今さら聞けない、ECモールで成長するための3つのポイント ―第一回 ECサイトオープンの前に知っておきたいポイント
1997年5月、「人はインターネットでモノを買わない」といわれた当時、
インターネット・ショッピングモール「楽天市場」はオープンしました。
あれから20年あまり、ネットショップで、商売をすることが一般的になってきましたがこれからネットショップを始めるうえで、“今さら聞けない、ECモールで成長するために知っておいていただきたいポイント”について全5回でお伝えします。
すでにECショップを運営されている方も、基本のおさらいとして、ぜひお付き合い頂ければと思います。
ネットショップが増え続けている中、起きている課題とは?
今、日本のネットショップ(ECサイト)の市場が拡大しています。
経済産業省のデータ(「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」調査結果)によると、物販系ECサイトの市場規模は、2015年度には7兆2,398億円だったのが、2016年度には8兆43億円と右肩上がりの成長を遂げています。
この成長の理由のひとつには、“インターネットでモノを買うこと”が当たり前になった、という背景があります。
総務省のデータ(平成27年3月「「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」」)によると、2015年時点で、パソコンを使う人の78.1%、すなわち約10人に8人がネットショッピングをするためにパソコンを使っていることがわかります。
そして今は、スマートフォンでネットショッピングをする人も増えています。経済産業省のデータによると、物販系分野におけるスマートフォン経由での市場規模のシェアは、31.9%と年々上がっています。
こういった状況の中で、「私もネットショップを開業したい!」と考える人が増えています。
たしかに今は、ネットショップを開業する方々にとって、追い風が吹いている時期です。業界全体が盛り上がりを見せており、いろいろな企業が参入しています。最近では、無料でカンタンにネットショップを開業できる「STORES.jp」や「BASE」などのサービスもあります。
ただ、このブームにはひとつ大きな注意点があります。それは、ネットショップの数が増えているということは、当然のことながら、ライバル(競合)も増え続けているということです。そして、その結果、多くのお店が“ある問題”に直面しています。それは、「集客がうまくいかない」「商品が売れない」という問題です。
ネットショップを始める際に気を付けるポイントとは?
正直なところ、ネットショップを作ること自体は、先ほどお伝えした通りカンタンです。
しかし、お客様にお店に来ていただくこと(集客すること)は、一筋縄ではいきません。そこで、次の2つのポイントが、集客では重要になってきます。
1、お店を選んでもらう「理由」をつくる
2、たくさんの人が集まる「場所」で販売をする
1の「理由」については、お店の努力で作ることができます。
「アフターケアに力をいれる」「他社よりも早く発送できる」などのサービスを充実させることもその「理由」の一つになります。
2の「場所」については、お店の努力だけではなかなか作ることができません。では、たくさんの人が集まる場所で販売するにはどうすればよいのでしょうか?
実はその悩みを解決するヒントが、百貨店にあります。
百貨店はたくさんの人が足を運ぶ場所です。百貨店へ行けば、食料品から服飾、生活雑貨に至るまであらゆるものが購入できるため、何か困ったときに「とりあえず百貨店へ足を運ぼう」という方たちがいます。そして、百貨店はブランドを大切にしますから、怪しいお店は出店していません。だから、顧客は安心して買い物をすることができます。
この百貨店の強みは、ネットショッピングの世界にも持ち込めます。それは、ショッピングモール型のECプラットフォームと呼ばれるサービスです。たとえば、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」、「Amazon」、「Wowma!(ワウマ)」などのサイトがそれにあたります。
次回は、ネットショップの種類やそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。