【第6回】EC素人集団 「米・雑穀のみちのく農業研究所」

長濱 洋平

9月某日
私たちは、東北一の有名店舗さんに会うために、秋田新幹線こまちに乗り込んだ。
本日のEC友好通商条約を結ぶためにお伺いさせていただくのは、『きれい研究所株式会社』。
あの「茂木和哉」本人に本日は会えることになっている。
ワクワク♪

※バックナンバー
【第1回】さらばヘビメタ~借金との出会い~
https://ecnomikata.com/ecnews/backyard/8794/

【第2回】3万円の中古の原付バイク
https://ecnomikata.com/column/9084/

【第3回】金髪・ロン毛・1児の父
https://www.ecnomikata.com/column/9476/

【第4回】奇跡の山賊
https://www.ecnomikata.com/column/10169/

【第5回】子育てと起業と三畳一間
https://www.ecnomikata.com/column/10662/

登場人物  
 茂木→「きれい研究所株式会社」代表取締役社長 茂木和哉さん
 柴田→「きれい研究所株式会社」取締役会長 柴田幸治さん
 ロングビーチ→「米雑穀のみちのく農業研究所:長濱洋平」
 山賊→「楽天市場・荒木真司」
 ※敬称略

農家さんを守りたい

農家さんを守りたい

ロングビーチ)私は書くのが仕事ではなく、米を摺るのが仕事ですから。ECのミカタさんから頼まれたのは今後、EC人口を増やしていくような近道があるのか、ヒントを書いてくれというお題目だと思って始めたのですが、我々のネット事業はマンパワーでやったものですから、一言で説明すると努力と忍耐と根性で終わってしまう。そこで、楽天さんに協力を頂きながら今後活躍していけそうな店舗さんを発掘して行きたい。前回はお野菜クレヨンのMIZUIROさんでした。というわけで今日は宜しくお願い致します。

山賊)お二方の縁というところを話しますと、一応、2016年年初の朝日新聞に一緒に載ったということがありました。あと、どっちも店舗名に研究所がついている。「みちのく農業研究所」と「きれい研究所」、そのときの記者に研究所は流行っているのですか?と言われました。笑

ロングビーチ)あと、秋田の縁、私は中学高校の3年間秋田におりました。だいぶ様変わりしましたけどね。東側は田んぼしかなかったですから。

山賊)去年、内閣府の賞を取ったストーリーとしても、創業当時40人の契約農家がいたのですが、それから10年で1000人を超えるまでになっている。

茂木)農家も嬉しいですよね。作るのは長けていると思うのですが、売るまでは覚えない。むしろ売る方が重要な中で、それは嬉しいですよね。

ロングビーチ)農家さんは立場的に弱いところにいますので、そこの解消をしていかないと。日本の農業自体弱体化している。輸入穀物に消費者が流れてしまう中では、次世代の就農というのは無くなってしまう。ビジネスじゃないというのがわかっていれば、息子に「おまえトラクター乗れ」って勧められないですよね。農業所得の低い現在では。

茂木)ちょうど、うちらの世代で代替わりしていて、農業している方が多いのですが、売上をあげる方法は田んぼを増やしていくという考え方になっていく。加工するとか直販するとかいろいろある中で。でも田んぼを増やすという考えだと、手一杯になってしまって、体力勝負です。そのやり方だと価値は上がらないわけじゃないですか?価値を上げる必要があるのに。

ロングビーチ)今の農業で飯を食うのに、機材関係の減価償却をやっていくと50町歩やって初めて今の米価でプラスマイナスゼロになる。その量ってべらぼうな数字なわけですよ。だから今、それを加工したり、商品価値を上げることをしたほうが近道なのかなと。

茂木)特に秋田だと、米のその次が無いじゃないですか。減反で作付面積2位が大豆なのですが、その理由も補助金が多いから。そんな理由でやっているのであれば、だいたい良い豆できないですよね?それなら価値のあるえごまとか、絞って油にすると小瓶で1000円以上とかで売れるじゃないですか?ハウスひとつ加工場つくればいいじゃないですか?教えてくれる人もいないのですかね?

