今更聞けない!?広告とPRの違い、きちんと理解していますか??

迫川 敏宏

皆さん、こんにちは。株式会社売れるネット広告社 コンサルタントの迫川 敏宏(さこがわ としひろ)です。

ECを始めるにあたってまず考えることが、世間の人にどうやって自社商品を知ってもらうかだと思います。いくら商品が素晴らしいモノでも、その存在を知ってもらわない限り、だれも購入してくれません。

その手法としてよくあがるのが、「広告」と「PR」。どちらも自社商品を告知するという目的は一緒です。ただ、目的は一緒でも、その特性は大きく異なります。そこを理解せずに下手に手を出して、大失敗するケースもチラホラみかけます。

今回は、改めて「広告」と「PR」の違いについて考えてみました。

実は私、売れるネット広告社に入社する前に、広告代理店、PR会社どちらも経験しています。どちらが優れているかという視点ではなく、あくまでもフラットに両者の違いについてお話しできればと思います。

よくいわれる「広告」と「PR」の違い

よくいわれる「広告」と「PR」の違い

「広告」と「PR」の違いをシンプルに(そしてすこし乱暴に)言い表すと、まずは料金発生の有無にあります。

「広告」は、新聞・テレビ・雑誌・ネット媒体といったメディアの広告枠を購入し、広告内容を掲載します。

一方、「PR」はメディアにとりあげられやすい情報を発信し、メディアが自主的に情報を掲載します。その際、メディアに料金を支払うことは原則ありません。かかる費用としては、PR会社などへ依頼した場合はその手数料、自社でおこなえば、基本費用をかけずに告知が可能です。

この説明だけみると、わざわざ費用をかけて告知する「広告」に比べ、無料で自社の商品を告知できる「PR」のほうが効果的に見えるかもしれません。

現に、「PR」の指標の一つに広告換算というものがあり、私もPR会社時代には、よく「○○社のメディアに掲出され、○○○万円分の広告換算となりました!」などとクライアントに報告していたこともあります。

しかし、ここに落とし穴があるので注意が必要です。

「PR」がおちいる落とし穴

「PR」がおちいる落とし穴

「PR」は確かにコストをかけずに情報を掲載することができますが、メディア主体の情報発信のため、掲載日時ならびに内容をコントロールすることができません。

いくら情報を提供しても、メディア側で掲載価値がないと判断されてしまえば、全く掲載自体がされません。

また、仮に掲載されても、自社の意図と全く異なった文脈で掲載されることが多々あります。旬のタレントを使った新商品発表会などを、よくニュースで見かけることがあると思います。発表会自体は成功すれば圧倒的な露出が期待される立派な「PR」施策です。

しかしながら、意図した情報ではなく、そのタレント自体(もしくはタレントの発言)に告知内容が偏ってしまうケースが多々あります。特に、スキャンダルなどが絡むとその傾向は強くなり、新商品発表会自体は記事に取り上げられるものの、その内容のほとんどが、自社の商品とは無関係な情報になってしまうことも多く見られます。

内容をコントロールできる「広告」。でも消費者には嫌われる。

内容をコントロールできる「広告」。でも消費者には嫌われる。

「広告」は、費用をメディアに支払って情報を掲載するため、期間、内容などをコントロールすることが可能です。

特にネット広告の場合は、ターゲティング手法も多岐にわたり、狙ったターゲットに、伝えたいメッセージをダイレクトに届けることができます。

ネット広告が爆発的に加速した要因の1つが、このターゲティングにあります。また、「PR」と異なり、効果の分析が容易であるということも「広告」の強みの1つと言えるでしょう。

一方で、消費者に嫌われてしまうという弱みが「広告」にはあります。「広告」の特性上、伝える情報が広告主側の主張、一方的な押し付けになってしまうことが多く、消費者からすると不要な情報として分類されてしまうことが多々あります。

また、CMスキップ機能や、広告ブロック機能などの普及により、そもそも広告が見られていないといった状況も多く見られます。

そこで再び注目を浴びたのが「PR」です。「広告」は嫌われる、「広告」ではもう消費者は動かせないという論調が広まり、第三者視点や口コミの重要性が高まりました。

2010年~2016年ころに流行った「戦略PR」という言葉は、このような背景からうまれたといえるでしょう。

ネイティブ広告、記事広告は「PR」的アプローチからうまれた手法

ネイティブ広告、記事広告は「PR」的アプローチからうまれた手法

「広告」は内容のコントロールこそできるものの、消費者に嫌われる。「PR」は内容をコントロールできないが、第三者視点により説得力が増す。

ものすごくシンプルにまとめると、「広告」と「PR」にはこのような特徴があります。

最近主流のネイティブ広告、記事広告はこの「広告」と「PR」両方の特徴をMIXさせた手法です。皆さんも、記事だと思って読んでいたら「広告」だった、という経験が一度はあると思います。よくよくみると、小さく、“PR”や“sponsored”と書いてあるあれです。

「PR」の第三者発信からくる説得力と、コントロールが可能な「広告」のいいところをうまく組み合わせた手法といえるでしょう。

まとめ

広告代理店、PR会社、ともに経験した立場から、なるべくフラットにそれぞれを区別してみましたが、いかがでしたでしょうか。

「広告」と「PR」、確かに特徴や性質に違いがあるとはいえ、それらを全く別物として扱う時代ではなくなってきました。

私自身も、広告代理店はどんどんPR会社に、PR会社はどんどん広告代理店に、お互いに領域を広げている様を、身をもって体験してきました。

「広告」と「PR」それぞれの特徴をうまく融合し、使い分けることが、これからの消費者とのコミュニケーションに必要だと思います。

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著者

迫川 敏宏 (Toshihiro Sakogawa)

神奈川県横浜市出身。大学卒業後、コピーライター養成学校を経て、広告代理店、PR業界など様々な業界で、知見・実績を積み上げる。
通販業界最大手、某飲料メーカー系通販のWebプロモーションを支援。「アニメーション動画型ランディングページ」施策を確立し、売上最大350%伸長させることに貢献する。
圧倒的な業界知識と実績、ダイレクトマーケティングの経験を最大限に生かすべく、2018年4月に売れるネット広告社に入社。モットーは「真剣にふざける」。
焚火をこよなく愛し、月に2~3回のファミリーキャンプを楽しむ傍ら、パパだけでひっそり楽しむ「親父焚火会」を主催。

通販エキスパート検定1級(通販マネジメント編)取得。

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