に割り当てる
③「持続性」を評価軸に加える
一過性の売上アップ施策と、持続的に集客・売上を生む施策の両立を意識する
④リソース投入のタイミングを分散させる
特にSNS投稿やSEO対策などの中長期施策は、一度にまとめてやるのではなく、週・月単位で積み上げていく運用にする。
このように、短期施策(売上重視)と中長期施策(資産作り)の両面を意識して施策の優先順位やリソース配分を設計することで、売上を最大化しながら、売れるECサイトの土台を強化していきましょう。
まとめ
「やることが多すぎて、優先順位をつける暇もない」──これは多くのEC事業者が抱える悩みです。
だからこそ、施策の目的とリソース配分を一度整理し、日々の運営を仕組み化していくことが重要です。
最初は見直しや準備に少し時間がかかり、負担も増えるかもしれません。しかし、一度仕組みが整えば、判断や作業の手間が減り、日々の運営がぐっと楽になります。仕組みを整え、攻めの施策に踏み出せる体制を整えていきましょう。
EC運営においては、SEO対策、広告、SNS、LINEなど様々なプロモーション施策を複合的に実施できるのが理想的です。
ぜひ、EC運営でお困りの方はGIVE&GIVEまでお問い合わせください。
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