ロングビーチ)いや、助成金という人参をぶらさげると、やりやすいものにどうしても行ってしまう。豆だったら出来やすいですし、ある程度農家で機材がそろっているもので固まってしまう。生産者自身が作る努力もしないし、いいものを作る努力もしない。今年はいちばんこれが儲かるから作る。でもだいたい助成事業は3年くらいで終わるので。で、次これやると儲かるよというのがあると、農機具メーカーからこの農機具買いませんか?みたいな。そのサイクルで農家は機械代金の返済に追われる。

山賊)農家を守りたいという社会的な意味合いも共通している。茂木さんも問題意識を持って洗剤を開発しているわけですよね。

茂木)私も妻も稲作農家の出でして、私に関しては農業短大出身です。農業とは切っても切れない関係です。

ロングビーチ)完全に農業の社会で生きてきたんですね?

茂木)今は大曲に住んでいるのですが、周りは農家であふれていています。農家が良くならないとここは疲弊してしまう。お米だけが強くて副産物がないとか、兼業農家とかいろいろなキーワードがあるのですが、なぜこんな状態になってもお米だけにそこまでこだわるのはなんだろうなぁと思うし、なんでもっと直販しないんだろうなぁとか思う。自分のやっていることと農業を照らし合わせると強く思う。洗剤を作って直販するという経験からうまくいった点は農業に活かせれると思うんですよ。もしそうなら良いもの作ることよりお客様に直接売ることの方が重要なのは間違いないです。
直販したからといって販売するための工夫と努力は必要なので必ずうまくいく訳じゃない。でも現状のままでは良くないのは明らかですよね。このままでは、ふるさとが無くなるじゃないですか。
大曲にもコンビニがたくさんできましたが、10年後はどの程度残っているのか、今は一時間に一本止まる新幹線も10年後は何時間に一本くるのだろうと。

山賊)秋田県って最も人口減少が加速している県って言われてますもんね。

茂木)秋田市は最後だとしても、このままだと大曲は10年後、20年後にはかなりまずいような気がします。ふるさとがなくなる感覚ってどうなんでしょうかね。自分が卒業した学校がなくなるのでも想像するともかなり寂しのに。

ロングビーチ)その土地でできることってまだまだたくさんあるはずなんですけどね。いま我々は生米を炊いて食べるということに直結してやっていますけど、プラスアルファのところで新たに商品を考えたりだとか、地元のお米を作っている人に一部を担ってもらったりという努力、商品開発なんか考えられればというのを感じますね。

米農家がもつワイルドカード「米ぬか」

米農家がもつワイルドカード「米ぬか」

山賊)導入ばっちりですね!ということで、今回は米ぬかなんです!米ぬかをどうにかして使えないかということでして!

茂木)米ぬかですか?うちのほうの業界からすると非常に価値高いですよね。油が採れるので。油は植物の種から採るのがほとんどですが、米ぬかからも油が取れるんです。しかも良質な油で美容成分も入っているんですよね。それが結構注目されています。米ぬかって大きなプラントがある工場で溶剤つかってしっかり油をとるんですよ。しっかり取るので美容成分がほとんど残っていないんですよ。荒く取ると良いんですよ。搾油して、溶剤使わずに。
米ぬかは酸化が激しいので油をとるって難しいことなんです。たとえば一週間以内にしぼらないと、品質が下がってしまって使えないんですよ。となると、精米したらすぐ米ぬかでるわけですよね。その環境ってなかなかありそうでないんですよ。
農協行って、これいつの米ぬかですかと聞くと一週間以上経過しているものばかりなんです。精米して、搾油機ですぐ絞れば、相当質の良い油がとれます。それだけで価値あるんじゃないですか?

ロングビーチ)精米して一週間以内ですか?

茂木)もちろんすぐのほうがいいのですよ。

ロングビーチ)直絞り的な?

