【第5回】自社商品を作るときによくある質問②商品原価

鈴木 翼

自社のオリジナル商品が作りたいのだけど
〇どこに相談すれば・・
〇何を相談すれば・・
〇いくらでやってくれるのか・・

本コラムではこういった悩みを抱える方々に向けて、オリジナル商品を作るために大切なことを、複数回にわたってお話していこうと思っています。

【第1回】 “自社だけの”売れる人気商品を作るために
https://www.ecnomikata.com/column/10759/

【第2回】 道を踏み外さず、成功するためのパートナー選び
https://www.ecnomikata.com/column/11355/

【第3回】 売上UPのヒケツは「作り手の顔が見えること」
https://www.ecnomikata.com/column/11925/

【第4回】 自社商品を作るときによくある質問 ①ロット
https://www.ecnomikata.com/column/12596/

【第5回】 自社商品を作るときによくある質問 ②商品原価

~販売価格の設定~

 ECサイトでオリジナル商品を販売したいと考えたとき、「いくらで売るか」が非常に重要になってきます。まったく新しいアイデアであれば自由に価格をつけられますが、それ以外は市場やターゲット層を見ながら「販売価格」を設定していきます。

 ということで、今回のコラムからは、販売価格を決めるのに重要な市場調査から原価の決め方についてお話していきます。

 参考として『EC青汁』という商品を売りたいと考えたとします。青汁は市場も大きいです。しかし、多くの商品がEC上で販売されていますので、価格面でも差別化をはっきりしないと生き残れません。

~市場調査では目的を定める~

 まずは、販売価格を定めるための市場調査からはじめます。オリジナル商品を作るにあたって大事なことですので、はっきりと目的を定めてからはじめます。

 目的①EC上でどういった訴求で販売しているかを調べる
 目的②どれくらいの数の「ライバル商材」があるか調べる
 目的③ライバル商材の販売価格を調べる

 やり方は実にシンプルです。ECで販売したいのですから、EC上で展開されている商品を上記の目的に照らし合わせながら、ネットで片っ端から検索していきます。その中で、気になる商品、自分でも買ってみたいと思えるような商品は積極的に購入してみましょう。欲しくなる商品には広告の作り方がとにかくうまいという特徴があります。1回購入するだけでも以下のようなことがわかります。

 ▶商品についてくる同梱物に購買意欲をそそる工夫がされている
 ▶DMの頻度、内容が、次の商品購入につながるツボをついている
 ▶購入後のフォローが的確で、安心して続けやすい気にさせてくれる  など

 EC通販のようなオープンマーケットで展開する場合、市場調査が特に大事になってくるのではないでしょうか。そのため、なるべく丁寧に説明させてもらったつもりです。まとめると、調査する上で重要なポイントは以下の通りです。

 ・目的を明確にしてから調査を始める
 ・他社の商品を見ながらどういった商品を作りたいかのイメージを固めていく
 ・気になった商品、売れていそうな商品はどんどん購入して研究する


 さて、市場調査を重ねた結果〖EC青汁〗の販売価格はこうなったとしましょう。
 「定価3,800円の青汁が、定期でお届けなら2,470円(送料込)に! なんと35%OFF!!」
 
 定価は3,800円ですが、最も数を売るメイン価格はあくまでも2,470円に設定しました。定価からの割引率でお得感を演出することも出来ます。
 ここで大切なのは、メイン価格をしっかり設定することです。販売価格=定価だと思われがちですが、特にEC上においては定期販売などの割引後価格をメイン価格として設定し、そこから原価計算をすることになります。
  
 メイン販売価格を2,470円にした理由もきちんと説明できるようにしましょう。

 理由①市場は2,800円で売っている青汁が多く、価格の差別化を図るため
 理由②定価3,800円から『35%OFF』という表現を使用したいため

~原価の定め方~

 市場調査を終えて、EC青汁は2,470円をメイン価格として販売することが決まりました。次に考えるのは商品原価ですが、サプリメントや化粧品の場合、まずは販売価格の25%以下を目安に作ることを目標にしましょう。2,470円の場合は617円が原価目標です。

 商品の販売数が増えてきて製造ロットが増えると価格を落とすことが出来ます。ロットについては以前のコラムもご参考ください。

【第4回】 自社商品を作るときによくある質問 ①ロット
 https://www.ecnomikata.com/column/12596/


 次回はさらに一歩踏み込んで原価の内訳についてお話していきます。
 
 商品原価は大きく分けて
 ①原料原価
 ②資材原価
 ③製造原価
 ④サービス原価
 に分けられますのでこれらの詳細に触れていきます。


著者

鈴木 翼 (Tsubasa Suzuki)

1988年 神奈川県生まれ
2011年 株式会社ネオサークル入社
健康食品を中心としたオリジナル商品のOEM企画開発に従事。顧客をゼロから支え、商品開発以外にも広告内容を確認し法的にチェックするなど多方面から顧客をサポートしてきた実績あり。
好きな言葉は「とりあえずやってみる」
OEMをお考えのみなさん!ぼんやりとでもいいので、まずは「とりあえず」私にご相談ください!