白い背景で撮影すると商品が暗く写ってしまう原因は〇〇にあった!

川上 博司

世界70億人のECのミカタ読者のみなさま。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

大好評(私個人の感想です)のこのコラム、今回の商品撮影のマル秘カンタンテクニックは、背景と商品と写真の明るさのヒミツ!です。

今回も、作例写真はiPhoneで撮影しておりますので悪しからず。

ECにおいて、商品の売れ行きを左右する大きな要因の一つが、商品写真の美しさです。

商品をリアルに手に取って見ていただけない状況で、商品の魅力をよりよく伝えるためには、写真映えは重要なポイントです。

かといって、プロに頼むとコストが嵩むし…

そこで、社内で撮影となるわけですが、なんだかうまく撮れない…

その、きれいに撮れていないと感じる理由の中に、「商品の色合いや明るさがイメージ通りに撮れていな〜い!」ということが、「字が小さくて読めな〜い!」っていうくらい、よくあるかと思います。

そのようなお悩みを抱えていらっしゃる方の中には、「照明を使って明るく照らしていないからかな?」などと思われて、高額な撮影セットをECで購入された方も多いかと思いますが、それだけじゃダメダメなのです。

なぜ暗く、時に明るく写ってしまうのかを知っておくと、商品写真のクオリティーがぐっとアップします。

さっそくですが、その答えを、チコちゃんのように端的にご説明しましょう。

「カメラの明るさ自動調整機能は、白いものは暗めに、黒いものは明るめに調整するから〜!」

なのです。

試しに、白いペットボトルを、白い背景と黒い背景で撮り比べてみましょう。

同じ明るさの部屋で撮っているにもかかわらず、商品の明るさが違って写っているのがお分かりでしょうか?

カメラの明るさ自動調整機能は、写真全体の明るさを平均するように調整するのです。

しかも、白い=明るい、黒い=暗い、とカンチガイするので、白いものは暗めに、黒いものは明るめに写るのです。

要するに、白や明るい色の商品ほど暗めな写真に、黒や色の濃い商品ほど明るめな写真になってしまうのです。

このような場合、プロは明るさ調整をカメラ任せ(オート)にせず、その場の明るさに合わせてマニュアルで固定してしまうのですが、まぁ、その辺の絞りだのシャッタースピードだの感度だの、ムツカシイ話は今回は抜きにして…

商品ごとに明るさが違って写ってしまうのは、カメラの明るさ自動調整の特性なのです。

なので、スマートフォンやカメラのオートモードで撮影する場合、スマホの画面をタッチして、スライドバーを使って明るさ調整したり、カメラの+/-マークのボタンで操作する露出補正という機能で、実際の商品の印象に近い明るさや色の濃さに調整しましょう。

そのほかの調整方法としては、写真ソフトやアプリの明るさ補正機能を使う方法もあります。

ちなみに、写真の明るさ調整ソフトで有名なものに、フォトショップというソフトがありますが、ちょっとした明るさ調整くらいでしたら、スマホのアプリでも、きれいに調整できますので、まずはカンタンなアプリから始めてみましょう。

ただし、写真を明るく調整しすぎると、商品のディティールが消えてしまったり、商品と背景との境界線がわからなくなったりしますので、やりすぎには気をつけましょう。

もうひとつのおまけ知識として、商品写真を切り抜きで!と指定された場合、最初の作例写真のように、明るめの色あいの商品は黒い背景で、暗めの色あいの商品は白い背景で撮影しておくと、商品と背景の境界線がハッキリするので、切り抜き作業が、少し楽になりますので参考まで。

次回は、ピンボケとブレの違いや、モデルを使った商品撮影のコツでも…

日頃の商品撮影の疑問や質問、このコラムでやってほしいネタなどがございましたら、ECのミカタ編集部までお気軽にご提案ください。

御社での出張撮影アドバイスや、商品や人物撮影のご依頼などもお待ちしております。

金額は、御社のご予算に合わせて、時価で…(笑)

文責:川上博司


著者

川上 博司 (Hiroshi Kawakami)

大阪芸術大学写真学科卒業後、ジュエリーやアパレルの販売、広報、出版社での映像制作プロデュース、ディレクションを経て、フリーカメラマン、インタビューライターに。
著名人やミュージシャンなどの人物、広告や商品、店舗取材、飲食、自動車、スポーツの国際大会、イベントやライブや舞台撮影、自然風景など、撮影対象は多岐にわたる。
スマートフォンユーザーやカメラ初心者から、プロを目指すカメラマン、ライターへの写真撮影指導もこなす。
さまざまなインタビュー取材経験から得た知識を活かして、コンサルやアドバイザー、カウンセリングなども行なっている。