茂木)すぐ絞りました!「おお、すごいね!」みたいな。

ロングビーチ)本当はそれを農家がやればいいと思っているんですよ。米油つくるまでそれを楽天で売ったらいい。

山賊)あと、売り場と指導、販路もあれば出来ますよね。

茂木)そこまで農家がやるようになれば、鮮度の良い油を仕入れて、石鹸にできる。

山賊)なんでやらないのですか?

茂木)知らないんですよ。おそらく。

山賊)社長も知らない?

ロングビーチ)鮮度というのは知らなかった。

茂木)空気に触れると何でも収穫したとたんダメになる。特に米ぬかは油が入っているから。

山賊)ぱっと鮮度の良い米ぬか集められるイメージありますか?

ロングビーチ)集めれるというか、自分のところで毎日何トンか出てますので。

茂木)トンですか?

ロングビーチ)はい、それはさっきの業者さんが回収にきますから。米油の原油として。

山賊)今は出して終わりということですよね?可能性としてはそこで鮮度を保って。茂木和哉監修で。

茂木)油だけでも価値あります。

ロングビーチ)搾油機買おうかな?

茂木)個人でやっている人はいますよ。オリーブオイルの代用として野菜にかけたり、てんぷらに使ってもいいし。

ロングビーチ)家庭用搾油機とかあるんですか?

茂木)あります。よく売られている安い油あるじゃないですか?しっかり効率よく油とるために溶剤使われてますからね。大豆油に関しては、その溶剤を使うことが体に害があることなのでは?と問題視されている。

山賊)搾油機ありました!(スマホを見ながら)

茂木)日本製のやつが良いですよ。これがあれば出来立てのドレッシング作れますよ。

山賊)社長、9万円です。

ロングビーチ)まあまあするね。笑

茂木)米ぬかはあまりとれないですよ。20%も取れないかも。もしかしたら一回煎ると出やすいかも。大豆は乾燥させるだけでもそこそこでますけど、米ぬかは煎ったりペーストにしたほうが良いかも。ペレットにして飼料につかっているような。なぜかというと水分を飛ばしているので効率よく絞れる。

山賊)海外製だとアマゾンで2万円ですよ。

ロングビーチ)自動はないんですかね?笑

一同)

茂木) 大きいのはありますが何十万しますよね。家庭用はお試し用ですよ。でも美容成分が入っているので、肌に塗ったり、オリーブオイルと同じように。酸化がしなければいろいろな使い道ありますよ。

ロングビーチ)たとえば、お風呂の入浴剤なんかはどうなんでしょう?

茂木)いいですよ。油のほうじゃなくて、抜けたほうとか。麻袋に入れてやるといいんじゃないでしょうか?

ロングビーチ)間違ってなかったなー。

山賊)前回のコラムでおやさいクレヨンさんと話したときに、野菜を家で切って、干して、作り始めたらしいんですよ。そのときに社長も入浴剤用として米ぬかを売ろうとしたらしいんですよ。でも奥さん肌に触れるものはリスクが高いからやめてと。

ロングビーチ)それは、薬事とかたいへんだから!笑

ロングビーチ)茂木さんの看板商品をはじめてつくろうかなって思ったきっかけを教えて頂けますか?

茂木)水垢が頑固なことは知っていた。ニーズがあるかはわからなかったのですが、それを落とせる洗剤が用意できたということで、楽天で売ったんですね。商品名も今と違って「ハイブリットクレンザー」とう名で、なかなか楽天だけでは売れなかった。当時を思い出すと、世間の人が水垢がどんな汚れなのか分かっていないというケースがあって、それをうまく伝えきれなかった。最初の売れたポイントは、実演販売士さんが東急ハンズに入れてくれたこと。彼が説明してくれますし、汚れのコーナーに入れてくれたことで、イメージしやすくなる。その人の提案だったんですよね。商品名の茂木和哉は。

