EC倉庫とアパレル倉庫との違い

小橋 重信

EC倉庫とアパレル倉庫との違い

今回のテーマは、
「EC専業の物流倉庫とアパレル専門の物流倉庫の違い」について触れたいと思います。

倉庫ってどこも同じじゃないの~って思われた方もいらっしゃるのではと思います。

ただ何となく、家具などの大きなものを扱う倉庫や
温度管理が必要な食品を扱う倉庫、そして私達の洋服を扱う倉庫に違いがることはご理解いただけると思います。

店舗向けのデリバリーを行っている倉庫と、個人向けの配送を行っている倉庫は
同じ洋服などのアパレル商品だと同じじゃん・・・と思ってませんか?

はっきり言いますね。
店舗向けと個人向けの倉庫はまったく別物です。

そもそも倉庫に求められる機能がまったく違っているんです!

店舗向け倉庫にもとめられるもの

それは、それぞれの店舗や販売チャンネルに向けて
「流通加工」と呼ばれる製品化処理を行なっております。

◆その1 【品質管理】
インポート商品の場合は、日本で販売用に素材表記や洗濯ネームを日本語に変換しています。
それも、海外と国内では水質も違えば、品質についての考え方も違うため、英語→日本語への翻訳だけではあとあと問題になることがあります。


◆その2 【商品検品】
本来は製造されて入荷した商品なので良品のはずなのですが、高級ブランドでも検品時の不良品率は半分がNGだったこともあります。
店頭に並ぶ前に、もしくは入荷時に不良品を発見することで工場に無償で修理させることもできるため、早期発見が求められます。
さらには、良品化するための修理機能も求められます。


◆その3 【検針】
以前はそれほど厳しくなかったのですが、PL法が施工されて以降、針が混入していてお客様が怪我をした場合は製造責任が問われます。
なので、入荷時に検針機などを使って針の混入を防ぎます。

◆その4 【いいかげん】
これが結構くせもので・・・
アパレル業界 そもそも需要予測が難しいなかQRなどの影響もあり
納期通りに上がってこないことや、予定数と違っていることは日常茶飯事
入荷予定情報があってきっちり納期通りに良品があがってくることは奇跡に近いです・・・(インポート商品はほぼ)
 (※QR=quick response:POS システムなどを用いて販売情報を迅速に生産に反映させる方式。)

なので、弊社以外にも、アパレル物流を専業でやっている物流会社では、
入出荷及び、在庫管理の機能だけでなく、品質管理の機能は必須になっています。

こんな話もあります。

以前 ZOZOの関係者が弊社物流倉庫を見学した時のことです。
ZOZOも物流は自社で運営されており、日に数千件を出荷されていますので、物流をよくご存知の方でした。

見学の後、その方の口から「よくこんな面倒なことをやっているね!」とのコメントがありました。

ZOZOの場合はブランド側から指示した商品が良品として倉庫に納品され
それを保管し、品質面でのチェックや・・・ましてやそれを製品化や良品化することなどは想定していません。

ただ。だからと言ってEC倉庫が簡単ではないです。
EC倉庫にはEC倉庫として求められる機能があり、それが店舗向け倉庫と違っているだけです。

一方EC倉庫では・・・

入荷よりも出荷にウェイトがあり、当日に受注オーダー分を時間までにいかに早くピッキングして
梱包出荷まで終わらせることができるかが重要になっています。

アパレル専業の倉庫は比較的会社の数も少なく、「東京納品代行」や「ワールドサプライ」や「浪速運送」など
百貨店の納品代行などの輸送から倉庫業務を行っている会社や、元オンワード樫山の物流会社「アクロス」や丸井の物流子会社「ムービング」
さらにはワールドと関係の深い「水岩ファッションサービス」、倉庫機能に特化した「丸二倉庫」や「伊澤」
そして弊社 「オーティーエス」など、それ以外にもございますが、コンペとなると同じ顔ぶれが多いです。

EC物流については、ファッション専業と言うより、
食品から家電、書籍などカテゴリーはバラバラで取り扱っている倉庫会社が多く、
サービス内容も商品そのものの入出荷保管だけでなく、
撮影・採寸からコールセンターなどのEC運用のバックヤード機能・・・
いわゆるフルフィルメントと言われる物流が増えてきています。

中には、物流のプラットフォーム化をシステム視点で実現した
「オープンロジ」なんてのもあり・・・・物流と言ってもかなり多岐に分かれます。

そして、物流を複雑にしているのが・・・・「オムニチャネル」です!

オムニチャネルにより物流やシステムなどのバックヤード構築が
これまでの在り方に比べて遥かに複雑怪奇となってきています。

日本トイザらス、キタムラ、ベイクルーズといった有名どころでは
店舗在庫をネットで確認できることは当然のこと、店舗になければネット、ネットになければ店舗と、
場所や時間と言った制約条件なく、お客様はほしい商品をほしい時に手に入れることがでます。

「これって大手の話だから関係ない」  とも言ってられない・・・
このサービスに消費者がなれると、そうでないことにストレスを感じるようになります。
人の要求って際限ないですからね・・・

この話になるとまた長くなるので本題に戻すと、
今までは比較的物流会社は、アパレル物流はアパレル企業向けの流通加工、
EC物流はECバックヤード機能と分かれていました。
もしくは足りないとこは、外注化して補助的に運用していました。

でもオムニチャネルが進むと言うことは、
その両方の機能をそれなりの高いレベルで対応することのできる物流でないと、
荷主のニーズに対応できなくなってきています。

そこにはオプション的な機能ではなく、カートシステムと呼ばれるECフロントのシステムや、
店舗の売上を管理している店舗システム・・・他のECサイトとの連携などなどシステムも
複雑に絡んでいて、そこでの商品の荷動きの指示を最終的に処理するのが倉庫システム(WMS)です。

そのあたりを考える上で重要になってくるのが 「在庫管理」 の考え方です。
店舗・自社サイト・他サイト・倉庫の在庫のすべてをリアルタイムで捉え、
いろいろなチャネルからのオーダーを機会ロスなく販売につなげていく・・・

ね!・・・システムも複雑でしょ

今まではカートはカート店舗システムはシステムと別々に考えても問題なかったのですが、
総合的に考えて自分たちにあったシステムそして倉庫を選ぶ必要があります。


それでも、倉庫会社を選ぶのは見積りだけでいいですか?

今回も最後は吼えてしまいましたが、
バックヤードの重要性 物流の重要性が少しでも伝われと思います。

ファッション業界の市況について悲観視する声が多いですが、
物流流からファッション業界を少しでも元気にできればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

著者

小橋 重信

アパレル企業に10年勤務し、商品の企画・発注から店舗運営などに関わってきました。

その後は、IT関連の会社で提案営業として企業のネットワーク及び、サーバー構築を行ってきました。

OTSでは、ジュエリー物流の責任者として業務にかかわり、現在はマーケティング部の責任者として、

お客様の物流改善のアドバイスからEC物流、品質管理サービスなど、OTSの付加価値サービスの企画・提案を行っております。

趣味:テニス マラソン ゴルフ・・・子育て奮闘中!

http://www.e-ots.jp/

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