【第五回】~「セールスの階段」をお客様と一緒に登るマドンナ~
こんにちは!
株式会社ダーウィンズの児玉達郎と申します。
弊社は通販会社様の支援に特化した、コンタクトセンターとして、
札幌、徳島、水道橋、立川と4拠点、600名のオペレーターで
サービス提供しております。
連載コラムとして、コールセンター実践の中で、
作りこんできた販売心理学をご紹介しております。
題して、
『心理的に見る、最高の販売員の特徴』
接客、コミュニケーション、マーケティングなどの分野で、
少しでも皆様のお仕事のご参考になると幸いです。
【第一回】~顧客心理から明るい未来を語るマドンナ~
https://www.ecnomikata.com/column/15338/
【第二回】~5つの要素を使いこなす感情豊かなマドンナ~
https://www.ecnomikata.com/column/15654/
【第三回】~自己概念が高いマドンナ~
https://www.ecnomikata.com/column/15985/
【第四回】~熱狂的なリピーターを生み出すマドンナ~
https://www.ecnomikata.com/column/16360/
会話の組み立て セールスの階段
化粧品や健康食品通信販売のセールスにおいて、
お客様とどのように会話を組み立ててるべきか、
大きな流れがあります。
「セールスの階段」
と名付けていますが、お客様を購入へと導くための、
会話の流れをご紹介させて頂きます。
「感謝」→「お客様の声」→「商品特長」→「クロージング」→「ご購入」
■ 感謝
会話のきっかけとしてまずは、
感謝の気持ちをお客様にお伝えします。
「先日は、お試しセットをご購入いただき、誠にありがとうございました!」
「ご興味をお持ちいただき、ありがとうございます」
「以前に、○○をお使い頂き、大変お世話になりました」
感謝の言葉を言われて、いやな気分になる人は
世の中にはいない、と断言できるほど、
感謝とは万国共通の原理原則です。
お客様との関係作りとして大事なことです。
■ お客様の声
その次のステップとして、
ご愛用者様などお客様のお声を使っての会話がおススメです。
「ご愛用頂いているお客様からは、~~~、と嬉しいお声を頂いているのですが、
○○様はいかがでしたか?」
「他のお客様からも、~~~、とご意見を頂いておりまして」
「それは嬉しいです!私自身も、~~~、と感じているんです!」
人が最も興味を持つ話題は、「人に関する話題」です。
販売でも同じく、商品スペックの話ばかりを続けてしまうと、
興味を失ってしまうお客様もいらっしゃいます。
そこで、会話に人を登場させることで、
「明るい未来」をイメージしてもらい、
購入に向けての感情を高めていただくのです。
このあたり、詳しくは第一回コラムご参照ください。
https://www.ecnomikata.com/column/15338/
■ 商品特長 ~ クロージング
お客様のお声を使って、明るい未来を語った後は、
商品特長をお伝えしていきます。
「そういったお声が多いのも、実はこの○○には、~~~、
といった成分が入っているからなんですね」
「ご実感されるお客様が多く、自信があるのですが、
この○○(商品名)には、~~~、といった作り方、
製法にこだわりがあるからなんです」
こうしてお客様のお声と、その根拠となる商品特長で、
商品の話へとジワジワと進んでいったら、いよいよクロージングです。
「今回、このお電話が繋がったお客様限定で、初回○円なんです!」
「お帰りなさいキャンペーンとして、このお電話でお申込み頂けますと」
金額の案内をし、お客様にご購入の判断を委ねます。
クロージングが上手くいかないとき
しかし、クロージングはスムーズにはいかないことがほとんどです。
ここで躓くことが多いです。
お客様が、
「う~ん、良い商品であるのはわかるんだけど、ちょっと高いなぁ」
「定期コースで続けるのはちょっと。もう少し考えてから」
など仰られます。
そこで、マドンナもさらなる商品の良いところや、
自身の情熱を用いて、感情豊かにクロージングしようとします。
大前提として、お客様にとってはクロージングされ続けること、
商品を強く売り込まれることはストレスに感じます。
このストレス状態が長く続いてしまうと、
お客様は、
「う~ん、今日はやっぱり辞めておくわ、また電話ちょうだい」
「あ、ごめん!お客様がきちゃったから電話切るわね」
などお断りされてしまうのです。
このような結末を迎えないために、
どうしたら良いのでしょうか?