ロングビーチ)ということは売り方の点で、実演販売士さんとマッチしたということですね。

茂木)2013年の10月、商品化して2000本いきなり注文がきました。東急ハンズの名古屋店と新宿店で半月で売ってしまった。新宿店で売れたということが大きくて、テレビのロケ班が取材で来るらしいんですね。それでメディアに出るようになりました。
年が明けて4月にTVの全国放送がありまして、特に楽天が受け皿となってヒットとなりました。これまで受注も10個20個の中で4,000個とかきました。

ロングビーチ)なるほどですね。今の話をまとめると、実演販売士が茂木和哉にしたらどうですか?というのが大きなターニングポイントで。

茂木)はい、出会ったというのが大きいですね。

ロングビーチ)となると私は搾油機を9万円で買って、搾油をし、そして茂木さんに出会うみたいな笑

山賊)どういう方向に持って行きます?

茂木)100%オイルだと非常に貴重ですからね。なにか他の油をベースにして少しオリジナルの精油を加えて石鹸をつくるとか。精油だけの販売でも流行っていますから。

ロングビーチ)米って「あきたこまち」でも女性美人みたいなイメージありますけど。「あきたこまち」だけを搾油して作りました。ていうところで美人感つよいですよね。最近だと「つや姫」。私の頭の中ではお風呂の入浴剤が銘柄ごとにできるみたいなのがありますね。うちでは単品精米をしてますので原料自体を切り分けえて米ぬかを集めることが可能なのですよ。

山賊)米屋や農家さんだと意識してなければ混ざりますよね?

ロングビーチ)混ざります。我々だともっと突き詰められますよね。

精米×(すぐ)しぼる=油革命

精米×(すぐ)しぼる=油革命

山賊)なんか見えてきましたね。結構年内中に商品化に持って行きたいと思っているのですよ。このコラボやるって決めて。

茂木)でも油絞るだけなら出来ますよ。

ロングビーチ)できますね。

山賊)そこに茂木和哉監修ほしいですよね。絞った先のノウハウは茂木さんしか持っていないですからね。

ロングビーチ)もともと米って主食ですけれども、主食でしか考えられないのです。主食にしか考えられないから売価が下がってしまうのが実情なんですよね。だから機能性があるものに姿を変えさせることが出来れば、米の米価は価値のあるものに変えられるひとつのポイントですよね。

茂木)だからあれなんですよ。減反に飼料米つくらせて、食べるほうは食べるほうで減らさず。

ロングビーチ)そこですよね。そこは重要ですよね。

茂木)うちも子供も小さい時は、肌荒れに悩まされてきましたが、最終的には木酢液とかオリーブ油に行きたくなるんですよ。皮膚科の薬で治らないとかになると。木酢液とかオリーブ油だと赤ちゃんにでも安心して使えますよね。効果もあるし。これからもっと増えていくんじゃないですか?皮膚科の考え方なんだとおもうのですが、そんなにひどくなくてもステロイド系を処方されますし。

山賊)あまり良くないってイメージがありますよね。

茂木)ネットで処方される薬を調べられると、結構怖いこと書いてますよ。薬事法の関係があってオリーブオイルが肌に良いことがあまり知られていないかもしれませんが、皮膚を保湿するだけじゃなく、抗炎症作用があったりするんですよね。
話が戻りますが、コメの化粧水とかパックとか洗顔料を作る場合は、中性にしないといけないと思うのですが、中性だとカビてしまうので防腐剤を入れないといけなくなります。せっかく天然ものにこだわっているのでできれば防腐剤は使いたくないですよね。そういう時は、たとえばヒバの油売っているお店がありましたよね?ひばにはヒバキチオールという成分が含まれていて、あれば防腐剤代わりになると思うんですよ。そういうの入れたりすれば、全部天然でというのが実現可能になったりする。東北のものだけで。

山賊)すごく見えやすくなってきましたね。兎にも角にも油しぼれってことですよね。

茂木)それで農家さん気がつけばいいんですよね。こうなったらいいなと思いませんか?

