【第3回】花屋の軌跡!店舗からECまで生き残るための術
誤解を恐れずに言うと、遠くない将来、街の花屋はなくなると思います。もちろん全ての花屋がなくなる訳ではありません。
駅に隣接している花屋、商業施設にテナントとして入っていたり、集客力のある立地にある花屋は生き残っていけるでしょう。もしくは、これからお話しする「店舗販売だけでなく、他の利益を生み出す仕組みを作っている花屋」は生き残るはずです。
本コラムでは私が10年間に「花」を商材とした「仕組み作り」を行っていた軌跡をお話しさせていただきたいと思います。「花」をみなさんの商材に置き換えていただき、少しでもみなさんのヒントになれば幸いです。
第1回:https://ecnomikata.com/column/10455/
第2回:https://ecnomikata.com/column/10508/
第3回:https://ecnomikata.com/column/10509/
花は主役であって、主役ではない
私が勤め人だったころ、昇進祝いなどの度に会社に多くの胡蝶蘭が届いていました。花屋の息子として育ったにも関わらず、花の知識はほとんどなく、届いた胡蝶蘭を見ても「すごい豪華だな」程度にしか感じていなかったのを覚えています。
ただ一点、胡蝶蘭についている「お名札」は見ていました。
逆も同じことが言えます。ご注文主も胡蝶蘭を贈っている訳ではなく、「お名札」を贈っているんです。もちろん、胡蝶蘭が綺麗なのは当たり前で、品質も良いものであるのが当たり前です。
何万円もするお花をお贈りする最大の理由は「お名札」です。もっとストレートにいうとご注文主は「お名札」に何万円もお支払いただいているんです。よく考えたら当たり前のことですよね。B2BのEコマースを手掛ける際には、ここが大事なポイントではないでしょうか。
花を売るのではなく、サービスを売る
同じく法人需要の特色として、急ぎのご注文が多いことがあげられます。やはり私が勤め人だったころの話ですが、上司がアシスタントの方に移転祝い、昇進祝いの胡蝶蘭を手配するように指示をしていました。お勤めの方は頻繁に目にすることだと思いますが、お付き合いのある会社から「移転ハガキ」「組織変更」などの通知がよく届きます。
その度にアシスタントが上司へ「お花か何か贈りますか?」と確認をしていました。そうすると上司は一言、「ここは○○円くらいの贈っておいて」と。
当然、上司の方はお付き合いの深さを考慮して予算を決めていたのだと思いますが、あくまでもざっくりした予算だけの指示です。その後、アシスタントの方は予算に合った品物をすぐに手配に入ります。
ここで面白いのが、ほとんどの「移転ハガキ」「組織変更」というのは事後報告が多いのです。あまり前もって報告してはまずい部分もあるからでしょう。そうするとアシスタントは即時手配可能な業者を探すしかありません。
弊社では「花急便ドットコム」とうブランドで「午後4時までのご注文で当日全国配送可能」をウリにした花贈りのサービスを展開しています。誕生日やイベントなどとは異なり、事前準備が難しい状況ですと、非常に便利なサービスではないでしょうか。
同じ胡蝶蘭をお贈りする同業他社は数多くあります。しかしながら、お客様のニーズに合わなければいくら品質の良い品物を揃えても、いくら安価に提供してもご注文をいただけません。同じ花を売るにしてもサービスで差別化を図らなければお客様から支持されません。
次回は、花のギフトと布団屋さんの仕組みについてお話します。