このように、クロージングが上手くいかないときは、
一度、階段を降りる、という会話の転換が鍵です。
例えば、お得な半額!などのクロージング話を止めて、
再度、商品特長やお客様の声を紹介したりします。
お客様のクロージングされるストレスを
軽減していくのです。
そうすることで、お客様もまたその商品に対して、
もう一度、冷静にじっくりと検討してくださるようになり、
「やっぱり私にはこれが必要なんだ!」
とお客様自身が購入することに確信を
得ていただくことが起こります。
リピート率に影響する、「説得」とは?
通信販売において、ほとんどの会社様は、
顧客のリピート率に課題をお持ちですが、
この「セールスの階段」において、
リピート率に大きく影響する箇所があります。
実は、この階段の土台には、
「ニーズ」→「説得」→「クローズ」
が存在しています。
「ニーズ」とは、
お客様の悩みや課題を引き出し共感するフェーズです。
「感謝」でお客様とつながり、
「他のお客様のお声」を使って、
お客様のお悩み、本音の部分を引き出します。
そして「説得」とは、
お客様のお悩みと、商品の特長を結びつけるフェーズです。
よくあるセールスの失敗として、
お客様のニーズがわかった瞬間にクロージングしているケースがあります。
もちろん、それで商品の購入に至ることもありますが、
そうすると所謂、「衝動買い」が起こってしまいます。
そして心理的に、衝動買いした人は、その後の継続率が低いのです。
読者の皆さんもご経験をお持ちかもしれませんが、
その場の雰囲気やノリでつい購入してしまった商品は、
わりとその後使っていなかったり、忘れてしまったりすることが多いです。
なので、継続率を高めるためにも、
お客様のニーズと商品特長を結びつけることが大事で、
お客様に納得感を持ってもらうことが重要です。
「私の悩みに対して、この商品の○○がきっと良いんだわ!」
とお客様が、自身のニーズと商品特長を紐付けることができると、
論理的に、冷静に、商品を購入しようと判断できるため、
感情的に購入したときと比べて、購入後の継続率が高まります。
カウンセラーとセールスパーソン
最後にもう一つ、「セールスの階段」のさらに深い土台として、
前半は、カウンセラー
後半は、セールスパーソン
と自分自身の役割を演じ分けることも大事です。
前半と後半で、話す割合を意識して変えます。
カウンセラーフェーズでは、
『お客様70%、マドンナ30%』
と、お客様の話を聞きだし共感することを意識します。
セールスパーソンフェーズでは、
『お客様50%、マドンナ50%』
と、お客様と対等になり同じくらい話をします。
お客様と仲良くなるのは得意だけど、
なかなか販売できない、というマドンナには、
セールスパーソン要素をもっと強化します。
また、販売成績は良いけれど、
品質面に課題があるマドンナには、
カウンセラー要素をもっと強化する指導を行います。
お客様の満足度と、こちらが成し遂げたいことを
両立して高めるためには、カウンセラーと
セールスパーソンの両立が大事です。
最後に・・・
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
全5回、『心理的に見る、最高の販売員の特徴』として、
コールセンターでの指導で発見してきたノウハウを
ご紹介させて頂きました。
世の中のテクノロジーの進化に合わせて、
コミュニケーション方法、販売方法は変化しています。
通信販売におけるお客様とのタッチポイントも、
電話以外の手法もまた増えています。
ここまでテクニックをご紹介しておきながらですが、
テクニックだけでは世の中の流れに
合わなくなるのは明らかだとも考えています。
大切なのは、テクニックを学びつつも、
目の前のお客様の理解を深めたい、
というマインドが根底にあってこそです。
人格なきテクニックは乱暴である。
私自身も、常に学ぶ姿勢、相手を理解する姿勢を忘れず、
お客様の満足度のために貢献し続ける生き方をしていきます。