ロングビーチ)いいと思いますよね。

山賊)農家さんで精米やっているところだいぶ減ってしまってますよね。そのまま玄米を農協にあずける。

ロングビーチ)だからうちの生産者会員から米を買い受けました、うちは精米します。出たぬかを農家さんが絞るみたいなイメージとか、やれればいいかな。雇用にもつながりますし。

茂木)農家って秋から仕事が減るし、いろいろ協力してくれると思いますよ。共同農家で時間がある人が草むしり行くみたいな感じで。農家の方達ってちゃんと仕事をやってくれますからね。米そのものの価値を高めるやり方と、付加価値を高めるやり方はありですよね。米ぬか、わら含めて。

ロングビーチ)米油に秘めた可能性はかなりあると。

茂木)あります。もう少し詳しく言うと、米ぬかから油を採って商品にするのって非常に難しくって、簡単に始めようとするのはまず無理なんですよ。その理由は酸化スピードがものすごくはやい事。米ぬかを絞ってくれる工場に、「米ぬかを支給するので絞ってください。」とお願いしたとしても米ぬかの納入単位がトン単位になる。そんな大量の米ぬかを数日で集めるのはかなり難しい。集め終わって届けたころには酸化してしまいますよね。だから真似できないんですよ。鮮度の良い米ぬかを大量に集まるというのは。

ロングビーチ)だから精米して、すぐ絞ってというのが一番良いわけですよね。

茂木)それだけで商品価値ありますけどね。他の人はどう思うのかわからないですが、私はすごいなと思います。その価値はすごいです。

山賊)意外とシンプルでしたね?

ロングビーチ)灯台下暗し。

山賊)それのすごさをなにかで伝えなきゃですよね?

ロングビーチ)そうだよね。データの比較みたいな。

茂木)おそらく全然違うんですよ。食べれば違います。油って顕著じゃないですか。天ぷらでも。

山賊)茂木さん、周りに農家さんいると思うのでその話たくさんしていると思うのですが?

茂木)してないです。

山賊)してないんですか?でもずっと思っていた?

茂木)思っていました。農家を助けたいという気持ちがあるので暇なときは考えますから。農家の出ですし。田舎に住んでますから。農家が良くならないとふるさとがなくなるし。

ロングビーチ)まず絞るところからはじめますね。すぐ。

山賊)煎ったほうがいいんでしたっけ?

茂木)やったことないので正直わからないです。一度ペレット状にして、乾燥させてから絞る方法だったかな?でもその方法だと手間だしコストもかかりますよね。例えば、そこまでやって20%採れるのと、そのままでしぼって15%採れるのだったら、なにもやらずそのまま絞った方が良いかもしれないですね。

ロングビーチ)なるほど。

茂木)しっとりします?

ロングビーチ)はい。ものすごい水分あります。

茂木)じゃあ、そのままでも出そうだな!

山賊)出そうだな!頂きました!笑

ロングビーチ)あったかいし、なめれば甘いし。

茂木)絶対すごいと思いますよ。何に使うにしても良さが実感できるはず。

ロングビーチ)なので商品をつくることは出来ると思うのです。私のところで、でもその良さを表現するのが無理なんだよね。成分が良いらしい、美容にいいらしい。

山賊)その裏づけ必要になってきますよね。

ロングビーチ)はい、そこは茂木さんじゃないと裏付けない。

山賊)でもさっきのストーリーが何より大事なんじゃないですか?農家さん守りたい。社長はもっとお米高く買いたいんですよ。それこそJAよりも2,000円くらい買っていて、だから農家さんが集まってくれるわけですよ。で、もっと高く買いたいと思っているので、て考えると。ぬかから油が取れれば、もっと高く買えるわけですよ。

茂木)すばらしいことです。いいですね。

山賊)それこそ量販店とかに卸している農家さんとかから聞いたのですが、作るほうに専念できるようになったと。ザリガニがいるような田んぼにしていくのが趣味になったと。いかに農薬使わないで出来るかに専念できると。いままで流れ作業でやってどうやって出来るだけ安全な米が出来るか毎年チャレンジしてるとおっしゃっていた農家さんいるので。こっちの農薬のほうが良いですよみたいなこともやられていて。高く買っているということなので。そのストーリーありきで、商品化できれば面白いですよね。

