【第1回】なぜ今CRMなのか~EC・通販のCRMとは?~
「CRM」という言葉。みなさんは何を想像されますか?新規顧客獲得?おもてなし?などでしょうか?
このコラムでは、EC通販に特化したCRMツール「うちでのこづち」を提供する立場から、なぜ今CRMが注目されているのか、またEC通販企業におけるCRMの在り方についてご説明します。
第1回は「自己紹介」と「EC通販CRMとは?」をお届けします。
CRMの重要さに気づく「新規獲得だけでは事業が黒字化しない・・・」
みなさん初めまして、株式会社E-Grantの南雲と申します。まずは簡単に自己紹介させていただきます。
私の仕事は、EC通販に特化したCRMツール「うちでのこづち」を提供し、事業者様をCRMの根幹から支援することです。
なぜ私がこの仕事をしているかと言うと…
前職が広告代理店だったことが大きく関係しています。
広告代理店の時は新規集客がメインだったので、新規顧客を獲得するためにお客様に様々な媒体を紹介しましたし、新規獲得の件数も何度も達成させました。しかし数か月後、お付き合いしてくれた方々の悲しい顔を見ることになったのです。
原因は単純に継続してくださるお客様が少なかったこと。新規獲得だけでは事業が黒字化しなかったのです。
そして気付きました。「これからは継続顧客に焦点を当てたマーケティングが必要だ!」と。
そんなとき「うちでのこづち」に出会い「CRM」の存在に着目し始めました。
当時の私は「え、CRMって新規顧客のナーチャリングのことじゃないの?」ってな具合で、To Cに使えるCRMなんてあるの?そんでEC通販CRMって何?って感じでした。(笑)
「はい、あるんです!」
みなさんもきっとここ数年で「CRM」というワードを耳にしてきましたよね。
私自身も周囲の方から「CRM」というワードを聞くようになったのはつい最近、ここ1,2年です。
今回このコラムでは、そのCRMのニーズの背景とEC通販におけるCRMの在り方について語らせていただきます。
では、よろしくお願いします。
「出店すればある程度モノが売れる」の時代の終焉
近年では10年ほど前にあった「出店すればある程度モノが売れる」の時代が終焉を迎え、各店舗とも集客努力(≒広告投資)を行い、コンバージョンを高めるための努力(≒サイト改善)を行い、 あらゆる側面で競争が激しくなってきているのが実態としてあります。
この新規顧客獲得に着目したCPAや注文獲得コストを評価するCPOをいかにして下げるかを注力し、新規の獲得コストをどれだけ下げられるかを各企業で競争すると何が起こるのか。それは少ないπを取り合うカニバリズムが起こります。商品はニッチ化、市場は先細っていくので、より競争が激化するというスパイラルに陥るのです。こうしたことから、他の企業とどこで差別化しようかとした際にCRM、つまり顧客との関係管理が日の目を浴びるようになったのです。
収益拡大の鍵を握る「顧客生涯価値(LTV)」
特にEC通販市場においては、従来から、CPA、CPOを重視し、定点観測している企業が多いかと思います。しかしこれらの指標はプロモーション単位での効果を把握する場合に有効なものなので、事業全体の収益拡大に繋がる適切な指標とは言えません。
例えば、3,000円の商品をCPO6,000円で獲得した場合、単純なCPOだけ見ると、赤字という結論になるでしょう。ただ、同顧客がその3ヶ月後に9,000円の商品をリピート購入した場合、取引金額は12,000円となり、真逆の結論になるのです。
つまり、収益拡大のためには、一人の顧客からの年間収益額と継続年数を増加させることがポイントであり、これを評価する指標となる「顧客生涯価値」すなわち「LTV」が最も重要な指標なのです。そして、「LTV」の追求が収益拡大の糸口となり、顧客数を“倍増”させるのです。
また、「LTV」を把握することで、今までの、判断基準があいまい故に消極的に設定されがちだった“CPO“ではなく、獲得後の収益への貢献を想定できる“限界CPO“を導きだすことができ、結果、計画的にプロモーションコストを拡大し、新規顧客数を増加させていくことができるのです。
EC通販におけるCRMとは、まさにこの「既存顧客を活性化させ、リピート売上やLTVを向上させる仕組み」のことを指します。
では、このLTVを最大化するためにはどのようなデータを常に把握しておくべきでしょうか?
次回からはそのLTV最大化における最も重要と考えられる3つのデータをご紹介させていただきます。
長々と失礼致しました。最後まで読んでくださったあなたに感謝をお伝えできればと思います。「本当にありがとうございます。」