【EC×若者】第1弾 ファッションのミライを読み解く〜若年層調査で判明したECにおけるイメージ写真の重要性〜

小林芽久未

はじめまして。

株式会社テスティー(以下、テスティー)の小林芽久未と申します。
テスティーは若年層に特化したリサーチを得意とし、主に10代、20代を対象に様々な意識調査を行っています。

若年層マーケティングは、あらゆる市場の動向を先読みするために有効なスクリーニングのひとつであると言われています。なぜなら、10代、20代の「若者」と呼ばれる彼らが消費者のメイン層としていずれ成長していくからです。

昨今のフリマアプリの台頭により年々拡大傾向にあるEC市場においても、若年層の動向は注目せざるを得ないと考えています。

そこで、テスティーでは「EC×若者」をキーワードとした調査・分析を定期的に実施することにしました。ECに対する若者の意識や消費行動を読み解くことで、日々のサービス運営やマーケティングなどにおいて少しでも読者の皆様のお役に立てたら幸いです。

今回は、テスティー自社モニターのうち20代男女1,152名(男性449名、女性703名)を対象に「ファッションEC利用」に関する調査を行いました。

〜TOPICS〜
■ 若年層のファッション用品の購入頻度
■ 20代男女が利用するのはアプリ?それともWEBサイト?
■ ファッションEC利用時、見やすいと感じるのは「着用画像」

若年層のファッション用品の購入頻度

まず、20代男女1,152名を対象にファッション用品の購入頻度について調査しました。

「月に1回以上」購入すると答えた人は20代男性で37.9%、20代女性で54.4%となりました。
また、「2〜3ヶ月に1回程度」購入すると答えた人は20代男性で20.5%、20代女性で21.6%となりました。

20代男性で約6割、20代女性では約8割の人がワンシーズンに1回以上ファッション用品を購入していることが判明しました。

さらに、ファッション用品を購入する際に重視する点を尋ねたところ、「価格」との回答が男女ともに半数以上を占め、圧倒的差で1位となりました。次いで「品質」、僅差で「ブランド」となりました。

20代男女が利用するのはアプリ?それともWEBサイト?

続いて、EC経由でのファッション用品の購入経験について調査しました。その結果、20代男性の57.9%、20代女性の72.7%がECを利用してファッション用品を購入した経験があることが判明しました。

その内スマートフォン経由で購入したことがあると回答した人は、20代男性で39.0%、20代女性で60.0%となりました。

次に「スマートフォンでファッション用品の購入経験がある」と回答した人を対象に、アプリとWEBサイトの利用に関して尋ねました。

20代男性のアプリ利用者は54.3%、WEB利用者は50.9%
20代女性のアプリ利用者は53.6%、WEB利用者は62.1%となりました。

男性はほぼ同率ながらもアプリを、女性はWebサイトを多く利用していることがわかりました。

さらに、スマートフォンでECを利用する理由をフリー回答で聞きました。

スマートフォンでのEC利用経験者
 >外出する時間がなくてもスキマ時間に購入出来る 24歳女性
 >配送状況が見れる。クチコミもよくのってるから 24歳女性
 >送料無料が多いし、手軽に買えるから。 20代男性
 >少ない検索条件で沢山商品が出てきて、店に行くより簡単に選べる 23歳女性
 >気になる商品を常にチェックすることができる 22歳女性
 >ポイントがたまり、口コミもみれたので安心して買えた 27歳女性

空いている時間に商品を見られる手軽さや、簡単に買い物ができる操作性を支持している人が多いようです。

また、「スマートフォンで商品を購入する際に不満な点はありますか?」と聞いたところ下記のような回答が挙がりました。

 >アプリの不具合などがある 25歳女性
 >手軽に検索、購入できるが実際の色や素材、サイズなどがわからない 26歳女 性
 >定価より安く買えるが試着は出来ないのでサイズ感が難しい 29歳女性

他にも、「送料がかかる」「写真とイメージが違う」といった回答が挙がりました。商品を直接購入しないことのデメリットも感じていることが伺えます。

ファッションEC利用時、見やすいと感じるのは「着用画像」

最後に、ファッション用品を購入するアプリやWEBサイトに掲載されている写真に関して「商品のみの写真」と「着用写真」とでどちらが見やすいと感じるかについて調査しました。

その結果、20代男性の52.3%、20代女性の65.9%が「着用写真」と回答し、男女ともに「着用写真」を見やすいと感じていることが判明しました。

最後に、ファッション用品をECで購入する際に最も重要だと思う点を自由に回答してもらいました。

 >サイズや素材、重量などが明確に表記されていること。 27歳女性
 >モデルが着用している場合はモデルの身長や体型なども記載があるとわかりやすい。 28歳女性
 >生地の素材とか着心地がわかりやすくかいてあるといい 20歳女性
 >閲覧している時の画面の動きやページの移動がスムーズであること 25歳女 性
 >返品、交換に応じてもらえること。 29歳女性
 >クチコミは必ずチェックして悪いがあるのは購入しない。 29歳女性
 >自分が着ているイメージがもてること 23歳男性
 >レビューで店舗の対応が良いかどうか。 29歳男性

試着ができないことから、「返品・交換の対応有無」や「生地や素材、サイズの詳細」、「レビューや口コミ」をEC利用時に重視していることがわかりました。

スマートフォンの普及により、インターネットを活用して時間や場所を問わずに買い物できるメリットがある一方、実際に触れて確かめることができないデメリットもあるため、ECを活用する販売者側はサイズなどの詳細情報の明示や掲載写真の工夫など、消費者が購入しやすい売場をつくることが重要であると言えそうです。


まとめ
・ファッション用品に対する若年層男女の購買意識は「価格重視」
・若年層の2人に1人以上が「スマホで買い物」の経験あり
・アプリもサイトも商品の着用画像が重要
・EC購入では「返品・交換」「商品詳細」「レビュー・口コミ」が重視されている


以上、20代の若年層男女のファッションEC利用調査の結果をお送りいたしました。
次回は「ファッションEC〜情報収集、動画ECの可能性〜」についてさらに深堀調査を行う予定です。


著者

小林芽久未 (Megumi Kobayashi)

平成4年生まれ。

株式会社テスティーの広報・ライターを担当。
若年層リサーチに特化したTesTeeにて、調査メディアの運営に携わり
女子高生や女子大生、10〜20代男女を対象に多様なジャンルにて調査を実施。
若年層マーケティングに助力するため、イマドキの若者の実態を発信している。

■企業情報
【株式会社テスティー】https://www.testee.co

■事業内容
・スマートフォンアンケートアプリの開発・運営
 「Powl(ポール)」https://static.powl.jp/lp/
・プログラミング不要のチャット型ツールの開発・運営。
 「Fast Sonar(ファストソナー)」https://fastsonar.com
・若年層/アプリに特化したモバイルネットリサーチ事業の運営
 「テスティーリサーチ」https://www.testee.co/research
・リサーチ結果を紹介するメディアの運営
 「TesTee Lab(テスティーラボ)」https://lab.testee.co