茂木)具体的に商品化を進めることができるような、私も考えていますといっても、考えているだけで、仕事に追われますし、酸化の問題で現実的でなかったですし、そのなにかがないとやれない。その何かが今日であったなと。

ロングビーチ)うん、もっと早く言ってくれれば、今日絞って持ってきたというか。米ぬか自体にスピードで価値があるんだというのがわかったので。

茂木)私もさっき荒木さんに言われて、今日、米ぬかの話をするつもりはなかったですから。楽しみな感じがしてきました。その日に出来るというのは。一週間以内でも大変だなと思ってましたから。

ロングビーチ)わかりました。新しい商品を作る対談としてはこれで、大きかったのではないかなと。

茂木)単純に興味深いところなので、仕事抜きで、それこそ農家にもどってくれば、これで儲けようとおもってないし、この仕組み自体がうまくいけばすごいことになる。

味噌汁と洗剤は一緒by茂木和哉

味噌汁と洗剤は一緒by茂木和哉

ロングビーチ)今後の事業についていくつか質問を預かっております。まず、今後の展望は?

茂木)今は家庭用商品がメインですが、業務用をやりたいですよね。売るだけじゃなくて、清掃も。

ロングビーチ)今の貴店の販売ページづくりは?

茂木)専門の担当者がいます。

ロングビーチ)別のビジネスするならどんなことをしたいですか?

茂木)作ることが好きなので、食に関わる食品を加工して。

ロングビーチ)茂木さんがやる場合、無添加でとかになってくるわけですね。

茂木)とても似てるんですよ。料理と洗剤は。味噌汁作るのとほとんど同じなんですよ。まず水ためて火にかけて、まずだしをとりますよね。でメインの具をいれて煮ますよね。洗剤も全く同じで、最初だしみたいなのがあって、それから主成分を入れて、調整していく。料理がすきなので、家にいるときはほぼしています。で、段取り良くなると片付けしながらできるようになる。全く同じだなと思いながらやっています

ロングビーチ)いまいろいろ洗剤ある中で、他社でやられた!(良い意味で)と思う洗剤ってありますか?

茂木)アイディアとして、だめになっていたのはジェルボウル。使いきりで、ヒットしたじゃないですか。あそこまできれいなものは考えていなかったのですが、単価高くても使い勝手が良いという。

ロングビーチ)企業理念、最も重きを置いているのはなんなんですか?

茂木)お客様を真実を伝えて幸せに導きたい。真実がキーワードかなと。洗剤のことがわかればわかるほど大手がきちんと伝えられていない部分がある。たとえば、赤ちゃんのおしりふきなどのウエットティッシュありますよね。最近アルコールフリーと書いているものがあるのですが、そう書いてあると安全と思うじゃないですか。これは私個人の意見ですが、あれむしろ逆なんですよね。書いてない方が安全なんじゃないかと私は思うんです。アルコールが入ってなくて、腐敗しないということは、違う防腐剤入っているんですよ。

山賊)私も思ってました!

茂木)あれはカチオン界面活性剤の塩化ベンザルコニウムというのが入っているんです。難しい話になってしまうのですが。

ロングビーチ)塩化?

山賊)塩化しか聞こえてない笑

茂木)よく昔あった緑色のシャボネットなんです。話し戻すと、焼酎飲みますか?シャボネット飲みますか?という話なんです。それでアルコールフリーというのは、焼酎じゃなくてシャボネット選ぶことなんです。

山賊)だからマーケットつくりに行っているというだけですよね。

茂木)たしかにアルコールのアレルギーはあるでそうけれど、メタノールじゃなくて、入っているのがエタノールですからね。それで、小さい子が口拭く、おしり拭くとか粘膜に近いところ吹いているわけですからね。
ちゃんと伝えられていないところがある。うちの場合は、両方ちゃんと提示して選んでもらうスタイルをとっています。

ロングビーチ)茂木さんのページ拝見させていただくと、商品の説明が非常に細かいですよね。しかも写真でわかりやすく、あれはすごくいいなと思いますね。すべての商品に同じレベルでやっている。あのページを見るとこだわっているだけでなく、伝えたいことがちゃんとあるんだと。

茂木)すべてうまく形にしてくれる担当者がいまして、すごく助かっています。

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洗剤オタクと会長とEC

洗剤オタクと会長とEC

ロングビーチ)私は、柴田会長と茂木社長との出会いが不思議なのですが一体どういう形で出会われたのですか?

柴田)2009年に出会ったんですよ。当時、商工会議所の依頼を受けて、偉い先生が東京から来てセミナーをやるのでその後にしゃべってくれってことで出かけていったんですよ。その後に個別相談会がありまして、茂木さんが相談に来たんですよ。それが最初の出会いです。私が「何を作っているのですか?」といったら洗剤を作っていますというので。私は洗剤をつくると言ってもわけがわからない。そういうのは大きな会社がやるんじゃないの?と聞いたら、一人だと言うので、なんだろうなと思ったんですよね。でも洗剤の話をしながら目をきらきらさせているのですよ。そのときに思ったのが半分笑い話ですが、彼は洗剤オタクだと思ったんですね。オタクの作るものってすごいじゃないですか。やり方を上手にやれば彼の作るものは売れるだろうと。その後に何回か会う中で、どこに課題があるのかなといろいろ見たりして、彼の考え方、製品は世の中に役に立つと思ったんですよ。それぞれ得意とするものがあるから、2010年のはじめです。

ロングビーチ)柴田会長ご出身は?

柴田)秋田です。しばらく東京にいたので36歳のときに秋田に戻ってきた。一緒にやってみようかといって7年くらいたつんですかね。いい人とであって楽しいことをさせてもらい幸せだなと思っています。

ロングビーチ)そのころは、苦労のある日々長かったですよね?

柴田)最初大変ですよね。販路もネットしかなかったですし、知られていなかったですから。知られるようにするまでたいへんじゃないですか。あとお金がないので、製造すると行っても作れないわけです。彼が手作りをするわけで、原料も簡単に大量に買えるわけではないし、今思うとひとつ商品を作るのも大変で。それが売れるかもわからないし。
今思うとそのときの経験がしっかり土台を作って言ったんだと思いますよね。簡単に物を考えて作れないから、考えて作りました。

ロングビーチ)それは2人でやっていたということですか?

柴田)はい。つい最近までですよ。テレビで紹介されたタイミングで2人しかいませんでしたから、よくあの時期を2人で乗り越えてきたなと。時々彼と話して面白いなと思ったのが、苦労した時期もあったし、商品だしたけど失敗したこともあるわけですよ。売上に繋がらなくて、でもお互いに絶対成功すると思っているわけですよ。あきらめる気持ちが一切なくて、そのうち絶対成功するからと2人でやっていたわけですね。それが不思議だなと思うわけですね。

ロングビーチ)いまもその気持ちはずっとあるわけですもんね。

柴田)そうですね。

ロングビーチ)このあとの展望としてもっと大きいものがあるわけですもんね。

柴田)はい、私は彼とやれば面白い洗剤が出来るし、世の中の役に立つので、今もその気ちもあるし、間違いなかったなと思うし、これからも続いていくことを信じて疑わないのですが、ただやっぱりそうなればそうなったで難しいこともいっぱいおきてくるわけじゃないですか。一つ一つ課題解決していきたいなと思います。
不思議な出会いだなと思います。一番最初オレに相談するつもりはなかったんだよね?
一番偉い先生に。

茂木)そ、そうですね。

一同) 爆笑

茂木)いや、正確に言うと、終わった後の個別相談はそのえらい先生が対応してくれたのですが、係りの人が柴田さんとも話ししたいですか?というので是非したいです!といいました。

柴田)そうですか。それは失礼しました。

ロングビーチ)したいですか?があるわけですね。

茂木)そうです!そうです!

ロングビーチ)でも偉い先生に一番最初に行ったわけですか?

茂木)選べなかったんですよ。

柴田)そうでしたか。笑

ロングビーチ)なんか変な感じになってきましたけど、大丈夫ですか?その変な感じ消す洗剤とか開発しましょうよ。

一同)

柴田)水に流すのは得意です。

ロングビーチ)うまい!そういうの待ってました。今のは必ず入ります。笑

茂木)あれですよね、そのセミナーは当時ネットで売りたいという気持ちが強くて、タイトルがネットでは売れないみたいな話で。最初来なければ良かったなと。

柴田)あえてそういうタイトルにしたんですよ。ネットで売るなと。なぜかというとみんなネットで売ろうとしたんですよ。だけど、ネットで売る前にやることがあるんじゃないですかといいたかったんですよ。

茂木)お客さんと繋がる、リアルとかなんでも環境を作ってから売れよという内容でしたよね?

柴田)よく覚えているね。いきなりカートをつけても物なんか売れないだろうという話ですね。別の使い方からはじめましょうと。まだそういう時期ですよ。

茂木)お店出せば売れると思ってましたから。

柴田)実際、私と茂木さんが組んで最初にやったことは商品づくりからなんですよね。ネットでものを売ることを前提にしたものづくり。そこからのスタートなので、ネットで売ることを前提に作ってきたので値段とかも高いわけですよね。卸、小売店でうることを前提にしていたらうちのラインナップにはならない。ネット専業でスタートしたのはまず良かったですよ。

ロングビーチ)最初からあったわけですねー。

柴田)競争相手のことを考えると値段は制限されるわけじゃないですか。洗剤の500円以上つけられないなとか。そうすると原価も200円に抑えないといけないとか、そうすると200円で作れるものなんだろうと考えるじゃないですか。でもネットの世界は値段の制限手ないわけですよね。とがった商品がたくさんある。ネットの世界はあるいみ、製造コストに金のいとめをつけずに出来るだけ良いもの作ればいったいいくらになるんだってやったら、原価がかなり高りますよね。それを売るためにはいくら作ればいいんだ?そしていくらで売ればいいんだ?ということが自分たちで出来るわけですよね。
新しいものを提供しようという人にはすごくいいツールだとおもうし。ネットだから出来るのは強み。基本路線は卸も広がっていますが、変えているつもりもない。卸でうちの商品がたくさん並ぶことによって、結果的にネットの売上もあがるだろうと。そうじゃなければいけない。軸足を移したわけではない。これでネットが売れなくなると戦略的にどうかというのもあるわけですけど。うちらはネットで売って生きたい。

ロングビーチ)最後にですね、恒例になっちゃうのですがEC有効通商条約というのをコラムに出ていただいた方に、前回はおやさいさんですが、今後お互いのEC業界の発展のためになることをともに話し、今後お互いにECの商売を快く応援し、仲良しでい続けることをここに約束しますと。なんかもんやりしてますけれど。笑
お題がECのミカタということでですね、今後もECに軸足があるんだよと我々も思っていますので、ぜひとも商品開発も含め、ご同意いただければサインいただきたいなと思うのですがいかがでしょうか?

茂木)もちろんです。

山賊)締結しましたね。

ロングビーチ)良かったです。

山賊)せっかくなのでお二人にどうですか?

ロングビーチ)そうですね。連帯保証感が増すのでサインは多いほうがいいね(笑)


編集・太田 撮影・齊藤


著者

長濱 洋平 (Youhei Nagahama)

1974年1月23日宮城県産まれ。お米のサラリーマンを経て現在の株式会社東穀を設立。
PCでアンダーバーの出し方すら知らない素人がECを始めて5年で楽天市場ショップオブザイヤーを受賞。そして今年も受賞し、2年連続受賞。現在43歳。